理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
4 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 梅村 守, 相澤 直行
    1989 年 4 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本報では、単純繰り返し作業としてスタンプ押し作業を取り上げ、ベルトコンベアにより作業速度を変化させたときに、workload及び作業の質にどのような影響を及ぼすかを実験を通して考察した。workloadの指標として心拍変動率(RHR)、フリッカー値(CFF)変化率を、作業の質を表わす指標としてスタンプ不良率を用いた。
    実験結果より、RHR、スタンプ不良率は作業速度の変化による影響が認められたが、CFF変化率については認められなかった。RHRが最小となる作業速度とスタンプ不良率が最小となる作業速度は必ずしも一致しないが、それより作業速度を速くしても遅くしてもRHR、スタンプ不良率ともに上がる傾向がみられた。
    上記の実験結果より、作業者によりworkloadの最小となる作業速度に違いがあること、workloadに応じて作業の質も変わることを指摘している。
  • 新井 保久, 八島 寛, 永渕 秀光, 加賀 浩, 古屋 和彦, 田畑 稔, 石田 秀雄, 八島 武嗣, 北畑 みどり, 巌 一郎
    1989 年 4 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    膝前十字靭帯(以下ACLと略)損傷に対する種々の再建術は、術後の理学療法の結果において必ずしも満足しているとは言い難い。しかし当院ではACL損傷に対して脛骨粗面前方移行術を行い、その術後の理学療法について検討した。対象は、同手術を受けた28症例で、理学療法実施後のROM、筋力、日常生活、スポーツ活動において、十分満足する結果が得られた。またその機能訓練では、(1)大腿四頭筋の強化訓練が重要である。(2)殊に内側広筋の筋力増強は必須である。(3)ハムストリングスの強化も大切である。(4)ROMは愛護的に実践することが望ましい。(5)動的な関節の制動訓練も、必要不可欠である、との結論を得た。
  • 鈴木 俊明, 武田 功, 藤原 哲司
    1989 年 4 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    理学療法の治療手段の科学的裏づけを行う前段階として、正常人安静時F波について検討した。平均年齢21.9±2.7歳の健常者13例(男性6例、女性7例)に手関節掌部で右正中神経を刺激してF波を検査した。全対象平均において出現頻度66.8±18.9%、頂点間振幅0.27±0.19mV、振幅のF/M比1.81±0.81%、立ち上がり潜時25.20±1.38msec、持続時間9.40±1.04msec、伝導速度61.1±2.90m/sec、位相数3.67±0.08を得た。振幅F/M比と持続時間について測定上の問題点は残るが、他の測定値は他家の報告と一致した。男女間での有意な差は見られなかった。
  • 平上 二九三, 大嶋 一志, 山村 悟, 武田 正則, 河村 顕治, 徳弘 昭博
    1989 年 4 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    正常人(C群:10名)と脊髄麻痺(P群:弛緩性麻痺6例)および脳卒中片麻痺(H1群:筋緊張亢進11例、H2群:著明亢進4例)における下肢振り子試験を加速度計を用いて仰臥位と坐位で測定した。えられた加速度の減衰曲線より、最大振幅(1)と静止までの時間(t)よりl/tを求めた。
    l/tはP群、C群、H1群、H2群の順に大きくなる傾向を示した。仰臥位と坐位のl/tは、C群とP群には一定の傾向は見られなかった。しかし、H1群とH2群では坐位よりも仰臥位の方が有意の差が大きかった。しかも、このl/tの変化は、ほぼ同じ傾向を示した。
    以上のことから、筋緊張の亢進した患者における下肢振り子試験では、仰臥位での測定が重要な所見となると考えた。
  • 望月 久, 肥田 邦江, 岡 十代香
    1989 年 4 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脊髄小脳変性症の重症度分類と簡易なバランス機能検査法を作成し、その使用結果を検討した。バランス検査の得点は、ほぼ患者の重症度にしたがって分布した。バランス検査において、静的バランスの得点と動的バランスの得点は±2点の範囲にほぼおさまり、両得点の相違から患者のバランス機能の特徴が比較できると思われた。また、脊髄小脳変性症患者の最高歩行速度と一定距離に要する歩数との比較から,失調症患者の最高歩行速度はケイデンスではなく、歩幅により決まることが推測された。以上の結果から、今回作成した重症度分類とバランス検査は脊髄小脳変性症の理学療法の施行に資するものと思われた。
  • 梅村 守, 谷 浩明
    1989 年 4 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
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