傾斜板及び平坦な床上に両側アキレス腱に70Hzの振動刺激を与えながら直立位を保持させ、脛骨神経を最大閾値で刺激し腓腹筋から誘発されるSilent Periodの消長から老年群(9名)の姿勢保持障害を若年群(10名)と比較検討した。
(1)老年者の安静時SPは若年群に比べて床立位で24.0ms、傾斜立位では10.8msと延長した。
(2)床、傾斜立位に限らず老、若年群とも振動負荷中は安静値よりも延長する傾向が認められた。
直立位に於て脊髄前角細胞の興奮性を表すSPが振動負荷時に延長した事は、末梢の固有感覚系の外乱に対して上位中枢での制御系の関与が大きいことが推測された。
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