Sago Palm
Online ISSN : 2758-3074
Print ISSN : 1347-3972
20 巻, 2 号
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調査研究報告
  • 岡崎 正規, 木村 園子ドロテア, Suzette Lina B., 井倉 将人, Quevedo Marcelo A., 安藤 哲, 三枝 ...
    2012 年20 巻2 号 p. 69-75
    発行日: 2012年
    公開日: 2023/07/06
    ジャーナル フリー
     フィリピン・レイテにおいて、通常の尿素肥料および緩効性尿素肥料を50 あるいは100 kg N ha-1として施用したサゴヤシ実験圃場(管理のために圃場を6列に区分し、1列に5プロットを配した)に発生したミノガの幼虫による食害を2008年および2010年に調査した。本ミノガは、前翅および後翅の脈相、前翅の11本の翅脈と中脈M1の存在、後翅の7本の翅脈および後翅中室が閉ざされているなどの特徴からPteroma pendulaあるいはこの近縁種であると同定した。2008年に本種によって何らかの被害を受けたサゴヤシは、試験圃場の植栽グループによって異なるが、サゴヤシの84(E グループ)〜100 %(O グループ)にまで達した。食害を受けたサゴヤシは、全サゴヤシの83%にまで達した。通常および緩効性いずれの尿素肥料の施用も、ミノガの食害を増加させたが、有意な差ではなかった。また、ミノガによる食害は、トゲの大きいサゴヤシの方がトゲの小さいサゴヤシよりもやや大きかった。2010年において、再び、ミノガの食害が認められたが、2008年ほどには広範に食害されず、トゲの大きいサゴヤシ2本にのみ食害が集中し、2本のサゴヤシ生葉の38.5〜40.0%が食害された。現在まで、甚大なミノガによる食害はみられていないが、単一種のプランテーションでは、天敵が少なく、ミノガのように爆発的な個体数の増加がみられる種に対するリスク管理が必要であろう。
  • 近堂 知子, 白渡 瞳, 平尾 和子, 高橋 節子
    2012 年20 巻2 号 p. 76-87
    発行日: 2012年
    公開日: 2023/07/06
    ジャーナル フリー
     サゴ澱粉の新たな調理適性を検討する目的で生八ツ橋の素材である上新粉、白玉粉の一部をサゴ澱粉に置換した際の影響を研究した。また電子レンジ加熱により調製した生八ツ橋生地の物性および食味特性からサゴ澱粉の利用適性を検討した。
     上新粉は白玉粉に比べて糊化し難く、硬く付着性の大きいゲルを形成した。上新粉、白玉粉ともにサゴ澱粉の置換率が増すほど、ゲルの硬さは大となった。一方、付着性の場合は、上新粉にサゴ澱粉を30 %置換することにより、また白玉粉に50 %置換することにより付着性は大となった。このことから米粉へのサゴ澱粉の配合割合を変化させることにより、製品の目的に応じた硬さや付着性のある米粉製品を調製できると考えられた。
     官能評価の結果から、上新粉にサゴ澱粉50および70 %置換した生八ツ橋は、対照に比べて色、硬さ、弾力があり、弾力、総合評価の項目において有意に好まれ、サゴ澱粉の生八ツ橋への利用効果が明らかになった。
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