Sago Palm
Online ISSN : 2758-3074
Print ISSN : 1347-3972
17 巻, 1 号
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研究・調査報告
  • ―インドネシア,南東スラウェシ州クンダリ近郊における栽培サゴヤシ園での調査―
    柳舘 勇, Rembon Fransiscus Suramas, 吉田 徹志, 山本 由徳, Pasolon Yulius Barra, J ...
    2009 年 17 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/07/06
    ジャーナル フリー
     本研究は,インドネシア南東スラウェシ州クンダリ近郊のサゴヤシ栽培農園において,2006から2015年までの10年間のデンプン収量を推定するために行われた.平均の樹幹(0.5 m以上の樹幹長)密度および各樹幹長別(1 m以下及び1m以上は1 m毎の長さ)の平均樹幹数は,それぞれ228本/haおよび19本/haであった.幹立ち後の推定樹齢と樹幹長との関係から樹幹の伸長速度を算出した結果,約1 m/yearとなった.この値と収穫適期における樹幹長(10 m)より,2006年から2015年までの10年間における収穫可能な樹幹数は平均22本/ha/yearと推定された.収穫適期の樹幹のデンプン収量は化学分析法により393 kg/palmとなったことから,2006~2015年の間の平均デンプン収量は9.0 t/ha/yearと推定された.しかし,デンプン収量は2006年での13.5 t/haから2015年での4.3 t/haへと顕著な減少傾向を示した.これは樹齢別樹幹密度の偏りによる年次間における収穫可能樹幹数の差から生じたものと考えられ,ha当たりの安定したデンプン生産には,サッカー調整を含む適正な樹幹密度を維持する栽培技術の確立の重要性が指摘された.
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