可視化情報学会論文集
Online ISSN : 1346-5260
ISSN-L : 1346-5252
37 巻, 10 号
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  • 尾亦 範泰, 白山 晋
    2017 年 37 巻 10 号 p. 48-54
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    流体実験や計算によって得られる定量的なデータが,「見た目」といった定性的な方法によって分析される場合は少なくない.これは定量性や客観性の面で問題である.一方で,近年,定量性や客観性を欠くとされるタフト法のような実験法からも定量的な分析が行えることが示唆されている.本稿では,タフト法から取得された,流れの3次元方向ベクトルの時空間データに対する統計的空間分割を介したパターン抽出法を提案する.はじめに,各タフトの位置での時系列データを確率モデルによって表現し,確率分布間の距離を導入することでモデル同士の類似度を算出する.次に,この類似度に対してスペクトラルクラスタリングを適用することでパターン抽出を行う.実際のデータに適用した結果,空間パターンの抽出に成功した.これにより,提案手法に一定の妥当性があることが示された.

  • 酒井 風馬, 落合 成行
    2017 年 37 巻 10 号 p. 55-63
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー

    流体軸受にとって気相の領域を把握することは重要である.しかし,従来の方法で気相領域を特定するには工夫と時間を要する.以上のことから,気相領域を実験的に特定する新たな測定法が求められる.また,一般的に,産業機械で使用されている軸受の多くは潤滑油を内部に満遍なく供給するため給油口が2箇所に設置されている.各給油口から供給された潤滑油は給油口内および軸受内部で混ざり合うのか,互いの流れの相互作用によって流れの経路がある程度パターン化されるのか判別が難しい.本研究では,ジャーナル軸受におけるキャビテーションと空気相の領域,および各給油口から供給される潤滑油の分布を軸受面のRGB感度から考察し,また,従来のキャビテーションの可視化実験と比較し,新たに提案する可視化方法の妥当性について検討した.結果より,補色の関係にある着色剤を用いて潤滑油を2色(橙色および青色)に着色し,2つの給油口から供給することで,各給油口から供給された潤滑油の分布が把握できることが確認された.また,RGB感度の値を相対的に比較することで,軸受内部の気相の領域および潤滑油の分布を特定することが可能であり,従来のキャビテーション可視化実験と比較してもRGB感度から得られた気相の領域とよく一致することが確認された.

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