Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集
Online ISSN : 2758-2922
第14回研究会
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
セッション1:情報推薦
  • 佃 洸摂, 深山 覚, 後藤 真孝
    p. 1-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    ユーザ生成コンテンツを扱うWebサービス上では,一人のユーザが消費者としての役割と創作者としての役割の両方を持つことがある.コンテンツ推薦を行う既存モデルの大半は,ユーザの消費者としての役割しか考慮しておらず,推薦精度を改善するためにこれら二つの役割をどのように活用できるかは十分に検討されてこなかった.本稿では,ユーザ生成コンテンツ推薦におけるstate-of-the-art手法であるCPRec(consumer and producer based recommendation)に基づき,ABCPRec(adaptively bridging CPRec)を提案する.二つの役割が全ユーザで統一的に対応付けられているCPRecとは異なり,ABCPRecでは各ユーザの消費者・創作者それぞれの性質の類似度に基づいて適応的に二つの役割を対応づける.これにより,ユーザの消費者・創作者としての特徴をより柔軟にデータから学習し,コンテンツのより高い精度での推薦が可能になる. 二種類の実世界のデータセットを用いて推薦精度の評価実験を行い,提案手法の性能がCPRecを含む比較手法よりも統計的に有意に上回ることを示した.

  • 柴田 祐樹, 高間 康史
    p. 7-10
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,辺ベクトルと確率モデルによる経路生成の定式化を用いた経路推薦手法における,スポットの価値を推定する手法を提案する.先行研究では,焼きなまし法により最適な経路を求めることで,経路推薦を行う手法を確立しているが,推薦に必要となるスポットの価値は明示的に定めたものを利用するにとどまっており,実在するユーザに適合した推薦手法とまでは至っていない.また,スポット間の途中経路も最適化の対象としているため,存在する道すべての価値を推定する必要があり,問題の規模が非常に大きいため,価値推定手法の構築は容易ではない.この課題に対し,本稿では,行列分解ベースの協調フィルタリングと同様のアプローチにより,道の潜在属性と,ユーザの好みを推定する手法を提案する.また,確率モデルである利点を活かし,モンテカルロ法を用いた汎用的な潜在因子推定手法を構築可能なことを示す.

  • 吉村 晴夏, Panote Siriaraya, 王 元元, 河合 由起子
    p. 11-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,外出先など屋内外で経路案内やスポット検索など地図検索サービスの利用が増加しているが,異なる場所にいる人との待ち合わせなど,地図の共有利用の需要も増加している.複数人の共有利用として,ユーザの嗜好抽出やSNS分析によるPOI抽出により,複数人にとって嗜好性の高いスポットを推薦する研究が広く行われている.本研究では,先行研究である地図上の複数の地点を起点とした同心円上の集合演算を可能とする空間演算に基づき,複数のユーザに対して最適な範囲内にあるスポットの推薦システムを提案する.特に,遭遇を避けたい等でユーザに関する情報の少ない場合にCFと空間演算による遭遇率の低いスポット推薦を提案する.

  • 上坂 佳, Panote Siriaraya, 王 元元, 河合 由起子
    p. 15-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    POIやレストランなどのスポット検索では,店舗名や観光名所,地名といった空間的なキーワードの想起が容易であるが,それら空間キーワードとゆかりのない人物名などをキーワードとする地図検索は困難である.本研究では,先行研究の時空間演算を用いることで,地図空間上で検索が困難な人名や地震などのイベントと言った動的オブジェクト(検索ワード)からの,スポット検索手法を提案する.これにより,例えば「ハリウッド␣大谷翔平」といった空間と人名キーワードからハリウッド周辺の大谷選手の好みのクレープ店舗や和菓子屋などが検索でき,人物とゆかりのない場所でもその人物と関連あるスポットを発見できる本論文では,時空間演算による空間および動的オブジェクトと関連性の高いスポット検索手法について述べる.

セッション2:テキスト処理
  • 鈴木 稜也, 山西 良典, 西原 陽子
    p. 21-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,レストランレビュー中の料理名周辺にある記述から料理特有の評価表現を抽出する手法を提案する.レストランレビューの活用が一般化してきていることで料理についてのウェブ上の評価情報は日々増加しているが,大量の評価情報を読み,ユーザの嗜好に合った料理を選択することは難しい.このような背景のもとで,シズルワードのような一般的な味評価の表現のみならず,ある料理に対して共起頻度が高い調理方法を表す単語や料理特有の評価表現を容易に取得可能にすることは,レビューの記述支援や理解支援につながると考えられる.係り受け解析だけでなく,料理名を含む文の周辺に存在する単語の重要度をハイブリッドに用いることで,料理の評価表現を獲得する.分析結果の考察から,提案手法によって抽出された料理特有の評価表現は,一般的な味表現に比べて料理の特性をよりよく捉えている可能性が高く,レビュー記述時の多様なニーズに応じた情報提供が可能になることが示唆された.

  • 若狭 孟, 横山 昌平
    p. 25-28
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    スポーツ観戦とSNSのリアルタイム性は親和性が高く,試合を見ながら多くの人が同時に投稿する傾向がある.ツイートには観戦者の試合への感想が表れており,それらは出場選手のパフォーマンスの良し悪しを示唆すると考えられる.また,試合を振り返る指標として出場選手の採点というものがあり,出場選手がその試合でどれほど活躍したかがわかる.先行研究では,観戦者による特定の試合に関するツイートを感情分析にかけることによってその試合の出場選手の採点を行った.しかし,1ツイート内に複数選手名が含まれている際,各選手に対する正確な感情分析のスコアを与えられていなかった.また,ツイートはくだけた表現であることが多い.そのため,ツイートによっては感情分析の結果が正しいとは言えなかった.本稿では,先行研究の手法の改善点と,既存の感情値辞書を応用してサッカーの試合に関するツイートに適した感情値辞書の構築に向けた考察を述べる.

  • 小邦 将輝, 関 洋平, 平手 勇宇
    p. 29-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    投稿型レシピサイトには,調理手順テキストなどの料理レシピの構成要素が他のレシピと同一のレシピ(重複レシピ)が存在する.本研究では,単語の分散表現間の距離に基づいて文書間の距離を算出する手法であるWord Mover's Distanceを文字3-gramの分散表現へと応用した手法を提案する.評価実験では,約121万件のレシピから単語の分散表現と文字3-gramの分散表現をSkip-gram Model with Negative Sampling, fastTextの2手法を用いて学習し,重複レシピペア候補を抽出する.そして,重複レシピペア候補へのアノテーションを行い,重複レシピ検出手法の評価を行う.実験の結果、単語の分散表現を用いた際には検出できなかった重複レシピが,文字3-gramの分散表現を用いることによって検出できることを確認した.

セッション3: データ分析
  • 金田 大地, 山西 良典, 森 晴菜, 西原 陽子
    p. 33-37
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,映像コンテンツでの予告と本編のシーンについて時系列に着目して比較分析し,予告によってネタバレと感じさせずに本編への興味関心(ワクワク)を創出するメカニズムについて考察した.様々な映像コンテンツにおいて予告編が作成されているが,予告が単なるネタバレとはならずに本編への視聴意欲を高められるヒミツは明らかになっていない.ネタバレとワクワクの違いが明らかになれば,ネタバレしない予告編の作成支援につながると期待される.本稿では,映画,ドラマ、アニメにおける予告編を画像,音声の2つの観点からシーンごとに切り分け,各シーンが本編のどの部分から抽出されているのかを分析した.その結果,本編とは異なる時系列でシーンを組み合わせることで,ネタバレにならずにワクワクを提供する予告が作られている可能性が明らかになった.

  • 上田 龍汰, 松原 奈波, 浦 雅治, 段ノ上 愛子, 土方 嘉徳
    p. 39-40
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    Webやソーシャルメディアを利用したマーケティングキャンペーンが盛んに行われている.本稿では,Webやソーシャルメディアで行われているマーケティングキャンペーンの事例を200個収集し,それらを特徴づける属性を人手で定義し,それらの分類を行う.その後,収集した事例を用いて相関分析を行い,互いに相関関係にある属性を明らかにする.収集した事例を調査したところ,属性には,目的,マーケティング技法,商品・コンテンツ,対象ユーザ(消費者),時間に関するものがあることが分かった.また,事例を統計的に分析した結果,キャンペーンの目的と商品分類(内容)との間に相関(連関)があることが分かった.

  • 廣中 詩織, 吉田 光男, 梅村 恭司
    p. 41-44
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    ユーザの居住地などの属性は,ニュース推薦や広告提供など様々なアプリケーションで必要とされている.しかし,現実のユーザに関わる属性は不明なことが多く,ユーザ間の関係などから推定する必要がある.これまでの研究において,多くのユーザと関わりのある有名人など,居住地を推定しにくいユーザが存在しており,推定しにくいユーザは一部の有名人のみであることがわかっている.我々はソーシャルグラフから計算したユーザの中心性をもとに,どのようなユーザが友人と同じ居住地を持つのかを分析した.その結果,PageRankとHITSで計算した中心性の値はユーザが友人と同じ居住地を持つ傾向と関連していること,高いHITSスコアを持つユーザはあまり友人と居住地を共有していないことがわかったこの結果は,居住地を推定しにくいユーザとして,多くの有名人をフォローしているHubユーザと有名人であるAuthorityユーザとの2種類がいることを示している.

セッション4: 可視化・時系列データ処理
  • 稲垣 有哉, 岩田 一, 白銀 純子, 深澤 良彰
    p. 45-50
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    ウェブページを開発する時にデザイナーはユーザーに興味を持ってもらえるようレイアウトを設計するが,実際にはデザイナーの意思が適切にデザインに反映されず,デザイナーが見て欲しい情報とユーザーが実際に見ている情報の間にズレが生じることが多々ある.このような問題を未然に防ぐための手法として,人の注視の引きつけやすさを示す顕著性マップをデザイナーに開発段階で示すことが考えられる.そこで本研究では,開発段階でウェブページの構造と顕著性マップを組み合わせることで,要素単位で顕著性を計算することによるウェブページの重要領域の新たな視覚化手法を提案する.ページ中の注目が集まりやすい領域に重要な情報をデザイナーが配置することで,その情報にユーザーが注目しやすくなり効率的なユーザーの獲得に繋がることが期待される.また,特に重要な領域を一つの画像に纏めた集約図を提示することでページ内容把握の補助に繋がると考える.

  • 高見 玲, 高間 康史
    p. 51-54
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,多次元時系列データに対する指標形成の支援を目的とした視覚的分析フレームワークを提案する.評価指標は,データに基づく意思決定,機械学習のためのラベル付けなどにおいて重要な役割を果たす.指標の形成はドメイン専門家の視覚的分析を通して行われるのが一般的だが,多次元時系列データの場合,分析者が次元削減等のアルゴリズムやパラメータを理解することが困難である.そのため,可視化技術と専門家の知識を融合するための,相互主導型インタフェースの導入が期待される.提案するフレームワークでは,属性値の重み付き線形和の形で,時点ごとにデータの評価指標を相互主導型インタラクションにより形成する.提案フレームワークに基づきインタフェースを実装し,実データに適用した例を示す.

  • 岩田 晟, 江口 浩二, 藤田 澄男
    p. 55-58
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    インターネット上で検索クエリを投入するとき,あるクエリの影響によって他のクエリの発生が起きることがある.本稿ではそのような検索クエリの影響を表すため,点過程の一種であるHawkes過程の枝因子に着目し,その枝因子を用いて,どれほど今後,検索されかを予測する.Hawkes過程の枝因子はある事象の発生によりどれほどの事象数が発生するかを表す.LDA-Hawkesモデルにて各クエリがどのトピックに属するか推定したのち,枝因子を用いることで検索クエリの今度発生する事象数,すなわち,今後,どれほど検索されるかを予測する.このとき予測され検索数はトピックごとの検索数であるため,分野(トピック)ごとの流行を予測することもできる.本稿では,Yahoo!Japanのクエリログの一部を用いた実験の結果を報告する.

feedback
Top