Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集
Online ISSN : 2758-2922
第9回研究会
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
セッション1:ユーザ意図・ユーザ分析
  • 宋 曦媚, 高久 雅生
    p. 1-6
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    ユーザーの検索意図を考慮して、ユーザーの意図が曖昧な場合であっても具体的な場合であっても、ユーザーを満足させることを目指して開発したナビゲーション支援(IntentNAVI)システムについて報告する。IntentNAVIシステムは4つのサブシステムと意図推定モジュールから構成され、サブシステムのうち、ウェブサブシステムは常に提示され、他の3つのサブシステムは個別意図(News,Shopping,QA)に対応し、クエリ意図に近いサブシステムをシステムが推定して表示する。本稿では、、IntentNAVIシステムの意図推定手法に関する評価とユーザー実験の結果を示す。評価実験の結果では4つのサブシステムの全体から見ると、Webのサブシステムの結果が参加者の主観満足度が高いと言え、個別意図の3つのサブシステムのうち、Newsの課題において、Newsのサブシステムに対してユーザーの満足度が高いと言える。このシステムを通じて、ユーザー意図の把握と2画面インタフェースがユーザーに与える影響を考察する。

  • 冨永 登夢, 土方 嘉徳
    p. 7-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    Twitter上で,プロファイル画像はユーザの視覚的シンボルと見なされる.また,Twitter上のユーザ行動は,自己表現と捉えられる.本研究では,日本人のTwitterユーザを対象に,ユーザ行動とプロファイル画像の関係について調査と分析を行う.我々は,対象ユーザ群のプロファイル画像を13種類に分類し,カテゴリ間でのユーザ行動の違いをロジスティック回帰分析により調査した.その結果,ユーザ行動とプロファイル画像のカテゴリついて,いくつか有意な相関関係を発見した(“本人複数”カテゴリ(複数人が映っている写真を用いるユーザ群)に属するユーザは,返信機能を多用する).さらに,我々は,ユーザ行動を基に,対象ユーザのプロファイル画像のカテゴリを予測するロジスティック回帰モデルを構築した.構築されたモデルの性能を評価したところ,“本人複数”カテゴリに対するモデルが最も良い結果を示した(F値:0.789).

  • 吉田 翔吾郎, 井口 晃一, 土方 嘉徳, 酒田 信親
    p. 13-18
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,ユーザの心理学的な特徴(パーソナリティ)を推薦システムの設計に取り入れようという試みがあり,その有効性は認められてきている.しかし,このような研究はまだ始まったばかりで,推薦システムの各プロセス(O-I-Pモデル)におけるユーザの行動とパーソナリティの関係については多くのことが明らかになっていない.本研究では,O-I-Pモデルの最初のプロセスであるアイテムへの評価値の入力に焦点を当て,ユーザのパーソナリティとの関係を調査する.調査の結果,ユーザのパーソナリティは評価付けのために閲覧するアイテムの量や評価値の偏りと相関があることが確かめられた.我々の調査結果は,パーソナリティベースの推薦システムの発展に貢献すると考えている.

  • 溝 大貴, 林 良平
    p. 19-20
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    宿・ホテル検索サイト大手の“じゃらん”やECサイト大手の“amazon.co.jp”などで用いられる「5段階評価システム」では回答者からの合理的な回答を期待できない.なぜなら,5段階評価システムは評価対象の推移性を保証していないからである.この問題を解決するために,ボルダルールを用いた多元的評価システムを考案した.評価対象をモデル化して真の序列を定義し,169名の被験者に評価させて比較した.その結果,多元的評価システムのほうが個人の選好を正確に反映できることがわかった.

セッション2:協調作業
  • 渡邊 正人, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    p. 21-26
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,位置情報を利用して,協調型のWebアプリケーションの同期範囲を制御するWeb 同期技術を開発している.Webアプリケーションの同期範囲をBluetoothビーコンによって制御することで,屋内での運用も可能である.屋内における位置情報を利用した同期範囲の制御は,従来のジオフェンスを利用した手法では困難である.本稿では,屋内における同期範囲の制御の困難さを克服するための手法として近接情報伝搬機構に基づくWeb同期機構を提案する.近接情報伝搬機構によって位置情報を伝播することで,同期範囲の制御の困難さを克服する.センサデバイスを用いて屋内の位置情報を取得する場合,ネイティブアプリケーションの開発技術が必要である.位置情報を利用した協調型のWebアプリケーションを,Web技術のみでの開発を可能にすることにより,開発コストの軽減を目指す.本稿では,Web同期機構の実装方法について述べ,評価実験により,有用性を確かめる.

  • 伊藤 栄俊, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    p. 27-32
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    リアルタイムWeb協調作業を行う上で,コンテンツ同期のリアルタイム性は重要である.描画処理において,コンテンツが増加するほどリアルタイムな同期を保つことは困難になる.本研究では,Webブラウザ間でのリアルタイムなコンテンツ同期を実現するために,HTML5のCanvas要素を動的に多重レイヤー化することで,大量のオブジェクトに対しても描画コストを軽減する.また,ユーザーの特性に基づくオブジェクトの更新頻度の偏りに注目した.ユーザーの特性とオブジェクトの更新頻度に関する実験を重ね,得られた結果より,複数オブジェクトを同時に更新処理するためのアルゴリズムを提案する.提案する同時処理アルゴリズムを評価することで本システムの有用性を示す.最後に,本システムを用いて開発したリアルタイムWeb協調作業アプリケーションの紹介を行う.

  • 大坪 五郎
    p. 33-34
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    住居の選択は,そこに住む人間それぞれに深く関わる事項であるが,既存の不動産情報検索システムは一人での使用のみを想定したものが多い.そのため複数人でコミュニケーションをとりつつ不動産情報を探索することを目的としたテーブルトップシステムを開発した.ユーザはタンジブルインタフェースを用いることで容易かつ個別に検索条件を入力,変更し表示された結果を閲覧しながら対象物件を絞り込んでいく.こうしたプロセスを経ながら,仮に満足する不動産情報が見つからない場合でも,お互いの住居に関する考え方を理解しあうことで満足がいく情報探索を行うことができる.本論文ではこのようなシステムの設計と実装について述べる.

セッション5:テキスト処理
  • 佐野 正和, 増田 英孝, 山田 剛一, 福原 知宏
    p. 37-42
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、陸上競技選手のモチベーション維持・向上を目的として、陸上競技選手のブログサイトから練習内容及び大会記録を抽出し、目標もしくは競争相手となりうる選手の情報を可視化する手法を提案する。本論文では実際の陸上競技ブログから抽出した活動内容と大会記録をもとに選手の活動を可視化した例と、活動内容のマイニングから得られた選手ごとの特徴について述べる。

  • 森 晴菜, 山西 良典, 西原 陽子, 福本 淳一
    p. 43-48
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    小説の読書再開時に,前回までの読書内容を忘れてしまい,読み返す場合がある.既読部分の読み返しにより内容を思い出し,スムーズに続きを読み始められる一方,本来の読書時間が削られてしまう.本稿では,読書中断地点を示すしおりの前後での単語の頻度変化に着目した既読部分からのあらすじ生成手法を提案する.具体的には,しおり以前から以後にかけての各単語の頻度の増加率を,既読部分のあらすじ生成における単語の重要度として扱う.この単語の重要度に基づいて,既読部分の各文の重要度を算出し,より重要度の高い文をあらすじとして抽出する.本稿では,あらすじ生成過程における,しおりの前後セクションの取り出し方法・基準や,あらすじ文の抽出対象範囲について,比較・検討した.また,人手でのあらすじ生成実験の結果と比較し,提案手法によって生成した既読部分のあらすじについて考察した.

  • 原田 大地, 荒木 健治
    p. 49-50
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本手法では,tf-idf値と単語の分散表現の類似度を用いてスコアを計算することにより文の重要度を決定し,要約を行う.具体的には,tf-idf値により重要と判定された単語に加えて,この重要語と類似した単語もまた重要語とみなし,重要語のtf-idf値と分散表現のコサイン類似度との積を重要語のスコアとする.次に,文中に含まれる重要語のスコアの総和を文長により正規化することにより得られた文の重要度スコアを用いて重要文抽出による単一文書要約を行う.本発表では,本手法に基づく実験システムを作成し,日本語のニュース記事を対象として評価実験および考察を行った結果について述べる.

セッション6:ネットワーク分析・クラスタリング
  • 菊地 悠樹, 熊野 雅仁, 木村 昌弘
    p. 51-56
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,シェフや料理の専門家だけでなく,一般の家庭の人々が提案する料理レシピがWeb空間に投稿され続けているため,ユーザ間の相互作用により,新たな料理フロンティアが開拓され,新展開が期待される時代が到来している.本研究では,新しい食材の出現による動向よりも,既存の旬食材の使われ方のパターン変化に着目して料理レシピ投稿の動向分析を行うため,旬食材ネットワークのパターン変化を可視化する二つの方法を提案する.料理レシピ共有サイトCOOKPADにおける大量の実データを用いた実験で,提案法の有効性を検証する.

  • 赤山 郁人, 倉持 俊也, 土方 嘉徳
    p. 57-62
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    ソーシャルネットワーキングサービスにおいて,人はその人の興味のあるトピックに基づいてフォロー先を決定していると思われる.我々は,ノードが潜在的なトピックに基づき,有向リンクのリンク先を決定する考えに基づく複雑ネットワークの生成モデルを提案する.本稿では,まず計算機によるシミュレーションを行い,その結果が複雑ネットワークの様々な性質を満たしているかどうかを議論する.また,ネットワークを評価する指標である平均経路長,クラスタ係数,ベき指数を計算し,得られた値について分析を行った.さらに,提案モデルが生成するネットワークを可視化し,考察を行った.

  • 井本 博之, 岡部 正幸, 高間 康史
    p. 63-64
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    近年,計算機能力の向上とエンドユーザーによる情報発信量の増加によって大規模データの活用需要が高まり,文書や画像などの様々なデータに対するクラスタリング需要が増加している.しかし,クラスタリングを行う際,多種多様なデータに対する人間と機械との間に存在する意味解釈の違いにより,同一クラスタに所属させたいデータが空間内で複数のグループに分かれて存在し上手くクラスタリングを行えない場合が考えられる.提案手法では,クラスタリング中の従属クラスタ生成と、Must-Linkを利用したクラスタ統合によりこの問題に対応する.また,2種類の人工データを用い,グラフカットに基づく従来手法などと比較実験を行った結果より,提案手法の有効性を示す.

セッション7:ソーシャルメディア
  • 星川 祐人, 若林 啓
    p. 65-70
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    人間同士の会話は,目的が明確な議論と,目的のない雑談に大別することができる.本研究では,ソーシャルメディア上で行なわれている会話から,議論を抽出する手法を提案する.議論には,会話の目的や話者の持つ知識が表れるため,ユーザ推薦やユーザの人間関係の把握に有用であると考えられる.会話の目的が決まっている程度を表す指標を議論スコアとする.会話に含まれる助詞・助動詞から話者の態度を表す発話役割をベクトルで表現し,この発話役割ベクトルと会話のツイート数を用いて,会話ごとの議論スコアを推定する.実験より,提案手法による推定結果と人手による判定との相関を評価し,提案手法の有効性を確認した.

  • 大竹 恒平, 白石 諒, 中田 武太朗, 生田目 崇, 庄司 裕子
    p. 71-72
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    本稿は,ソーシャルメディア上で「かわいい」という語がどのような文脈で用いられるかを分析し,「かわいい」が有する概念構造を明らかにすることを試みたものである.具体的には,Twitter上から「かわいい」を含む投稿を収集し,共起関係に基づく特徴語の特定及び,特徴語を用いた共起ネットワークの作成を行った.その結果,「かわいい」は,様々なトピックで用いられることがわかり,それぞれのトピック中に出現する語を評価することで,「かわいい」の概念構造の一端を捉えることが可能であることが分かった.

  • 有山 俊一郎, 延原 肇
    p. 73-74
    発行日: 2016年
    公開日: 2022/11/07
    会議録・要旨集 フリー

    スポット情報推薦サービスにおいて,スポットに紐づくテキスト情報が不足することによって推薦候補として選択されない問題を解決するために,単語間類似度を考慮した画像-テキスト間写像構成手法を提案する.単語間類似度を考慮した画像-テキスト間写像では,まずテキスト情報はないが投稿画像が存在するスポットに対して,当該投稿画像の類似画像を有するスポットのテキスト情報を利用して単語を抽出する.この単語に関して単語同士の類似度を計算し,類似度の高い単語を優先して付与することで,無意味な単語を除外でき,当該スポットに対して適切な単語を付与することができる.提案手法の有効性を示すため,実アプリケーションサービスに投稿されている画像およびスポットデータを用いて,画像-テキスト間写像を構成し,テキストのないスポットに適切な単語が付与できることを示す.

セッション8:可視化・情報システム
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