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クエリ検索: "第二言語"
3,287件中 1-20の結果を表示しています
  • 佐治 伸郎, 梶田 祐次, 今井 むつみ
    Second Language
    2010年 9 巻 83-100
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    本研究はL2学習者がL2における複数の動詞の意味関係をどの様に習得するのか,またその習得の際に学習者の持つ母語の語彙知識がどの様に影響を与えるのかを実験的手法を用い,定量的に明らかにすることを目的とする.実験では,中国語母語話者,日本語及び韓国語を母語とする中国語学習者に,様々な様態でモノを持つ動作のビデオを提示し,中国語の「持つ」系動詞を産出してもらった.同時に,学習者の母語による名づけパターンを見るため、中国語学習者ではない別の日本語及び韓国語の母語話者にも,同じビデオに対してそれぞれの母語の動詞を産出してもらった.分析では,中国語母語話者及び学習者がこれらのビデオをどの様な中国語動詞を用いて名づけしたのか多変量解析的手法を用いて比較した.更に学習者に関しては,学習者の中国語の使い分けのパターンと,学習者の母語である日本語/韓国語動詞による名づけのパターンがどの様に関連しているか,比較分析を行った.その結果,学習者にとってL2における語の意味関係の理解は母語話者の理解と大きく異なること,更に学習者の語の使い分けには学習者の母語の影響が認められ,特に学習者は語を使い分けるに際し自らの母語における汎用的な語(日本語の「持つ」や韓国語の“teulda”の様な語)の意味をL2の汎用的な語(中国語の“na”の様な語)に転用し,より広い範囲のビデオに用いる傾向があることを明らかにした.

  • -中学生を対象とした調査から-
    縄田 裕幸, 壷倉 恵子
    Second Language
    2010年 9 巻 63-82
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    本論の目的は,日本人英語学習者(JLE)による主語パラメター再設定の過程を極小主義,とりわけChomsky(2007, 2008)およびMiyagawa (2005)で提唱された素性継承理論の枠組に基づいて考察することである.主たる主張は,当該パラメターの再設定が,一致素性のCからTへの浸透の習得と焦点素性のTからの除去という2段階からなるというものである.399名の中学生を対象とした調査の結果,JLEにとって一致素性のTへの浸透を習得するのは比較的容易であるが,焦点素性をTから取り除くのが困難な場合があることが明らかになった.そのようなJLEは英語と日本語の混交的なパラメター値を持つこととなり,英語の虚辞主語構文を正しく容認すると同時に,非適格な空主語構文を,文頭要素を日本語的な話題主語であると解釈することで,誤って容認してしまう.

  • -英語母語話者と日本人英語学習者を比較して-
    片山 圭巳
    Second Language
    2010年 9 巻 49-62
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,英語母語話者と英語圏在住経験の異なった日本人英語話者が,どのように音節の長さとポーズを使って,複合語と句を弁別するかを調査した。英語母語話者12名と英語圏在住経験の異なった日本人英語話者のグループ各12名(平均在住期間3年7ヶ月と平均在住期間7週間)が強制2択課題を行った。まず,複合語(例:blackboard)と同じ音韻をつかった句(例:black board)を目標単語とし,20組抽出した。長さ以外の要素を同等にするため,プロミネンスを第一音節に置く埋め込み文を作成し,英語母語話者が読み上げた文章を録音した。そして,目標単語の第一音節と第二音節の間に100msのポーズを挿入したものを併せて,4種類の刺激音を合計80作成した(複合語,ポーズの入った複合語,句,ポーズの入った句,各20×4=80)。調査は一人ずつ静かな部屋でコンピューターを使って行われた。最初にヘッドフォンから目標単語が聴覚的に提示され,次に,複合語と句の両方が視覚的に画面に提示され,被験者はどちらかを選択してボタンを押すように指示された。これを80セッション行った結果,全てのグループが音節の長さよりもポーズで複合語と句を弁別しているということがわかった。

  • ジョン N. ウィリアムズ
    Second Language
    2010年 9 巻 3-15
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー
  • -有標性と転移の問題に関する考察-
    安部 義治
    Second Language
    2010年 9 巻 19-48
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    本稿は英語の所格動詞の習得に関して第一・

    第二言語
    習得研究の双方から得られた考察を再検討することを目的としている。実験1における嗜好タスクと実験2における文法性判断テストを利用することで,本稿は次の2つの研究課題に取り組んでいる:1) 第一言語習得研究によって示されているように,内容動詞は容器動詞よりも規範的(あるいは無標)なのだろうか。2) 統語部門と意味部門の対応関係がL1とL2で異なる場合,転移の影響はあるのだろうか。実験1の結果は日本人学習者にとって交替不可の内容動詞が最も習得しやすい英語の所格動詞であることを示すものだった。対照的に,交替可能な容器動詞は最も習得しにくい所格動詞であることが判ったのだが,これは転移のような学習者要因のみに基づく説明とは矛盾するものであった。一方,実験2の結果はBullock (2004)の予測を支持するもので,L1とL2のパラメター値の違いが転移を引き起こすことを示唆している。この矛盾を解決する試みとして,言語普遍性に関連する要因(つまり,容器動詞の有標的性質,Talmy (1972)参照)が英語所格動詞の習得過程にある過程の役割を果たしている,という提案が出された。データもこの説明と一致しているように思われることから,本稿は完全転移/完全利用可能仮説 (Schwartz and Sprouse, 1996)を支持するものとして考えられる。

  • 佐藤 美香子, クラウディア フェルサー
    Second Language
    2010年 9 巻 101-118
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,異なる母語を持ち,

    第二言語
    としての英語 (ESL)を学ぶ学習者が,
    第二言語
    処理において主語・動詞間の一致違反や格違反にどの程度敏感かを調査する.ドイツ語,日本語,中国語をそれぞれ母語とする熟達したESL学習者グループと英語母語話者グループは,speeded grammaticality judgement課題と時間制限のない文完成課題に参加した.学習者グループは,時間制限のない課題において当該文法現象の両方に関して優れた知識を持っていることを示したにもかかわらず,speeded grammaticality judgement課題においては英語母語話者グループと異なり,格違反に比べて一致違反に対してより低い敏感性を示した.この違いは,学習者の母語に関わりなく観察された.本研究による発見は,学習者が経験する困難性としてしばしば報告される動詞の屈折形態に関する問題は,既存の仮説に表されるような,言語産出に特有のマッピング障害を反映しているのではなく,言語理解にも見られる困難性であることを示している.また,
    第二言語
    の形態統語的処理における母語の影響の役割は,これまで論じられてきたよりもさらに限られたものであることが示唆される.

  • リディア ホワイト
    Second Language
    2009年 8 巻 3-22
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/11/28
    ジャーナル フリー
  • 濱田 陽
    Second Language
    2009年 8 巻 27-49
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/11/28
    ジャーナル フリー

    広範囲に渡る

    第二言語
    習得研究の中で,リスニングにおける研究は最も少ない.研究によるとシャドーイングはリスニング能力と相関があることが示され,また,metacognitive strategyがリスニングにおいて,有効なものとして実践されていると報告されている.シャドーイングはlistening strategy育成に有効であると考えられているが,どの点においてシャドーイングが影響を与えるのかについては未だ研究されていない.本研究の目的は,シャドーイング訓練用テキストの難易度が効果に影響するか,シャドーイングがリスニングにおけるmetacognitive strategiesにどのように影響を与えるか,の二点である.難易度の異なる二種類の計26 authentic materialと15項質問紙が使用された.13回の訓練後,易しい教材を使った集団で有意伸長が確認された.また,listening strategiesにおいても訓練後,変化が見られた.

  • Second Language
    2009年 8 巻 23
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/11/28
    ジャーナル フリー
  • ポール・N ネルズ, 荒巻 倖大, 藤井 友比呂
    Second Language
    2024年 23 巻 79-100
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    尺度含意 (Scalar implicature, 以降SI) 生成の説明として2つの異なるアプローチがある. SIはデフォルト推論であるとする考え方と文脈に基づいて行われる語用論的な計算の結果であるとする考え方である. これらのアプローチが正しいかどうかを調べるために3つの実験を実施した.真偽判断タスクを用いて, 日本人英語学習者を英語母語話者および日本語母語話者と比較した.先行研究では第2言語 (L2) 学習者は困難なくSIを生成したことが報告されているが, 本研究ではL2学習者が量化詞someに対してよりも, mostに対してSI生成に苦労することが分かった.この量化詞の扱いにおける非対称性は, 英語および日本語L1参加者では観察されなかった. この非対称性は, 理論的文献でしばしば示唆されているように, mostがsomeよりも意味的にも形態統語的にも複雑であることを考えると, 驚くにはあたらないかもしれない. しかし, それでもなおデフォルト語彙アプローチでは, L2学習者は本実験結果よりもうまくデフォルトであるSIが生成できるはずだと予測される. また, 語用論的アプローチでは, mostとsomeの間でパフォーマンスが異なると考える根拠がないため, 実験結果は語用論的アプローチも支持しない.これらの結果から, 本研究は尺度含意生成に対する第3のアプローチ, すなわちSIがそれぞれの量化詞の意味内容の一部であるが, デフォルトではないというアプローチを提案する.

  • 稲田 俊明
    Second Language
    2024年 23 巻 55-76
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    動的文法理論は, 言語発達の移行過程と習得結果は途中段階の文法の影響を受けるので, Chomsky (1968, 1986) などの「瞬時獲得モデル」はその特性を正しく説明できないと主張する.まず, 動的理論による習得モデルを概説し, 初期段階にはない規則や構文と文法拡張の具体例について解説する.次に,

    第二言語
    習得においてもこの理論が有効であることを示すために, L2話者の日本語の文末表現の誤用の問題を検討する.L2話者の誤用が, 母語のL1文法に関わらず, 初期段階に観察されること, その後の発達過程で, 中級レベルではL1文法の特性によって習得結果が異なることを示し, 言語獲得の移行過程を理論に組み込んだ動的習得モデルが有望であることを示唆する2

  • ヘザー ゴード
    Second Language
    2024年 23 巻 5-27
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    本稿では、

    第二言語
    学習者が方略的であることを示す。
    第二言語
    学習者はネイティブスピーカーに気づかれない場合、音節末子音や子音からなる屈折形態素の産出を、母語文法を利用して最適化していると指摘する。まず研究1では、中国語を母語とする英語学習者の2グループによる、屈折形態素の「s」と音節末の「s」の産出を調査した。「可変的削除」グループは方略的であり、可能な限り母語の表象を用いて、屈折形態素の—sを約半数のケースで発音する。どちらのグループも単一形態素からなる語の末尾の「s」は一貫して発音するが、方略性の低い「全削除」グループでは、彼らの構築した英語文法に屈折形態素を表象し、産出する手段を持たないため、屈折形態素のsが産出されない。研究2および3では、英語母語話者に近い能力を持つ中国語話者と中上級の英語能力を持つビルマ語話者を対象に、音節末の「s」と「1」の産出を比較した。どちらの研究においても、
    第二言語
    学習者は習熟度に関係なく方略的であることが示された。置換や削除による修正が英語話者に気づかれやすい音節末の「s」の場合には、彼らは母語の文法を活用するが、誤りがそれほど問題とならない音節末の「1」の場合は、最適化にあまり注意を向けずに置換や削除を行う。研究4では、英語母語話者に近い能力を持つ日本語話者を対象に、語末の子音の産出を調査した。日本語では語末に調音点素性のない鼻音しか許されないが、英語ではさまざまな子音が許される。その結果、学習者は彼らの母語にある語中の長子音の表象を語末の子音に転用することで、英語に適した形に見えるが、実際には母語の文法に基づいた方略を用いていることが示された。

  • 遊佐 典昭
    Second Language
    2024年 23 巻 37-53
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    生成文法に基づいた

    第二言語
    獲得研究 (GenSLA) は, 普遍文法 (UG) の研究に大きく依存している.言語固有の属性を最小限にする試みである極小主義 は, GenSLAに対して大きな影響を与えると思われる.本稿は, 極小主義とGenSLA, パラメータの問題, 刺激の貧困の問題を考察しながら, SLAにおける論理的問題と発達問題を考える.特に, パラメータに関して, wh句の
    第二言語
    獲得を素性の観点から扱ったMiyamoto et al.(2024) を紹介する.さらに, 入力とインテイクに関する最近の研究動向を紹介し, 構造依存性に違反した規則は
    第二言語
    獲得において利用されないことを示す.

  • 小町 将之
    Second Language
    2024年 23 巻 31-36
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    生成文法の極小主義的な探究では, 個別文法に対する記述的妥当性, 普遍文法 (Universal Grammar: UG) に対する説明的妥当性, そして系統発生 (言語進化) の妥当性を同時に満たすことが求められている.これらを同時に満たす「真に説明的な」理論の追求の中で提唱された極小主義の強いテーゼ (The strong minimalist thesis: SMT) には, 規律的機能 (the disciplinary function) と促進的機能 (enabling function) と呼ばれる二つの役割がある (Chomsky, 2024).この論文では、SMTが成立する論理を概観しながら, 近年強調されるSMTの促進的機能が, どのようにして新たな見方を提供してくれるのかを考察する.

  • ―タイ語母語話者を対象とした行為授受文と形容詞比較構文調査を通して―
    宮沢 知恵
    Second Language
    2024年 23 巻 177-192
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    VanPattenは, インプット処理ストラテジーが文解析能力が発達途上にある学習者に使用された場合, 誤った意味理解につながる可能性を指摘している (VanPatten, 2007).本研究では, 日本語学習者が実際にこのインプット処理ストラテジーを使用しているかについて調査した.日本語教育において, 最も言及の多いインプット処理ストラテジーは「最初の名詞原理」である.そこで, 「最初の名詞原理」の使用が想定される行為授受文と形容詞比較構文を対象に, 日本語学習者の「最初の名詞原理」の使用状況について調査した.調査では, タイ語を母語とする日本語学習者に実施した日本語文の意味理解テストの結果を分析し, その結果, 「最初の名詞原理」は使用されないことがわかった.そこで, 学習者が使用する日本語教科書が提示する文型を分析したところ, 学習者が日本語教科書によるインプットから意味理解ストラテジーを生成, 強化する可能性が示唆された.また, 意味理解に母語の文法構造が影響することが推察されたが, 意味理解において, 母語の影響による誤りより, インプットから生成されたストラテジーによる誤りが日本語能力が向上しても改善されにくいことが明らかになった.

  • 岡田 千佳
    Second Language
    2024年 23 巻 151-175
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    本研究では, 東アジア言語母語 (L1) 話者がヨーロッパ言語を

    第二言語
    (L2) または第三言語 (L3) として習得する場合に, 類型的近接性が及ぼす影響を検討する.具体的には, 英語をL2, スペイン語をL3とする日本語L1話者によるスペイン語の空目的語と, それに伴う素性の習得に着目した.スペイン語と日本語は共に空目的語を許容するが, その類型的近接性はスペイン語と英語の関係に比べてより遠い.スペイン語の接語は, 性別, 数, 人称が付与されているため, 英語には存在するが日本語には存在しないファイ素性であると仮定される.本研究における仮説は, (1) スペイン語の接語がgrammatical gender agreementの獲得に肯定的な証拠を提供し, (2) 空目的語の習得は接語の習得の前提条件となる, である.実験参加者はまず空目的語に焦点を当てた英語文法性判断課題と別途実施した英語試験の結果をもとにグループに分類され, その後, 主実験であるスペイン語の文法性判断課題に参加した.その結果, 目的語に関連する知識に関してL1とL2からL3へ与える影響は複雑であり, 学習者のL3の知識にL1の影響は確かに確認された.また, 参加者はL3スペイン語の接語の習得に困難さを示し, これは参加者のL2英語にはないGender featureがL3スペイン語の接語にあることに起因すると考えられた.本研究結果は, 先行研究で示唆されている習得順序, 類型上・統語上の近接性を支持するものではなく, 参加者のL1/L2にはないL3のファイ素性の過剰生成, 及びスペイン語の接語そのものに関してさらなる研究の必要性を強調するものであった.

  • 田崎 佑
    Second Language
    2024年 23 巻 129-147
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    1970年代以来,

    第二言語
    習得研究では, 英語の過剰受動化 (Overpassivization) が多くの研究者の関心を集めてきた.この現象に対する近年の研究では, 主語の有生性が非対格動詞の受動文の過剰生成において重要な役割を果たすと考えられている.具体的には, 過剰受動化は主語の有生性に依存し, 非対格動詞が有生主語を取る場合よりも, 無生主語を取る場合の方が過剰受動化が多く観察されることが知られている.この分析は多くの研究者に支持されているが, その予測可能性に関する詳細な検証は十分には行われていない.本論文では, これまで提示されてきたデータと
    第二言語
    としての英語学習者コーパスから得られたデータを用いて, 主語の有生性に基づく分析の予測可能性について論じる.今回使用したデータの詳細な分析をとおして, 主語の有生性は一見過剰受動化に影響を与えているようにみえるものの, 主語の有生性だけでは過剰受動化を適切に説明することはできないことを示す。本論文では, 非対格動詞の過剰受動化の要因について, 従来提案されている主語の有生性ではなく、主語の動作主性が重要な役割を果たしていると主張する.

  • 屈 佳伸
    Second Language
    2024年 23 巻 101-128
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    本研究は、日本語母語話者(動詞フレーム言語)と中国語母語話者(衛星フレーム寄り言語)が、

    第二言語
    である英語(衛星フレーム言語)において、どのように移動事象のナラティブを習得するかを調査した。日本語と中国語母語話者が作成した英語の移動事象ナラティブを、様態の顕著性、原因の顕著性、経路の区切り、経路の融合、場所の顕著性及び場面設定に着目し、英語母語話者との比較を行った。その結果、
    第二言語
    の移動事象ナラティブを習得する際に、第一言語の移動事象スキーマが移転されるとともに再構築されることが示された。さらに、様態の顕著性、原因の顕著性、経路の融合が他の意味構成要素よりも
    第二言語
    学習者にとって習得の難易度が高いことがわかった。これは、移動事象のスキーマにおける構成要素の位置づけの違いや、起点言語に存在しない目標言語の表現の習得難易度に起因していると考えられる。

  • 大熊 富季子
    Second Language
    2023年 22 巻 71-74
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/02/21
    ジャーナル フリー
  • 劉 椰林
    Second Language
    2023年 22 巻 53-67
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/02/21
    ジャーナル フリー

    本研究は, 未知語の意味処理と形式処理という2タイプの処理が,

    第二言語
    (L2)日本語読解を用いた付随的語彙学習に及ぼす影響を検討した.外国語環境における中級レベルの日本語専攻生78名を, 「第一言語(L1)意味記述」群, 「平仮名表記記述」群, 「読解のみ」の統制群に分け, 内容理解を目的に読解を行った.読解直後, L1-L2対訳テストと語形認識テストを行い, 目標語8語の学習効果を測定した.その結果, L1-L2対訳テストでは「L1意味記述」と「平仮名表記記述」の両方とも学習を同程度に促進させた.また語形認識テストでは「L1意味記述」よりも, 「平仮名表記記述」の方が学習を促進させた.

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