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宮本 幸治, 木村 昭夫, 奥田 太一, 宮原 寛和, 黒田 健太, 生天目 博文, 谷口 雅樹, Eremeev Sergey, Mens ...
セッションID: 20Aa01
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
フリー
Bi
2Te
2SeおよびBi
2Se
2Teはトポロジカル絶縁体の中でもバルク絶縁性が高く表面電気伝導の寄与が大きい事で注目されている。しかし、それらのスピン電子構造の情報は皆無であった。そこで、我々が独自開発した新高効率スピン分解光電子分光装置を用いてこれらのスピン電子構造を直接観測し、それらの表面状態がフェルミ準位からディラック点を跨いでさらに高結合側まで高スピン偏極度を保持している事を明らにした。
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岡本 和晃, 黒田 健太, 宮原 寛和, 宮本 幸治, 奥田 太一, Z.S. Aliev, M.B Babanly, I.R. Amir ...
セッションID: 20Aa02S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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トポロジカル絶縁体GeBi
2Te
4は大きな熱電効果を示す物質として知られ、最近新たにトポロジカル絶縁体であることが理論的に予言された。本研究ではスピン角度分解光電子分光を用いてトポロジカル表面状態のスピン偏極度の観測を試みた。その結果、表面状態は180meVのバルクバンドギャップ中に存在し、ディラック点の近傍で高スピン偏極度(最大75%)を持つ事が明白となった。
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山岸 祐平, 芝原 文利, 山田 豊和
セッションID: 20Aa03S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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π電子系単一有機分子と3d磁性金属膜との電子スピン結合の解明は、新たな分子スピントロニクスデバイス創成のために必要不可欠である。走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて、強磁性fcc-Co(001), 強磁性bcc-Fe(001)、層間反強磁性bct-Mn(001)上に吸着した単一フタロシアニン分子および2次元分子膜の電子スピン状態を測定し、低温から室温においてフェルミ準位近傍に強い表面状態の発現と高い伝導を確認した。ナノ分子はスピン素子材料として有効である。
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白井 開渡, 黒田 健太, 岡本 和晃, 叶 茂, 宮原 寛和, 宮本 幸治, 奥田 太一, 上田 茂典, 小林 啓介, 有田 将司, 島田 ...
セッションID: 20Aa04S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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トポロジカル絶縁体TlBiSe
2は理想的な表面状態を持つが、バルク伝導帯がフェルミ準位を横切るためバルクが金属的になる問題がある。純粋な表面スピン流を得るにはバルクに絶縁性を持たせる必要がある。本研究では元素置換によるキャリア制御を行いバルクに絶縁性を持たせることに初めて成功した。さらに、高効率スピン角度分解光電子分光実験により、上下の表面ディラックコーンのスピンヘリカル構造も明確に観測した。
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佐藤 宇史
セッションID: 20Aa05I
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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トポロジカル絶縁体は、バルクが絶縁体であるにも拘らず表面(エッジ)ではスピン偏極した金属的なディラック電子状態が出現する物質で、エネルギー散逸の極めて少ない電子技術が実現されるとして現在盛んに研究が行われている。本講演では、超高分解能スピン分解角度分解光電子分光により、種々のトポロジカル絶縁体におけるフェルミ面、バンド分散、スピン偏極などの基盤電子構造を解明した結果について報告する。
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枝元 一之, 今西 沙織, 増田 成悟, 掛札 洋平, 小澤 健一
セッションID: 20Aa06
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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Ni
2P(10-10)の電子状態に関し、放射光を用いた角度光電子分光による研究を行った。表面には(1×1)領域とc(2×4)領域が混在し、前者にはΓ点近傍に局在した表面準位(0.4 eV)、後者にはc(2×4)の表面ブリルアンゾーン境界に局在した表面準位(0.6 eV)が存在することが分かった。共鳴光電子分光の測定により、後者の表面準位は表面のP原子列に局在することが示唆される結果を得た。
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荒船 竜一, 中澤 武夫, 森田 和孝, 高木 紀明, 川合 眞紀
セッションID: 20Aa07
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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励起源としてピコ秒パルスレーザーを用いることによって、高いエネルギー分解能を有する2光子光電子分光を実証した。今回実現したエネルギー分解能は10 meV以下であり、これはフェムト秒レーザーでは原理的に到達できない数字である。エネルギー分解能が高いためより細かく電子構造を捉える事ができ、従来よりも高い精度でdephasing rateを測定することができた。
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矢治 光一郎, 望月 出雲, 金 聖憲, 武市 泰男, 原沢 あゆみ, 大坪 嘉之, Le Fevre Patrick, Bertran F ...
セッションID: 20Aa08
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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Ge(001)表面上にPt原子をサブモノレーヤー蒸着すると,Pt原子によって誘起された表面一次元鎖が形成される。本研究では,Ge(001)微斜面上に,シングルドメインのPt誘起一次元鎖を作成し,その電子状態を角度分解光電子分光により調べた。その結果,この表面は一次元金属的なFermi面を持つことが明らかにされた。したがって,この系は一次元金属の特異な電子状態を研究するための有力な候補となりうる。
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小澤 健一, 江森 万里, 坂間 弘, 今西 沙織, 枝元 一之, 間瀬 一彦
セッションID: 20Aa09
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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Cu結晶の格子点にZn原子が置換した真鍮の(111)表面には,Cu(111)表面と同様のショックレー準位が形成される。このショックレー準位は表面への酸素吸着により消失するが,その過程が表面温度により異なることが明らかになった。室温ではShockley準位がフェルミ準位側にシフトしつつ消失するが,150 Kでの低温ではエネルギー位置を変えない。温度に依存したショックレー準位の応答の違いを議論する。
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笠原 えりか, 新藤 斎, 二木 かおり
セッションID: 20Aa10
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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NaCl, MgO, PbS結晶の(001)表面での摩擦について塑性変形と摩擦力の関連を調べた。引掻針を[100], [110]の2方向に垂直荷重を変えて掻引し、摩擦力の測定と摩耗痕の観察を行った。摩擦の増大が起きるとき、硬いMgOでは軸に対し45°方向で針跡の外に達する滑り痕が生じたが、軟らかいNaClでは傷は針跡の内部に留まり、PbSでは割れが生じた。摩擦の異方性は硬くて摩擦係数の小さいMgOでのみ明瞭に観察された。
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波多野 恭弘
セッションID: 20Ap01R
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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摩擦係数を定量的に記述する法則としていわゆる「速度・状態依存摩擦法則」が知られている。この法則はクーロン・アモントンの法則の改良版と見なすことができ、動摩擦係数を滑り速度と「状態変数」の関数として記述する。ただし法則に含まれる複数のパラメターは経験的なものであり微視的基礎が不明確であった。本研究ではこの法則を微視的に導出することにより、法則に含まれる経験的パラメターの微視的表現を得ることができた。
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新田 高洋
セッションID: 20Ap02R
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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半球形の突起が規則正しく配列した表面を有するエラストマーがガラスプリズム上を滑る際の摩擦界面をその場観察した.エラストマーの駆動速度を変えた場合の個々の突起の振る舞いの変化と、試料全体としての巨視的な滑り運動の変化との関係について議論する.
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山口 哲生
セッションID: 20Ap03R
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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本発表では,粘着・剥離現象における接触・剥離過程を,その場観察と理論モデル・数値シミュレーションを用いて解析した結果を報告する.いくつかの例を通して,ミクロとマクロの中間に位置するメソスケールの動力学の重要性を強調する予定である.
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鈴木 勝
セッションID: 20Ap04R
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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AFM探針を滑らすときに格子周期のスティック‐スリップ運動をすることから,滑り距離が格子定数程度での摩擦の変化が期待される。私たちは,AFM探針と水晶振動子を組み合わせ,滑り距離を変えて摩擦のエネルギー散逸を測定した。その結果,大きな滑り距離では距離あたりのエネルギー散逸は一定になるのに対し,小さな距離では粘性摩擦であることが明らかになった。
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石田 忠, 佐藤 隆昭, 藤田 博之
セッションID: 20Ap05R
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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ナノスケールの接触や剥離を調べるために、MEMS対向探針を透過電子顕微鏡の試料室内部に挿入し、対向探針の間で接触と剥離に関してその場観察を行った。シリコン対シリコや金対金、金対シリコンなどの材料系において、ナノスケールでの接触により真実接触点が形成され、その真実接触点が剥離するという摩擦のダイナミクスに重要な素過程について議論する。
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佐々木 成朗, 三浦 浩治, 藤田 博之
セッションID: 20Ap06R
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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接着・剥離機構は、微細機械の稼働や力学分光、破壊における亀裂の進展など幅広い現象と関係が深い。我々のグループではグラフェン、カーボンナノチューブ、シリコン探針のようなナノ構造体の力学特性やトライボロジー特性に着目し、試料表面に物理吸着したナノカーボン構造体やシリコン探針の接着・剥離過程を、分子力学シミュレーションと原子間力顕微鏡測定の両面から研究している。本講演では研究の現状を紹介する。
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福居 直哉, 平原 徹, 長谷川 修司
セッションID: 20Ap07
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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平坦で一様な表面の電気伝導測定はこれまで行われてきたが、表面上の人工的な微細構造での測定は行われていない。我々はビスマス超薄膜に超高真空中で集束イオンビーム(FIB)微細加工を施し、その電気伝導特性をその場測定した。ビスマスを細線状に加工し、その抵抗のプローブ間隔依存性と細線幅依存性をとることで、細線のみに電流が流れていることが示された。当日は実験の詳細および表面へのダメージ等も含めた考察を行う。
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松永 光由, 平井 悠司, 藪 浩, 下村 政嗣
セッションID: 20Ap08
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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近年バイオミメティクスという、生物の微細構造やシステムを模倣することで機能性材料を作製することを目的とした分野が注目を集めている。中でも表面にナノサイズの突起が規則的に配列している蛾の眼は超撥水性や無反射特性を有することが知られており、実用化に向けて多くの研究がされている。本研究ではマイクロレンズアレイに微粒子を配列させることでモスアイ構造を作製し、その物性を評価したので報告する。
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井出 隆之, 川合 祐輔, 吹留 博一, 宮下 英俊, 小嗣 真人, 大河内 拓雄, 遠田 義晴, 木下 豊彦, 堀場 弘司, 永村 直佳, ...
セッションID: 20Ap09
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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Si基板上3C-SiC薄膜上のエピグラフェン(EG)は、SiC(100)/Si(100)では金属的、SiC(111)/Si(111)では半導体的な物性を持つことが知られている。そこでSi(100)基板をアルカリエッチングにより微細加工することで異なる面方位を露出させ、その上にEGを形成したところ、同一基板内に金属的及び半導体的な物性を持つ2種類のグラフェンを同時形成可能であることが明らかになった。
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小島 領太, 木村 康男, 庭野 道夫
セッションID: 20Ap10S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/20
会議録・要旨集
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シリコン基板上に堆積した金属チタン膜を陽極酸化することにより酸化チタンナノチューブ膜の形成を行い、電解液中のフッ化アンモニウムおよび水の濃度が酸化チタンナノチューブ膜の形成過程に及ぼす影響を詳細に調べた。その結果、フッ化アンモニウムの水に対する相対濃度が金属チタン膜の陽極酸化過程に大きな影響を与えていることが分かった。
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阿加 賽見, 大友 悠大, 小川 修一, 高桑 雄二
セッションID: 20Ap11
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Si基板にCu及びAuを蒸着した金属薄膜基板に、光電子制御プラズマからのAr
+イオンビームおよび高速Ar原子ビーム照射による表面処理を行った。光電子制御イオンビーム処理後における蒸着膜表面の粗さは減少した一方、高速原子ビーム照射した基板では表面粗さに変化がなかった。講演では光電子制御イオンビーム照射による金属表面平坦化機構についてイオンエネルギーの観点から考察する。
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長谷川 智, ファクルディン シャヘッド, 米田 忠弘
セッションID: 20Ap12S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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本実験は広いテラスを持ち、かつ原子像が確認できるほどの結晶性の良さを持つセリア薄膜の作成を目的とした。セリア薄膜は結晶性改善のための高温加熱処理で破壊されるという研究報告があるため、今回はセリア薄膜が破壊されない上限温度をXPSを用いて探しだし、その上限温度を用いてセリア薄膜を作成したところ、既存より大きなテラスを持ち、かつ原子像も確認できるほどの結晶性の良い薄膜が作成できた。
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服部 梓, 藤原 康司, 田中 秀和
セッションID: 20Ap13
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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ナノエレクトロニクスを切り開く新奇酸化物ナノデバイスの創製に向け、高度に制御されたナノ構造体の形成とそのナノ物性の理解が不可欠となるが、一般的に酸化物は化学的安定性からくる物理硬度により加工が難しく、数十nm以下精度でナノ構造体を作製することは困難であった。我々は、成長位置と形状をナノインプリントで規定したテンプレート側面上に、酸化物を原子層制御でエピタキシャル成長させる「3次元ナノテンプレートPLD法」を構築し、従来のリソグラフィーの限界を超えた10nmからの極小サイズを持ち、精密に空間制御された酸化物ナノヘテロ構造体の形成を可能とした。
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春山 潤, 渡辺 一之
セッションID: 20Ba01J
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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表面での吸着脱離反応や電子励起などの非平衡現象に関する研究は重要である。表面の高速化学反応は多様な表面構造と原子種に依存し、さらには吸着原子の動力学や励起電子状態が複雑に絡み合う現象であるため、その理解には第一原理的アプローチが必要である。本講演では時間依存密度汎関数法と分子動力学法を組み合わせて、グラフェンフレークからの水素脱離の同位体効果について研究を行ったので、その結果について発表する。
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稲見 栄一, 金崎 順一, 谷村 克己
セッションID: 20Ba02
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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グラファイト表面を超短光パルスで励起すると、数ナノメートルにわたり層間でsp
3結合を有するダイヤモンド様構造が電子的過程により発生する。今回我々は、この光誘起構造相転移の発生過程を明確にする為、励起光のパルス照射数、及び波長が構造変化に及ぼす効果を、STMを用いて研究した。講演では、各励起条件で測定した誘起構造の形態と発生効率の結果を報告し、グラファイトにおける構造相転移の機構を議論する。
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芦間 英典, 田 旺帝, 山本 光, 朝倉 清高
セッションID: 20Ba03
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Rh(100)表面の酸素吸着構造をLEEDとHREELSにより検討したところ、過去に報告されたRh-Oの振動とは異なる損失ピークを有する新たな酸素吸着Rh(100)表面が見出された。酸素吸着量を調整して詳細を検討した結果、この表面はsubsurfaceに位置する酸素で誘起された周期構造であると結論した。本講演では、HREELS、LEEDおよびDFTの結果から、この新たな表面の構造に関して議論する。
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吉越 章隆, 岡田 隆太, 寺岡 有殿, 山田 洋一, 佐々木 正洋, 神農 宗徹
セッションID: 20Ba04
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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電界効果トランジスタの新チャネル材料として、Siよりもキャリア移動度等で優れたGeが注目され、Ge酸化物とその生成機構の解明が重要となっている。本研究では、代表的な低指数面であるGe(100)-2×1表面の超音速酸素分子線(2.2eV)とバックフィリングによる室温酸化を放射光XPSで比較した。分子線による吸着曲線の変化、吸着酸素量の増加と関連する吸着サイトの違いを明らかにしたので報告する。
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岡田 隆太, 吉越 章隆, 寺岡 有殿, 神農 宗徹, 山田 洋一, 佐々木 正洋
セッションID: 20Ba05S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Ge低指数面の中で電子移動度に優れる(111)は、電界効果トランジスタのチャンネルとして検討され、その酸化機構の解明は重要である。本研究では異なるE
kによる表面酸化物の違いを放射光XPSにより調べた。E
k増加による酸素吸着量増加とそれに対応したGeの酸化成分の変化を発見した。吸着酸素の増加がGe
3+形成に対して1.0 eVにエネルギー閾値を持つ活性化反応に起因することが分かった。
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鈴木 和馬, 吉田 真明, 紋谷 祐爾, 豊島 遼, 間瀬 一彦, 雨宮 健太, 近藤 寛
セッションID: 20Ba06
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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一般に貴金属表面上でのCO酸化NO還元反応は酸素過剰な条件下では進行しにくいが、Ir表面ではそのような条件でも上手く進行する。本研究では触媒の実作動環境に近い条件でのIr(111)表面上でのCO酸化反応の挙動を調べるため準大気圧X線光電子分光法を用い、CO酸化反応中の表面を観測した。その結果、他の貴金属では表面酸化物が生成するような条件においてもIrでは金属表面上で反応が進行することがわかった。
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豊島 遼, 吉田 真明, 紋谷 祐爾, 鈴木 和馬, 間瀬 一彦, 雨宮 健太, 近藤 寛
セッションID: 20Ba07
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Pdは自動車の排ガス浄化触媒として一般に利用されている。しかし実作動環境下における触媒表面の状態・構造についての知見はまだ少なく、反応メカニズムも明らかでない。本研究では準大気圧X線光電子分光を用いて、全圧0.2 Torrの環境下でのPd(100)単結晶表面上におけるCO酸化反応をその場観測した。結果としてCO2の生成が活発になる反応活性時において、表面は表面酸化物で覆われていることが判明した。
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冨岡 亮太, 大澤 雅俊, 本林 健太, 内田 太郎
セッションID: 20Ba08
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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シンコニジンは金属固体触媒の修飾分子として用いられており、不斉水素化反応において高い不斉収率を示す。金属表面におけるシンコニジンの吸着構造については従来から多くの論文で報告されているが、そのほとんどにおいて吸着分子だけでなく、溶液中の分子の情報を含んだ実験結果について議論している可能性がある。本研究では、表面近傍を選択的に測定できる表面増強赤外分光法を用いて、シンコニジンの吸着構造の決定を行った。
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吉田 真明, 蓬田 匠, 峯尾 岳大, 前田 彩綾, 新田 清文, 加藤 和男, 増田 卓也, 仁谷 浩明, 阿部 仁, 高草木 達, 宇留 ...
セッションID: 20Ba09
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
フリー
XAFS法により水分解光電極上の酸化マンガン助触媒の電子状態を測定し、光電極上から助触媒への励起キャリアの移動を観測した。光照射下で酸化マンガンのMn-K端XAFSを測定すると、3価から4価に酸化される様子が観測され、酸化マンガン上に励起ホールが移動することが示された。一方、酸化マンガンの電着量が少ないサンプルでは2価に還元される様子が観測され、一部の酸化マンガン粒子は酸素生成反応に寄与しないことが示唆された。
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中村 功, 藤谷 忠博
セッションID: 20Ba10
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Al
2O
3薄膜上にAuナノ粒子を担持したAu/Al
2O
3モデル触媒上でCO酸化反応を行い、担体効果を検討した。低温におけるCO酸化反応の活性点は、Au/TiO
2触媒と同様に、AuとAl
2O
3担体の接合界面であることが確認された。さらに、低温の反応では水の添加効果が認められたが、担体により添加する水の量が大きく異なることがわかった。
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小嗣 真人
セッションID: 20Bp01I
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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我々は鉄隕石の示す特異な磁気特性(高い磁気異方性、高い保磁力)に着目し、界面の磁区構造を放射光による光電子顕微鏡で解析したところ、人工のFeNiでは期待されない新奇な磁区構造を確認した。磁区形成の起源であるL1
0型FeNi規則合金はレアメタルフリーの高機能磁石として現在世界的に注目が集まりつつある。講演では表面界面磁性に基づいた応用研究の進展についても報告する予定にしている。
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早川 徳洋, 川合 徹, 坂井 浩, 尾山 貴司, 和田 信之, 山中 恵介, 与儀 千尋, 太田 俊明
セッションID: 20Bp02
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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5V級正極活物質のLiNi
0.5Mn
1.5O
4材について、充電、放電状態におけるNiとMnの化学状態について調べるため、大気非暴露下で軟X線領域でのXAFS(XANES)測定を行った。その結果、充放電時のレト゛ックス反応は主にNiの価数変化が担い、Mnは寄与していないことがわかった。また電子収量法と蛍光収量法の検出方法の違いを利用し、表面とバルクでの価数変化が異なっていることもわかった。
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島 政英, 堤 建一, 田中 章泰, 小野寺 浩, 田澤 豊彦
セッションID: 20Bp03
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Liイオン電池はその性能向上のため、精力的に研究されている。XPSはLiを直接検出することができる手法のうちの一つであり、Liイオン電池関連の材料の分析でよく用いられる手法である。しかし、XPSを用いてその定量分析を行うと、試料に偏析や局在により想定される結果や、他の分析手法と整合性がとれない場合もある。今回の講演では実際に測定を行った結果をもとに、正確な定量分析のための検討結果を報告する。
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田中 章泰, 堤 建一, 小野寺 浩, 田澤 豊彦
セッションID: 20Bp04
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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AESは、XPSでは難しい数μm以下の微小な領域に対して、面分析による元素分布や、化学状態分析による価数解析に用いられることが多く、近年ではCIGS太陽電池に対して、AESを用いた断面方向からの分析に用いられる。しかし、面分析では元素分布の情報は得られるものの、その定量値については信用性が低い。そこで、AESとEDSで得られたマップの定量について比較を行い、マップの定量法について検討を行った。
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久保 利隆, 折田 秀夫, 野副 尚一
セッションID: 20Bp05
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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チタニア表面の研究は,これまで再安定の(110)方位面で積極的に行われてきたが,最近,活性の高い(011)方位面が注目を集めている。この表面は,チタニル構造,我々の報告したマイクロファセット構造,最近報告されたジグザグ構造と多くの構造が提案されており,現在盛んに議論が行われている。本研究報告では,おもに最近Torrellesにより報告されたジグザグ構造の妥当性を考察するため,表面で観測される(nx1)の多くの構造を実験(走査プローブ顕微鏡)と計算(密度汎関数法)により評価を行った。
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宮 孝明, 小島 領太, 馬 騰, 戸邊 翼, 木村 康男, 庭野 道夫
セッションID: 20Bp06
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Siプリズム上に堆積したTi薄膜を陽極酸化す ることにより垂直配向したTiO
2ナノチューブ膜を 形成した。TiO
2ナノチューブ膜表面におけるフタル酸ジオクチルの光触媒分解反応過程を、赤外吸収分光法の一種である多重内部反射型赤外吸収分光法を用い て観察を行った。その結果、分解反応中のTiO
2ナノチューブ膜の 表面状態をその場観測することができた。
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尾白 佳大, 犬飼 学, 小川 修一, 佐藤 元伸, 池永 英司, 室 隆桂之, 二瓶 瑞久, 高桑 雄二, 横山 直樹
セッションID: 20Bp07S
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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SiO
2/Si基板上に光電子制御プラズマCVDを用いて成長させた多層グラフェンの初期成長機構を解明するため、膜質の成長時間依存性を調べた。ラマン分光法、硬X線光電子分光法による結晶性評価および偏光依存X線吸収分光法による配向性評価から、初期では水平方向に配列したグラフェンが膜厚1 nmで曲がりはじめ、10 nm程度で完全にランダム配向になることが判明した。この配向性悪化の原因がC-H結合であることが赤外吸収分光より示唆された。
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木口 学
セッションID: 20Bp08J
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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ベンゼン、フラーレンをはじめとするπ共役分子を用いて、単一分子接合を作製し、その電子伝導特性、構造を検討した。Pt電極に架橋したベンゼンは金属の単原子接点と同程度の高い電子伝導性を示すことが明らかとなった。さらに、非弾性トンネル電子分光、ショットノイズ計測を組み合わせることで、単分子接合の構造を曖昧さなく決定することにも成功した。
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鉄本 健太, 小林 中
セッションID: 20Bp09
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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パルス計数計測機能を組み込んだ走査型プローブホール電界イオン顕微鏡(FIM)を用いて、He-Ne混合ガスをイメージングガスとした場合の電界イオン化過程について調べた。単一W原子上から放射される電界イオンの時系列データの解析から、HeとNeの吸着原子としての入れ替わり、吸着時間の変化を実時間で追跡することで、電界吸着構造とその時間的な変化(ダイナミックス)に関するミクロなメカニズムについて報告する。
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蒔苗 大地, Jie Liu, 一色 弘成, 加藤 恵一, Brian K. Breedlove, 山下 正廣, 米田 忠弘
セッションID: 20Bp10
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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近年、情報の量子化という観点から電子のスピン自由度を応用する研究が注目されている。ラジカルは不対電子を持つため、スピントロニクスの発展のための特に有望な材料である。その分子の構造や電気的な特性は、スピンのスイッチングの可不可に大きな影響を与える。そこで今回、1,3,5-triphenyl-6-oxoverdazyl (TOV)と1,3,5-triphenyl-6-tioxoverdazyl (TTV)の二つのラジカルをAu(111)上に蒸着させた後、その吸着構造とスピンについて超高真空・極低温で走査型トンネル顕微鏡をもちいて調べた。
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劉 傑, 一色 弘成, 蒔苗 大地, 加藤 恵一, 山下 正廣, 米田 忠弘
セッションID: 20Bp11
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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We investigated spin states of stable neutral pure-organic radical molecules of 1,3,5-triphenyl-6-oxoverdazyl (TOV) and 1,3,5- triphenyl-6-thioxoverdazly (TTV) adsorbed on an Au(111) surface by observing a Kondo resonance which originates from the spin- electron interaction. In scanning tunneling spectroscopy (STS) spectra, a clear Kondo resonance was detected for the TOV molecule. However for a TOV molecule with a bright spot in the occupied state image and for a TTV molecule, no Kondo resonance was detected.
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津野 勝重, 宮崎 晃太朗, 朝倉 清高, 菅 育正, 佐々木 貢, 武藤 正雄
セッションID: 20Bp12
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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PEEMの焦点面は加速レンズの高電圧上に生ずることが多く、後続のレンズを用いてアース面に投影した後絞りを挿入する構造が一般的である。しかし、ディフラクトグラムが縮小されるため、表面構造との関係を調べるのに不向きであった。対物レンズの焦点距離の長いレンズを設計し、焦点面をアース電位に持ってくることで、絞りの移動によって、像に大きな変化を観察出来た。製作したPEEMの構造と実験データーを報告する。
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堀尾 吉已, 高桑 雄二, 小川 修一
セッションID: 20Bp13
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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Si(001)表面近傍に形成されるRHEED入射電子波動場を動力学的に計算し、RHEED実験中に放出されるオージェ電子強度との相関関係について報告する。室温のSi(001)表面の構造解析には非対称ダイマーのフリップフロップ運動といった困難があるが、RHEEDの低視斜角入射では、入射方位に沿った投影ポテンシャルが支配的となり、構造解析が容易となる。視斜角変化に対する波動場の特徴も含め考察する。
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梶原 靖子, 青柳 里果
セッションID: 20Bp14
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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TOF-SIMSにより得られた分子量の異なるPEG混合試料のRAWデータに対し、分子量の違いを区別することを目的として多変量解析を適用した。その結果、多変量スペクトル分解法を用いることで、2つの異なる分子量をもつPEG混合試料から各分子量に由来するスペクトルおよびイメージングデータが抽出された。
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大西 桂子, 岩崎 多摩樹, 藤田 大介
セッションID: 20Bp15
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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2011年に、日本から提案されたSPM標準フォーマット(Data transfer format for scanning-probe microscopy) が国際標準として発行されている。今回は、このフォーマットに基づくソフトウェアを開発したので紹介する。このプログラムは、SPM装置メーカー毎に異なる多様なデータ形式をこのISOに準拠した統一したフォーマットに変換できるだけでなく、探針先端形状効果補正などのデータ処理を行うことができる。
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平野 愛弓
セッションID: 20Ca01I
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
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イオンチャネルタンパク質は創薬における主ターゲットであり、イオンチャネルを人工脂質二分子膜に包埋した膜系は、新規な薬物スクリーニング系としての期待も高い。本講演では、半導体微細加工と脂質二分子膜形成との融合により人工脂質二分子膜の安定化を行い、さらにこの二分子膜に基づくイオンチャネルチップの開発を目指す演者らのアプローチについて、最近の例を中心に紹介したい。
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西野 智昭, ブイ タン フク, 西川 拓志
セッションID: 20Ca02
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/28
会議録・要旨集
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STMの探針にプローブDNAを固定したDNA分子探針を作製し、簡便かつ迅速に単一DNAを電気的に検出できる手法を開発した。DNA探針を検体DNAが吸着したAu表面に近接させた後に、バイアスを印加し探針を引き上げながら電流を測定した。プローブDNAと検体DNAとの二本鎖形成に伴い電子移動が生じ、これによってDNA単一分子検出が可能であることが分かった。さらに本手法により一塩基多型の検出に成功した。
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