奈良県北葛城郡新庄町のキク圃場で,ナミハダニ黄緑型の寄主植物およびキク圃場での発生消長,キクへの寄生部位を調査した。
1. キク圃場周辺の数種の雑草でナミハダニの寄生を確認した。
2. 慣行の薬剤散布条件で栽培された2品種“紅葉”,“リンカーン”上でのハダニの発生消長はピークの期間などに違いはあったが,おおむね一山型であった。
3. 両品種とも収穫後の株や翌春伸長したシュートにもハダニが寄生しており,挿し芽を経て,苗に寄生したまま新しい圃場へと移動し,繁殖した。
4. キク上のナミハダニは定植後1ケ月以上経過した後の7月以降に急激に密度を増し,9月ころにピークを迎えた。その後,個体数は減少するものの,2月でも寄生が認められ,周年でキク上にハダニの寄生が認められた。
5. キクヘのナミハダニの寄生部位は,植物の生育状況に左右されて変動した。
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