日本原子力学会 年会・大会予稿集
2004年春の年会
選択された号の論文の775件中51~100を表示しています
中高エネルギー2次中性子スペクトルの測定
放射線挙動,遮蔽工学
線源項の評価
  • 引地 拓夫, 鈴置 善郎
    セッションID: J01
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    「もんじゅ」の配管しゃへい室(原子炉容器室と1次主冷却系機器室の間にある部屋)内の中性子は以下が考えられる。(1)炉心からの中性子,(2)光中性子(1次系の24Naの崩壊γ線によるコンクリート中の重水素の光核反応により生成)
    既報では,(1)の炉心からの中性子のみを対象としたCo箔放射化量計算値を求めたが,今回は(2)の光中性子も考慮してCo箔の放射化量の評価を行った。計算・評価方法は,以下の手順である。
    (a)3次元輸送計算コードTORTを用いて配管中の24Naを線源としたγ線束分布計算を行う。(b)配管室壁中の光中性子線源分布を求める。(c)3次元輸送計算コードTORTを用いて壁中の光中性子線源を線源とした光中性子束分布を行う。(d)運転履歴に従った24Na放射化量履歴を求め,前の計算値を用いて光中性子束の履歴を求める。(e)光中性子束の履歴を用いてCo箔放射化量を算出する。(f)測定値との比較を行う。
    その結果,C/E値は0.63から4.0(概ね1.9近傍)を得た。
  • 浅野 芳裕, 杉田 武志, 広瀬 秀幸, 須崎 武則
    セッションID: J02
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    遮蔽設計および放射化物の強度分布等を正確に評価することを目的として、前大会において普通コンクリート内での熱中性子及び捕獲ガンマ線線量分布の測定値とSN法による比較計算結果を報告した(1)。その結果を踏まえて今回、前回と同様に最近公開された核データと、従来より使用されている核データライブラリーを用いてモンテカルロ計算を実施することにより、SN法計算結果と比較した。また、普通コンクリート含有水分が結果に大きく影響を及ぼすことから、成分に不確かさの無い純水内での中性子束分布を計算するとともに熱中性子について測定結果と比較した。グラファイト内についても同様に比較を行った。
  • 大石 晃嗣, 山川 裕司, 中村 尚司, 小林 有希, 小迫 和明
    セッションID: J03
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    18MeV医療用リニアックの利用線錐方向の線量率測定を行い解析と比較したところ、線源として18MeV電子とターゲットとの相互作用により発生する2次γ線(X線)及び2次中性子に加え、この種の施設の遮蔽設計では、遮蔽壁内部において(γ,n)反応で生成する2次中性子及びそれに伴う3次γ線を考慮する必要性があることが明らかになった。
陽子加速器・放射光施設の遮蔽設計
  • 田村 昌也, 前川 藤夫, 羽賀 勝洋, 今野 力
    セッションID: J04
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    以前の検討以来、J-PARC核破砕中性子源施設における水銀ターゲット台車設計の詳細化及び建屋設計の変更が行われ、また以前はターゲット台車と台車周りのライナーとのギャップによるストリーミングを考慮していなかった。そこで今回、モデルを最新設計に合わせて更新し、さらにストリーミングを考慮して再評価を行った。計算を2つの段階に分けた。第一段階として、ターゲット台車を水銀配管を含めて3次元モデル化し、台車周辺の線量分布をNMTC/JAMを用いて求めた。第二段階として、先の計算で求めた台車後端部の中性子束を線源として、一次元球体系モデルを用い、1.5mのコンクリート壁の背後にあるマニピュレータ室(目標線量25μSv/h以下)、さらに1.5mのコンクリート壁の背後にある一般区域(同0.5μSv/h以下)における線量をMCNPXにより求めた。鉄遮蔽の増加、さらにギャップによるストリーミングを抑制することで、台車後端部において目標線量を下回る遮蔽構造を考案した。一次元球体系モデルによる計算から、マニピュレータ室及び一般区域で線量限度以下にできることを確認し、ターゲット台車の遮蔽構造を決定した。
  • 松田 規宏, 中島 宏, 三浦 太一, 沼尻 正晴, 中尾 徳晶, 中村 一, 渡部 伸一
    セッションID: J05
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    大強度陽子加速器施設(J-PARC)など加速器施設の遮へい設計において、迷路等からの漏えい放射線を評価することは重要である。そこで、放射線ストリーミングに関するモンテカルロ計算により得られた評価結果の妥当性を検証するため、高エネルギー加速器研究機構 ニュートリノビームラインに付随する迷路において、GeVエネルギー領域における放射線ストリーミング実験を行った。
    本実験を行った迷路は、高さ6m(入口からの長さが2m以降は2.5m)、幅2m、迷路入口からの長さが6mの第1脚、高さ2.5m、幅2m、長さが9.15mの第2脚、高さ2.5m、幅2.5m、長さが4mの第3脚からなる2回屈曲構造をしている。線源は、ニュートリノビームライン上の第1脚を直視する位置に0.5mm厚の銅板を設置し、12-GeV陽子を入射し(約1%ビームロス相当)、エネルギー範囲が熱から数十MeVまでの中性子反応率分布について、放射化法により測定を行った。
    実験の解析は、J-PARCの遮へい設計に使用されている計算手法のうち詳細計算であるモンテカルロコードMCNPXを用いて行い、中性子反応率分布についての計算値は実験値と良く一致し、設計法の妥当性が示された。
  • 高橋 一智, 三浦 太一, 神田 征夫, 野海 博之, 里 嘉典, 高橋 仁, 石浜 茂夫
    セッションID: J06
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    KEK12GeV陽子加速器室内に空気、水、Heガス等のサンプルを設置し、12GeV陽子ビームや2次中性子線によってこれらの試料中に生成するトリチウム量を測定した
    これらのデータを基に、モンテカルロ計算コードによる高エネルギー陽子加速器施設におけるトリチウム生成量評価の検証を行った。
  • 浅野 芳裕, Liu James, Rokni Sayed
    セッションID: J07
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    近年、大型放射光施設に加えてCLSやDIAMONDなどの中型の放射光施設が世界中で多数建設または計画されている。またSLAC_-_SPEAR3など、既存施設の性能向上も多くで計画、実行されている。これら中型放射光施設における放射光エネルギーやパワーなどの性能向上に伴い、ビームライン遮蔽に対しても精確に評価することが要求されるようになってきている。特に既存施設の性能向上を図る場合、経済的な理由から遮蔽構造を従来通りとすることも多く、漏洩線量の原因となる散乱放射光源を正確に把握することは局所遮蔽の設計等に必要である。そこで中型放射光施設のミラー反射型ビームラインとしてSPEAR3、BL11ビームラインを例に取り、ミラー反射放射光とミラー散乱放射光に起因する漏洩線量の割合を調査した。また、大型放射光施設SPring-8の場合と比較するとともに、臨界エネルギー依存性についても調べた。
ビルドアップ係数・低放射化材料
計算手法・探知技術への適用
  • 村田 勲, ゴールデンバウム フランク, フィルゲス デトレフ
    セッションID: J11
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    MCNPの分散低減法の1つであるWeight Windowに必要なインポータンスの新しい決定手法を提案した。MCNPに付属しているインポータンス推定オプションWWGではメッシュベース評価になっているが、本手法では点ベース評価を採用し精度の高いパラメータの供給を可能にした。特に点検出器を用いた場合、インポータンスの決定に使用できるデータの数が、WWGよりもはるかに多く、統計的に有利になる。テスト計算による性能比較でも、WWGよりも大きなFOMが安定的に得られることを確認した。本手法は、3次元の自動インポータンス推定に応用できる可能性がある。
  • 上松 幹夫
    セッションID: J12
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    随伴系計算による大気中の放射線(中性子及びガンマ線)伝播データを用いるスカイシャイン線線量評価法を開発した。得られた随伴束データは種々の線源建屋に対し、スカイシャイン線量評価用の汎用データとして使うことができる。適用例として16Nを内包する円柱形状建屋周りのスカイシャイン線量を、従来のforward-forward接続による結果と、今回開発した随伴束を用いた手法の結果で比較した。この結果により、本研究で開発した手法の妥当性を確認した。本手法は線源建屋の各部位ごとの線量率寄与が算出できるため、詳細な遮蔽性能評価への適用が可能であることを示した。
  • シミュレーションモデル開発
    澤村 英範
    セッションID: J13
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    中性子誘起即発γ線分析手法に基づく対人地雷探知装置の設計に向けて、MCNP中性子・γ線輸送シミュレーションモデルの開発を行い、基本仕様の最適化および種々の環境条件が与える地雷探知感度への影響を評価した。
  • 模擬実験と解析
    大西 広泰, 安食 雄介, 澤村 英範, 渡辺 賢一, 河原林 順, 井口 哲夫
    セッションID: J14
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    本研究では、中性子を土壌に打ち込んで、地雷爆薬を構成する元素との核反応で生成される即発γ線を検出する手法の開発を進めているが、この手法では、即発ガンマ線スペクトルパターンの識別、特に、爆薬の主要構成元素である窒素の中性子捕獲反応で生成される10.8MeVガンマ線の検出を拠りどころにしており、ガンマ線検出器系の感度やS/N比の実験的検証が必要不可欠である。そこで、できるだけコンパクトな地中埋設地雷探知の模擬実験体系をモンテカルロ中性子・γ線輸送計算コードMCNP-4Cを用いて設計・構築し、その模擬体系を用いた基礎実験を行い、中性子・ガンマ線輸送計算に基づく実験解析をもとに、地雷探知の検出限界の評価を試みた。
放射線物理,放射線計測
γ線計測
信号処理,γ線線量計システム
  • 酒井 宏隆, 柚木 彰, 青木 政司, 小嶋 康子, 小田 直敬
    セッションID: J18
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    ZnS(Ag)シンチレータとプラスチックシンチレータの組み合わせによる二層式の検出器は入射放射線の線種により出力波形が異なる。
    今回、その出力波形の弁別のためにFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いたディジタル波形処理による波形識別を適用しα線とβ線の弁別が可能であることを確認した。
  • 大石 卓司, 萩原 雅之, 馬場 護, 佐波 俊哉, 高田 真志
    セッションID: J19
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    当研究室では数10MeV核子入射反応による二次重荷電粒子生成断面積測定のためにBCS(Bragg curve spectrometer)の開発を行っている。前回[1]はBCS波形情報にデジタル波形解析を適応したが、SN比が問題であったため今回、FIRフィルタを適用し解析を行った。また、NE213へのデジタル波形解析の適応も進めている。
  • _-_全体概要_-_
    成山 展照, 近内 亜紀子, 大西 世紀, 小田野 直光, 山路 昭雄, 小笹 尚登, 石川 雄三
    セッションID: J20
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    放射線の線量分布を測定できる2次元型線量計は有用であるが、ガンマ線・X線に関しては、人体組織等価なエネルギー応答を備えた低・中線量用の2次元型線量計はないのが現状である。そこで、本研究では高感度な熱蛍光素子を用いて、優れたエネルギー特性をもつシート線量計とその読み取り装置を開発した。蛍光材料として、人体組織等価な熱蛍光素子の中でも最も高感度なフッ化リチウムを選択し、バインダー材料には、素子のアニーリング温度や人体組織等価性、波長透過性等を考慮して、ETFEを用い、厚さ0.2mmの薄シート状に加工した。放射線に照射されたシート線量計は、プレート加熱し、放出される熱蛍光をCCDカメラにより検出する。加熱プレートには、20cm四方の大きさと、均一にしかも直線的に加熱する性能が要求される。加熱方法としては抵抗加熱法を選択し、パターンを改良することにより、位置依存性が3%以内、直線性が2%以内の性能を達成した。
  • 詳細説明
    近内 亜紀子, 成山 展照, 大西 世紀, 小田野 直光, 山路 昭雄, 小笹 尚登, 石川 雄三
    セッションID: J21
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    放射線を用いた治療方法や加速器施設の増加による放射線の多様化に伴い被曝状況も様々に予想される現在、放射線の人体影響が2次元的に測定できる線量計の開発が望まれている。我々は、人体組織と等価な物質を用いることによって、人体におけるエネルギー吸収特性に等価な特性を持った2次元線量計の開発を行っている。
    現在開発中の薄シート2次元熱蛍光線量計について、50~150keVの単色光に対する線量応答およびエネルギー応答を測定した。また、シート作成のために開発した熱蛍光体NTL-250(LiF:Mg,Cu,P)についても、人体と等価なエネルギー特性を示すか検証した。
    シートについては照射部分の均一性が確認され、NTL-250については線量応答の線形性、エネルギー応答の人体組織等価性が確認された。
低レベル放射能・同位体計測
中性子スペクトロメータ・線量計
  • 松本 哲郎, 原野 英樹, 瓜谷 章, 伊藤 芳浩, 片野 元
    セッションID: J27
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    高速中性子のエネルギー精密測定を目的として、表面障壁型Si半導体検出器と3つの位置敏感型比例計数管で構成された高速中性子スペクトロメータを開発している。5.0MeV単色中性子に対してスペクトルの測定を行い、エネルギー分解能1.8%を得た。
  • 谷口 真吾, 中尾 徳晶, 山川 裕司, 大石 晃嗣, 中村 尚司, 畑中 吉治, 民井 淳, 斎藤 高嶺
    セッションID: J28
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    大阪大学核物理研究センター(阪大RCNP)において、約390 MeVの準単色中性子および最高エネルギー約390 MeVの白色中性子をもちいて12.7 cm x 12.7 cmの有機液体シンチレータの応答関数の測定を行った。また、392 MeVの陽子を厚い鉄ターゲットに入射させた際、前方方向に発生する発生中性子の TTY (Thick Target Yield)の測定も行った。
  • 佐藤 大樹, 佐藤 達彦, 遠藤 章, 山口 恭弘, 石橋 健二
    セッションID: J29
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    現在、我々のグループでは熱エネルギーから1GeVの中性子に対してリアルタイムで線量モニタリングが可能な高エネルギー中性子モニタの開発を進めている。このモニタは、有機液体シンチレータの発光量分布を線量に直接変換する演算子であるG関数を用いることにより、中性子線量を測定する。G関数を導出するためには、入射中性子エネルギーごとに詳細に評価された応答関数が必要不可欠である。そこで、GeV領域に及ぶ応答関数計算が可能なシミュレーションコードSCINFUL-QMDを開発した。コードの検証のため、入射中性子エネルギーが65MeVと500MeVに対するSCINFUL-QMDの計算値と実験値の比較を行った。これにより、SCIFUL-QMDの計算値が、いずれのエネルギー領域においても実験値と良く一致することが分かった。さらに、約100MeV以上のエネルギー領域において一般的に用いられているCECILコードの計算結果よりも実験値を適切に再現することが分かった。
  • 佐藤 達彦, 遠藤 章, 佐藤 大樹, 山口 恭弘
    セッションID: J30
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    高エネルギー加速器施設における放射線管理に用いるために,熱エネルギーから1GeVまで適用可能な中性子モニタの開発を進めている。本発表では,開発した中性子モニタのエネルギー応答特性について考察し,他の中性子モニタの応答関数や線量換算係数と比較した結果について述べる。
  • ラジエータ効果の検討
    今坂 雄一, 塚原 一孝, 山内 知也, 小田 啓二, 遠藤 章, 中根 佳弘, 山口 恭弘
    セッションID: J31
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    ICRP Publication60において航空機乗務、宇宙飛行に伴う被爆を職業被爆として管理する必要性を指摘されて以来、この問題に対する関心が高まっている。このような宇宙放射線被ばくは大強度加速器等と同様、100MeV以下の中性子の線量寄与が大きく、その評価が重要となる。通常の線量計では20MeV以上の中性子に対して感度が低下し、被ばく線量を過小評価する恐れがある。そこで有望な素子の一つであるCR-39飛跡検出器(以下CR-39)について、高エネルギー中性子に対する感度向上を目的とし、HSUB2/SUBO, DSUB2/SUBOラジエータ増感効果について評価した。
  • 山村 直史, 飯田 孝夫, 山根 義宏, 山西 弘城, 佐久間 洋一, 植木 紘太郎, 佐藤 博夫
    セッションID: J32
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    ICRP Publ.60によると中性子線では放射線荷重係数がエネルギーによって細かく異なっている。正確に中性子の実効線量を評価するには、エネルギー毎のフルエンスを測定することが必要である。そこで、3層構造の検出器が提案された[1]。構造は、最外層と中層にはLi-6ガラスシンチレータ (GS)を、中心には液体シンチレータ (LS)を配置する。最外層では熱中性子線_から_低速中性子線を測定、中層では中速中性子線を、中心の液体シンチレータでは速中性子線を測定する。本発表では、基本性能の把握と実機製作の指標とするためMCNPで計算を行った。その中でLi-6(IN)の応答に注目し、これが中速中性子線を捉えることを検証した。
極低温検出器
中性子イメージング
  • 乾 大佑, 水野 良治, 渡辺 賢一, 河原林 順, 井口 哲夫, 西谷 健夫
    セッションID: J38
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    新しい高速中性子の画像計測原理として、有機液体シンチレータと波長シフトファイバーを組み合わせた検出方式を考案し、検出器の試作と基礎実験により、一次元画像計測を行い位置分解能およびn-γ弁別性を評価した。日本原子力研究所核融合中性子源施設FNSにて製作した試作器に14MeVDT中性子ビーム(20mmφ)を照射し、各光ファイバーからのパルス波高とその立ち上がり時間の同時測定を行った。得られた立ち上がり時間分布よりパルス波形によるn-γ弁別が可能であることが分かった(性能指数_から_1.55)。また、パルス波高の分布から_から_15mm程度の空間分解能が得られている。今後、より高空間分解能が期待できる検出器形状・サイズを探索し、二次元検出器の設計・試作および性能評価実験を実施する予定である。
  • 山岸 秀志, 曽山 和彦, 中村 龍也, 正岡 聖, 相澤 一也
    セッションID: J39
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    He-3混合ガスを封入したマイクロパターン型二次元中性子検出器の高位置分解能化のための新たな手法を提案した。検出器システム作動のシミュレーション計算により、位置分解能が従来手法と比べ大幅に改善できることを確認した。
  • 堀口 哲男, 伊藤 眞, 伊藤 哲夫, 山本 拓人, 宮坂 哲也, 坂井 淳, 柴田 邦雄, 増田 祐樹, 奥村 敦, 丹羽 健夫
    セッションID: J40
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    バックガモン法に基づく熱中性子用位置感応型比例計数管(PSPC)を開発している。近大原子炉(1W)から得られる熱中性子を用いて、B-10薄膜層に対する基礎検出器応答を測定した結果を報告する。
  • SrBPO5:Ce3+の輝尽性蛍光出力のSrF2添加量依存性
    坂佐井 馨, 片桐 政樹, 松林 政仁, 中村 龍也, 近藤 泰洋
    セッションID: J41
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    ガンマ線感度の低い中性子イメージング用輝尽性蛍光体として有望な、軽元素からなるSrBPO5:Ce3+蛍光体の特性のSrF2添加量依存性を測定した。その結果、紫外線励起による発光測定では、添加するSrF2の量を増加するにつれ発光量は増大し、SrBPO5:Ce3+とSrF2のモル比が1:1.5程度の場合に最大の発光量があることがわかった。一方、α線照射及び中性子照射による輝尽性蛍光量の増大率測定では、α線照射の場合も中性子照射の場合も紫外線発光の場合と同様な傾向を示し、SrBPO5:Ce3+とSrF2のモル比が1:1.5で最大の輝尽性蛍光量があることがわかる。しかし、α線照射の場合に比べて中性子照射の場合の増大率は小さい。これはSrF2の添加量が増大すると中性子有感物質であるホウ素の量が相対的に減少するためである。今後はFading特性や2次元イメージ特性等さらに詳細な特性を測定する予定である。
  • 高位置分解能中性子イメージ検出器
    片桐 政樹, 松林 政仁, 坂佐井 馨, 海老根 守澄, 美留町 厚
    セッションID: J42
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    蛍光体/中性子コンバータ検出シートの背面に吸収波長帯の異なる二種類の波長シフトファイバを直交して配置し、これら波長シフトファイバを直角に曲げてコンパクト化を図った高位置分解能中性子イメージ検出器を開発し、その検出特性を測定した。その結果、位置分解能は0.6_-_0.7mmであった。この結果より、従来の読み取り法とほぼ同等の位置分解能を示すことがわかった。
  • 64×64チャネルイメージ信号処理回路
    海老根 守澄, 片桐 政樹, 美留町 厚, 松林 政仁, 坂佐井 馨
    セッションID: J43
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    蛍光体/中性子コンバータ検出シートを用いた2次元中性子イメージ検出器用に64x64チャネルイメージ信号処理回路を開発した。FPGAを用いてコインシデンス法を中心とした様々な信号処理を行い、位置分解能、計数率、n/γ弁別などの検出特性の向上を図った。
小型中性子センサー
  • Mala Das, Akira Homma, Teruko Sawamura
    セッションID: J44
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    The threshold temperature of neutron detection of superheated emulsion has been measured for two different mono-energetic neutrons of energies 5- and 15- MeV at CYRIC of Tohoku University, Sendai.
  • 雨宮 邦招, 梶本 剛志, 中沢 正治, 高橋 浩之, 中川 義信, 柳衛 宏宣, 久 智行, 江里口 正純, 眞島 利和, 櫻井 良憲, ...
    セッションID: J45
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    硼素中性子捕捉療法(BNCT)は、腫瘍集積性を有する硼素化合物と、外部から照射する熱中性子との10B(n,α)7Li反応で生ずる細胞1個分(10μm)の飛程を有する荷電粒子を利用して腫瘍細胞のみを選択的に死に至らしめるという治療法である。BNCTではホウ素化合物の分布が重要で、我々は高分解能中性子誘起αオートラジオグラフィにより細胞内構造レベルでのホウ素分布・線量分布測定法の開発を行っている。CR-39飛跡検出器上にホウ素薬剤を取り込ませた腫瘍細胞切片を載せ熱中性子を照射した。これによりCR-39には生成α粒子の入射位置に損傷が残る。続けて試料を殺菌灯紫外線照射した。殺菌線(波長約254nm)は核酸に吸収されやすいためCR-39への紫外線透過量に細胞内構造ごとの差が生じる。これを熱強アルカリでエッチングすると損傷部位がより速く溶出し、潜在α飛跡はエッチピットとして、細胞紫外線透過像はレリーフとしてCR-39表面に現出する。これを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて高分解能に観察する。飛跡位置は100nm以下の精度で決定でき、またUV細胞透過像では140nmの微細な試料構造が解像できた。ホウ素濃度とαトラック数とは良好な直線性を示しており、またUV照射でαトラックの数え漏れは生じないことが確認された。大量データの解析のため、画像処理ソフトによる処理系の整備を進めている。
  • 片野 元, 伊藤 芳浩, 原野 英樹, 松本 哲郎, 瓜谷 章, 工藤 勝久, 小林 捷平, 義本 孝明, 櫻井 良憲, 古林 徹, 森 千 ...
    セッションID: J46
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
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    光ファイバーを光導波路として用いた中性子検出器の性能向上を目的として、中性子コンバータの真空蒸着法による形成と、波長シフトファイバーを用いる手法のそれぞれを試みた。その結果について報告する。
  • 石川 正純, 小野 公二, 櫻井 良憲, 宇根崎 博信, 古林 徹, 小佐古 敏荘
    セッションID: J47
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    ホウ素中性子捕捉療法における熱中性子束をリアルタイムで測定するための熱中性子モニタとしてSOF検出器(Scintillator with Optical Fiber Detector)を開発した。本検出器では、γ線にも若干の感度を有するため、熱中性子束が低い場での測定において、γ線バックグラウンドの影響が問題となっていた。そこで、熱中性子に感度を持たない同様の検出器とペアで用いることにより、γ線の補償を試みた。その結果、熱中性子束105(n/cm2/s)においてγ線バックグラウンドの補償に成功した。また、熱中性子束105(n/cm2/s)から109(n/cm2/s)の範囲において、線形性を保っていることを確認した。
  • 金子 純一, 石川 正純, 片桐 政樹, 落合 謙太郎, 白石 和正, 土田 昇平, 澤村 晃子, 西谷 健夫
    セッションID: J48
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    ホウ素中性子捕捉治療用リアルタイム中性子モニターの改良として、YBO3中性子シンチレータの適用を試みた。中性子に対して感度をもち、減衰時間が速いために治療時に要求される高計数率に十分耐えられることを確認した。しかし、粉体のままでは不透明なため検出効率が低く単結晶化を進める必要がある。
放射能検出素子・物性
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