循環制御
Print ISSN : 0389-1844
45 巻, 1 号
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特集:第 44回日本循環制御医学会総会・学術集会シンポジウム「臨床につなげる心血管系の基礎研究」
特集:第 44回日本循環制御医学会総会・学術集会シンポジウム「Mechanical Circulatory Support の活用と循環制御」
総説
  • 畠山 登
    原稿種別: 総説
    2024 年45 巻1 号 p. 18-21
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/06
    ジャーナル フリー
      ブルガダ症候群(BrS, Brugada syndrome)は遺伝性の催不整脈疾患であり、心筋のイオンチャネル異常にくわえ様々な要因が関係して症状を惹き起こす。手術前の心電図検査でBrS を疑わせる異常を発見した場合は、循環器内科医へコンサルトし、診断および不整脈予防について検討する。手術時にはナトリウムチャネルの抑制を惹き起こす薬剤の使用は極力控え、不整脈発生に備えたモニタリングを行う必要がある。
  • 堀田 直志, 福満 雅史
    原稿種別: 総説
    2024 年45 巻1 号 p. 22-33
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/06
    ジャーナル フリー
       動脈の血管特性には非拍動成分と拍動成分があり、肺循環において肺血管抵抗が前者、動脈インピーダンスが後者に相当する。肺血管抵抗は臨床で広く使用されている血管特性であるが、拍動性を反映していない。一方、動脈インピーダンスは周波数領域における血流と血圧の関係を表し、拍動下の血管特性を詳細に評価できる。動脈モデルに当てはめることで、血管抵抗、特性インピーダンス、コンプライアンス、慣性力、脈波伝達時間等、生理学的に解釈可能なパラメタに定量化でき、肺循環の理解や疾患の病態把握に見通しのよさが生まれる。本総説では基礎から臨床までの研究報告をもとに、動脈インピーダンスの可能性について解説したい。
症例
  • 西川 美佳, 藤原 茂樹, 篠島 理, 髙田 真里菜, 江口 覚, 髙田 香, 斎藤 昌司, 高石 和美, 川人 伸次
    原稿種別: 症例
    2024 年45 巻1 号 p. 34-38
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/06
    ジャーナル フリー
      遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT, hereditary hemorrhagic telangiectasia)とは、Osler 病とも呼ばれる遺伝性全身疾患で難病指定されている。①皮膚・粘膜・内臓の多発性毛細血管拡張病変、②それら拡張血管からの反復する出血(鼻出血を含む)、③常染色体優性遺伝の3 つの特徴を有する1)。罹患率は、5,000 ~ 8,000 人に1 人で、国内に1万~ 2 万人程度の患者が存在すると推定されている2)~4)。病因としては、血管新生やtransforming growth factor(TGF) superfamily に属する3 つの遺伝子変異が知られている。HHT1 型(原因遺伝子:endoglin)は肺と脳動静脈奇形、HHT2 型(ACVRL1)は肝臓と脳動静脈奇形(AVM, arteriovenous malformations)の合併が多いとされている5)~ 8)。その他、HHT の病状に加えて消化管の若年性ポリポーシスを呈する型も存在する(表1)。主な合併症とその頻度を表2 に示す。鼻出血は約90% の症例に起こるとされている。内臓の合併症では肺動静脈奇形(PAVM, pulmonary arteriovenous malformations)が50% と比較的高く、PAVM を有する患者の5 ~ 9% に脳膿瘍を発症するとされている9),10)。今回、HHT患者の歯科治療時の周術期管理を経験したので、文献的考察を加え報告する。
  • Rikako Takahashi, Ryosuke Kawanishi, Nami Kakuta, Hiroki Yonezawa, Hir ...
    原稿種別: Case Report
    2024 年45 巻1 号 p. 39-42
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/06
    ジャーナル フリー
      Vagus nerve stimulation (VNS) is used to treat drug-resistant epilepsy. We report a case of intraoperative severe bradycardia and cardiac arrest during a second VNS implantation. No cases of bradycardia during the second VNS implantation have been reported.
      The patient underwent the first VNS implantation before and experienced no intraoperative bradycardia. A mechanical error of the VNS was discovered, and the second operation was scheduled. General anesthesia was scheduled with supporting by a prophylactic pacing defibrillator to manage bradycardia during VNS. After exchanging the electrodes on the left vagus nerve, test stimulations were performed. We observed an increase in the PR interval on the electrocardiogram (ECG) during the test stimulation and severe bradycardia with cardiac arrest during the main stimulation, which required shortterm chest compressions and percutaneous pacing. After discontinuing stimulation, the pulse rate recovered immediately. We conclude that continuous ECG monitoring intraoperative is crucial, even if the first VNS implantation was uneventful.
  • 梅津 健太郎, 新保 秀人, 石川 廉太, 鳥羽 修平, 山崎 誉斗, 夫津木 綾乃, 高尾 仁二
    原稿種別: 症例
    2024 年45 巻1 号 p. 43-46
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/06
    ジャーナル フリー
      肺動脈弁欠損症候群(APVS , absent pulmonaryvalve syndrome)は、非常に稀な疾患群であり、多くはファロー四徴症に合併する1)。しかし、なかには機能的単心室症に合併するものも認められるが、報告例は少ない。今回、二心室修復の可否についてボーダーラインと考えられるAPVS を合併した症例を経験したので報告する。
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