この文献は、EPA(European Productivity Agency)主催のセミナーにおいて、英国科学技術研究庁(Department of Scientific and Industrial Research)のE,Martindale氏が論じたものである。国情の違いこそあれ論旨の本質が種々参考になると思われるので、ここに概略を紹介する。まず全文を要約してみると次のごとくなる。中小企業にとって技術情報は、恐ろしい技術的困難にぶつかった時や、市場を失いそうになった時にだけ取り上げるお添え物ではないことを認識し、技術情報機関を情報源と中小企業の間の単なるつなぎとせず、どんな企業でも技術情報の価値を認める風潮を作り上げるよう努力し、また従来の慣習的な情報源の扱いかたを積極的に研究することが望ましいと述べている。その背景には科学訓練を受けた人材の補強と、経営教育においても技術情報源および経営者として常に新しいアイデアを探求する任務についての教育を主張している。では順を追って彼の意見を聞いてみよう。
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