東京大学情報図書館学研究センターにおいて研究開発を行った,学術雑誌総合目録人文・社会科学欧文編データベース中の誌名変遷データを用いて,誌名変遷状況を計量的に分析した。グラフ理論的接近により,誌名変遷によって関連づけられた雑誌群のパターン分類して,これを分析モデルとした。すなわち2誌型,直線型,2段型,有根木型,無根木型,閉路型の変遷類型に基づいて,データベースから各種の統計量を抽出し,分析を加えた。その結果、データベースに含まれる44,179誌中,変遷に関係するものが13,967誌を占め,これらは5,376群を形成すること,変遷類型では単純な2誌型と直線型で90%に達することなどが判明した。また特異な事例が析出され,これらに検討を加えた。 この分析結果の応用として,冊子体目録における個別記入方式と最新誌名記入方式を比較検討した上,変遷経過を一覧しうる資料として,「変遷マップ」を設計し,その電算機による出力を試みた。
抄録全体を表示