本研究は,認知心理学アプローチに基づいた授業を通して,学生の学習方法の変化に与える効果を,学習者の学習動機の高低から検討した。学習方法は学習動機と相関があることが指摘されている。そこで,本研究では,リメディアル対象となる学生がどのような学習動機の志向を持っているか,またその高低と,学生の学習スタイルに与える影響には関連があるかを検討し,当該学生が求めている学力,教師が学生に求めている学力を今後明らかにするための第一段階の研究である。本研究で用いた学習動機は,充実志向,訓練志向,実用志向,関係志向,自尊志向,報酬志向の六つの志向に分類されている。それぞれの志向を平均値により高群と低群にわけ,各志向の高低により,リメディアル学習が学習方法の変化に与える影響がどのように異なるか検討した。
抄録全体を表示