目的:独居高齢糖尿病患者の運動療法の自己管理の取り組みおよび関連する要因を明らかにし,看護への示唆を得ることとした.
方法:70歳以上で外来通院中の独居糖尿病患者16名を対象に,半構成的面接法でデータ収集し質的に分析した.
結果:独居高齢糖尿病患者の運動療法の自己管理の取り組み程度は,少ない,中程度,多いの3段階に分類された.自己管理と関連する要因として,ソーシャルサポート,孤独感,生活の楽しみ,身体機能低下,自己管理の必要性の認識,生活への組み込み,負担感,取り組みの成果の8要因が抽出され,これらは関連し合っていた.なかでも生活の楽しみは,運動自体が生活の楽しみにつながる側面と,生活の楽しみが自己管理の取り組みに影響する側面があり,主要な要因であった.
結論:独居高齢糖尿病患者の運動療法の自己管理に関連する要因を考慮し,生活の楽しみが維持できるよう楽しみながら運動に取り組めるような支援,人との交流を促進し孤独感を軽減できるような支援が重要である.
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