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坂口 勲, 黒田 みなみ, 坂本 直哉, 永田 肇
セッションID: R2-01
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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酸化物半導体ガスセンサとして使われている錫石(酸化スズ)の緻密質セラミックスを合成してい。今回、ルチル(TiO
2) を添加して1100-1400℃の間で合成した。ルチルの添加により酸化スズは絶縁体化し、誘電率はルチルの添加量の増大に伴い10-27へと増加した。また、酸素拡散実験により得られた拡散プロファイルに変化が見られた。これはルチルの添加に伴い拡散経路が変化した事を示している。
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阿部 利弥
セッションID: R2-02
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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CaO-Na
2O-B
2O
3-Li
2O-V
2O
5フラックスでは,六角柱状の石英結晶を得ているが,780-900℃での実験を目指して,別フラックスをCaO-MgO-Li
2O-V
2O
5系で準備した.このフラックスでは,実験条件に依存して異なる2つの結晶が得られた.ひとつは,六方両錐状結晶の石英で,もう一方は,六角板状結晶のトリディマイトである.トリディマイト結晶は,800℃まで冷却した実験でも認められているが,この温度では石英が安定で,トリディマイトは準安定である.
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吉野 徹, 佐野 森, 鍵 裕之
セッションID: R2-03
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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炭酸カルシウムの準安定相である非晶質炭酸カルシウム(CaCO
3・nH
2O、以下ACC)は、炭酸カルシウム結晶の前駆物質として知られている。その結晶化プロセスは水を介したものや300℃程度の加熱によるもの、さらには圧力によるものが報告されている。本発表では、圧力とACCの結晶化との関係を研究する中で発見した、ACCを加圧することで結晶化温度が低温側へ変化する現象について報告する。加圧前のACCは300℃程度で結晶化するのに対して、加圧したものについては結晶化温度が低下することが明らかとなった。もともと300℃程度だった結晶化温度は、比較的高い圧力条件では150℃程度まで低下した。
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入舩 徹男
セッションID: R2-04
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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我々は川井型マルチアンビル型装置を用いた10万気圧以上の超高圧下での直接変換法により、様々な高圧相鉱物のナノ多結晶体の合成を試みている。これまでに、ダイヤモンド、様々な組成のガーネット、スティショバイト、ヒスイ等のナノ多結晶鉱物の合成に成功したが、これらの合成条件のナノ多結晶体の生成メカニズム、また得られたナノ多結晶体の光学的性質などについて概観する。
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岡本 啓太郎, 柿澤 翔, 井上 徹, 栗林 貴弘, 長瀬 敏郎
セッションID: R2-05
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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ローソン石CaAl
2[Si
2O
7](OH)
2・H
2Oは常温常圧で空間群
Cmcmを示し、4 GPa付近で単純直方格子への相転移を生じる。この圧力誘起相転移と273 Kの低温相転移を比較するために、単結晶の合成ローソン石を対象として放射光線源を用いたその場観察X線回折実験を行ない、4 GPa以上で生じる高圧相の空間群を制約した。その結果、空間群の候補は
Pmcnあるいは
P2
1cnのどちらかに絞られた。前者による構造解析の方が、より低い
R値を得られた。
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Youmo Zhou, Tetsuo Irifune, Hiroaki Ohfuji, Takahiro Kuribayashi
セッションID: R2-06
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
フリー
The composition Al
2SiO
5 has three well-known polymorphs, andalusite, sillimanite and kyanite.
We discovered and synthesized two new high-pressure forms of Al
2SiO
5 by multianvil experiments at the mantle-transition-region pressures (13-23 GPa) and high temperatures exceeding 2300-2500 K.
In this presentation, I will mainly talk about the phase relations of Al
2SiO
5.
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栗林 貴弘, 周 佑默, 大藤 弘明, 入舩 徹男
セッションID: R2-07
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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新たに発見されたAl
2SiO
5高圧相の結晶構造の決定を単結晶X線回折法を用いた解析によって試み、2つの新規層の結晶構造を決定した。2つの新規相は、2300-2500 Kの温度条件のもとで、14-17 GPaの圧力条件で安定なkyanite-II相と17 GPa以上で安定なkyanite-III相である。kyanite-II相、kyanite-III相の対称性は三斜晶系及び単斜晶系であり、共に酸素の最密充填構造を基本とする。
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Narangoo Purevjav, Takuo Okuchi, Yusuke Seto, Takashi Ohhara, Koji Mun ...
セッションID: R2-08
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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Here, we conducted single-crystal neutron diffraction on H
2O-bearing phase E. By applying such method, we aimed to quantitatively determine the site position, occupancy and thermal parameters of hydrogen at room and high temperatures in phase E structure.
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則竹 史哉
セッションID: R2-09
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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珪酸塩の中に頻繁に現れるシロキサン架橋を電子状態計算で正確に再現する事は難しい。たとえば、Pyrosilisicacid分子に対してHartree-Fock法と最小基底を用いた計算では分子中の架橋は折れたジオメトリとなるが(Newton & Gibbs、1980)、Double-Zeta基底にすると直線のジオメトリとなる(Tsuneyuki, 1996)。近年、筆者はMoller-Plessetの二次の摂動、また補強したPopleのValence-Triple-Zeta基底を用いる事で折れたジオメトリとなる事を発見したが、この手法ではまだ精度が足りず非常に単純な分子であるDisiloxaneですら正確にそのジオメトリを再現する事ができない(Noritake & Kawamura, 2015)。この問題について、補強したDunningのCorrelation-ConsistentタイプのTriple-Zeta、および三電子励起状態まで考慮した結合クラスター法を用いる事で初めて正確にDisiloxane分子を計算できることを発見したので、これを用いてシロキサン架橋の電子状態の再考を行う。
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山中 高光, Muhtar Ahart, Ho-kwang Mao, 中本 有紀
セッションID: R2-10
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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ペロブスカイト構造
VIIIA
VIBO
3を持つ物質には強誘電体として工業利用されているものが多い。BaTiO
3やPbTiO
3はTiが
VIBサイトに位置し常温常圧で強誘電相正方晶(
I4/
mcm)を示す。高圧状態で斜方晶(
Cmcm)の常電相に転移する。第一原理計算や色々な弾性実験がなされてきた。本実験では高圧下、電子状態の変化を明かにした. DACを利用し、PFのBL-10Aの四軸を用いて単結晶構造解析を行った。マキシマムエントロピー方法によって電子密度分布の圧力変化を12GPaまで行った。また55GPaまでの粉末回折実験を行なった。単結晶構造解析から得られた
d-p-p混成電子密度のを明らかにした。有効電荷の圧力変化
qは測定電子密度分布
r(r)からPbTiO
3では
qPb= +1.74
qTi = 2.92
qO= -1.55, BaTiO
3では
qBa= +1.91
qTi = 2.79
qO= -1.57 となった。誘電性を制御する電子分布の圧力変化を解明し、加圧により電子密度が局在化してイオン化すること、
d-p-p混成は圧力の上昇により、減少しparaelectricのcubic相では消滅することが明らかになった。
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山根 崚, 小松 一生, 鍵 裕之, 郷地 順, 上床 美也
セッションID: R2-11
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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氷VI相は、1-2 GPaまでの範囲で安定な氷の高圧相である。水素原子位置について無秩序な状態の相であり、純粋な氷VI相は温度を下げても秩序化に伴う相転移を経ずに無秩序状態のまま凍結する。近年HClなどの不純物を添加した系において、秩序化が誘起されることが報告され、氷VI相の秩序相ー氷XV相に関する研究が進んでいる。しかし、これらの研究はいずれも液体窒素温度で常圧回収した試料に対して構造解析や物性測定を行ったものであり、高圧下その場測定で秩序化を測定した例はない。高圧下で実際に相転移を観測し、さらにその相境界を決定することは氷VIーXV相の秩序化機構の理解のために重要である。
本研究では、測定感度などの点から高圧下誘電率測定に着目し、氷VIーXV相の秩序化に伴う相転移の測定を行った。
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小松 一生, 町田 真一, 服部 高典, 佐野 亜佐美, 鍵 裕之
セッションID: R2-12
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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高圧で安定な水素ハイドレート、Filled ice IIについて、高圧下中性子回折実験を行ったところ、ホスト構造の水素位置について、秩序-無秩序転移があることを発見した。
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中村 友梨江, 長瀬 敏郎, 栗林 貴弘, 今井 裕之
セッションID: R2-13
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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富山県水晶岳産低対称ガーネットの{530}成長分域における陽イオンの秩序配列を調べ、先行研究のマリ産低対称ガーネットの{110}および{211}成長分域における陽イオンの秩序配列と比較するため,単結晶X線回折実験を高エネ研Photon Factory (BL-10A)にて行った. 格子定数および消滅側に反する反射は水晶岳産低対称ガーネットにおける{530}分域の結晶構造が単斜晶系の対称性を有することを示唆した.発表では{530}分域での陽イオンの秩序配列について報告し,秩序配列の成因について考察する.
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佐野 喜成, 興野 純, 髙木 壮大
セッションID: R2-14
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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海洋底の堆積層では,H
2SがFe
2+と反応することで硫化鉄ナノ粒子が生じている.硫化鉄ナノ粒子は黄鉄鉱の前駆物質として知られるが,相変化に伴う構造変化プロセスは未解明である.そこで本研究では,硫化鉄ナノ粒子が黄鉄鉱へ変化する反応を熱水実験 (120℃) により再現し,相変化の過程と局所構造変化を放射光粉末XRD測定及びXAFS測定により観察した.合成した硫化鉄ナノ粒子はマッキナワイトのナノ粒子であり,(001) 面間距離が拡張 (5.46 A)していた.マッキナワイトナノ粒子は加熱により粒成長し,(001) 面間距離が縮小 (5.11 A) した.マッキナワイトナノ粒子は,硫黄との反応で大部分が黄鉄鉱へ変化し,グレイガイトも僅かに生成した.またその際,Feの価数が2価のまま安定であることがXANES解析により示された.EXAFSの解析からは,マッキナワイトナノ粒子がFeS
4四面体から成り,結晶内部に構造的な乱れを伴うことが示唆された.硫黄との反応で黄鉄鉱へ変化する際には,FeS
4四面体がFeS
6八面体に変化し,Fe-S結合距離が2.25 Aから2.26 Aへ増加することも示された.
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吉朝 朗, 徳田 誠, 本宮 秀朋, 鳥羽瀬 翼, 中塚 晃彦, 有馬 寛, 杉山 和正
セッションID: R2-15
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
フリー
The crystal structure of MnS2 [hauerite a=6.1013(1) Å; u-parameter 0.40105(4) from Osorezan, Aomori], MnSe2 [a = 6.4275(2)Å; u-parameter 0.39358(2)], MnTe2 [a = 6.9513(1) Å; u-parameter 0.38554(2); space group Pa-3; Z=4] and FeS2 [pyrite a=5.4190(1)Å; u-parameter 0.38484(5) from Nagasaki] have been analysed by the single-crystal X-ray diffraction and refined yielding the R1 values of 0.0113, 0.0160, 0.0189 and 0.0181 using 354, 278, 318 and 165 unique reflections with Fo>2σ(Fo).
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吉見 桃子, 長瀬 敏郎, 栗林 貴弘
セッションID: R2-P01
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
フリー
岩手県玉山産水晶を試料として、水晶の成長履歴と晶相・晶癖の要因を調べるため表面組織観察とカソードルミネッセンス(CL)法による内部組織観察を行った。表面組織観察は微分干渉顕微鏡と走査型電子顕微鏡(JEOL製JSM-6510)を用いて行った。内部組織観察は走査型電子顕微鏡に付随したCL装置(GATAN社製Mini-CL)を用いて行った。
m面の表面組織は
r面に接する
m面と
z面に接する
m面で違いが見られる。
r面に接する
m面は波打つような凹凸が見られる。
z面に接する
m面は
r面に接する
m面と比べて平坦であり階段状の段差が見られる。成長縞は複数の試料で共通するパターンが見られる。そのため同一の層の厚さをその層の成長速度とみなして比較することができる。上側と下側では平均成長速度に差がない。このことから、重力による上下の菱面体面の成長速度差は外形に影響を及ぼさないと考えられ、成長初期に晶癖が決まっていることが示唆される。
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武内 浩一, 長瀬 敏郎
セッションID: R2-P02
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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天草陶石を原料として磁器を製造するときに、トリディマイトを添加すると強度が増加する。強度増加はトリディマイトの熱膨張に因る現象であるが、焼成過程の素地中での反応関係はわかっていない。その理由は一般的なSEM/EDSを用いた観察では、トリディマイトと石英との判別ができないためである。SEM観察下で粒子の結晶構造を知る方法としてEBSD法が用いられており、本法を強化磁器に適用した結果、両者を明瞭に判別することができた。1400℃で合成したトリディマイトを粉砕・分級して45~20μmの粒子を作製した。天草陶土にトリディマイトを約20%添加して湿式混合し試験板を作製し、ガス窯でSK10番・還元焼成を行った。試験板から研磨薄片を作製した。EBSD分析にはFE-SEMに付属するEBSD検出器と分析ソフトウエアを用いた。解析では石英とトリディマイト(高温型)の結晶構造を用いた。解析後に得られた「EBSDバンドコントラスト像」と「EBSD結晶相像」によって、トリディマイトと石英を明瞭に判別することができた。また、「逆極点図結晶方位図」からトリディマイト粒子はさらに細かい結晶集合体であることがわかった。
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錦郡 雄基, 門馬 綱一, 宮脇 律郎, 小林 祥一, 岸 成具
セッションID: R2-P03
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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岡山県北房産nakauriiteは, 蛇紋岩中の脈あるいは表面にcalcite, magnetite, aragoniteなど共に産し,その理想式は(Mg,Ni,Cu)
8(SO
4 )
4(CO
3)(OH)
6・48H
2Oで示されるが,北房産はSは含まれずMgに富んでいる.格子定数は中宇利産とよく一致している.単結晶X線回折データの精度が低く、格子定数は確定できていないが,候補として例えばa=9.591, b=72.87, c=6.189 A, 直方晶系のC格子が得られた.この格子定数を用いて取得した回折強度データに対して,charge flipping法を用いて構造の導出を試みた.その結果、nakauriiteは(010)面と平行に配列したMgO
6八面体レイヤーが,層間のCO
3ないしH
2Oを介して約7.3A間隔で積層した構造であることが示唆された.
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海野 智洋, 栗林 貴弘, 長瀬 敏郎
セッションID: R2-P04
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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c軸に垂直な薄片の偏光顕微鏡観察から低対称化が示唆されたトラピッチェ・エメラルドの単結晶X線構造解析を行った。BSE像からarm部とcore部には組成差はみられない。空間群
P6/
mccと空間群
Cccmで解析を行い、解析に成功した。解析結果から、前者の解析には
Rint値と
R値に有意な不一致がみられ、一方で後者の一致は良かった。これらの解析結果から、試料のarm部には対称性の異なる2つの領域が混在すると考えられる。
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古川 登
セッションID: R2-P05
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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広島市市街地の地下からオレンジ色に着色した方解石(以下オレンジ方解石とする)が内部に晶出した貝化石が産出した.(古川, 1966 ,山崎他,2000)その化学組成からオレンジ色の着色要因としてMnが示唆された。貝化石中のオレンジ方解石を400℃で加熱処理したところ黒褐色に変化したことから,Mnは結晶中のCaを置き換えるのではなく,不純物として含まれている可能性が高いことがわかった。オレンジ貝化石を透過型電子顕微鏡で観察したところ,オレンジ貝化石では30~60nmの包有物がみられた。この包有物がオレンジ色の着色要因と考えられる。
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仮屋 亮, 西戸 裕嗣
セッションID: R2-P06
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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含Mo灰重石試料に対し、カソードルミネッセンス(CL)電子顕微鏡を用いて試料温度制御下でのCLスペクトル測定を行い、発光中心の帰属ならびにCL発現メカニズムを考察した。
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北原 大太朗, 杉山 和正, 有馬 寛, 三河内 岳
セッションID: R2-P07
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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Axinite(斧石)は組成式X
4Y
2Al
4B
2Si
8O
30(OH)
2で表される鉱物であり,Mn を多く含むものはaxinite-Mn,Fe を多く含むものはaxinite-Feと呼ばれる。X 席にはCaが,Y席にはMn
2+およびFe
2+が分布し, axinite-Mnでは, Alの酸素六面体席に著量のFe
3+が固溶しているという報告がある.また,本鉱物は対称心を有するにも関わらず圧電性や焦電性を有するという報告もある. FeとMnのような原子番号の隣り合う元素の秩序化配列がこの特性の発現に関わっていると考えられるが,遷移元素の配列と結晶の特性の関連性について議論するには,各元素の種類と分布を正確に決定する手法の開発が不可欠である.
そこで本研究では,XAFS 法および単結晶X 線異常散乱(AXS)法を用いて,axinite中の遷移元素の分布の詳細を決定することを目的とした.
XAFS法により,MnはほぼMn
2+として存在し,MnとFeの総数が多いaxinite中のFeは一部がFe
3+として存在することがわかった.またAXS法により,Feの分布の可視化に成功した.
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中塚 晃彦, 杉山 和正, 大川 真紀雄, 大高 理, 藤原 惠子, 吉朝 朗
セッションID: R2-P08
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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新規高圧Srゲルマン酸塩SrGe
2O
5の単結晶を高圧高温下で育成することに成功し、この化合物の単結晶X線構造解析を室温下(296 K)で行った。決定された結晶構造は、12配位立方八面体席に位置するSrを伴い、[001]に沿って積層したGe-酸素フレームワーク層から成っている。そのフレームワーク層は、GeO
6八面体間およびGeO
6八面体-GeO
4四面体間で頂点結合することによって形成されている。
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尾黒 杏, 濵田 麻希, 赤坂 正秀
セッションID: R2-P09
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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Synthetic [Sr
2Fe
3+0.6Al
1.4SiO
7 (SFG)]-[Ca
2Fe
3+0.6Al
1.4SiO
7 (CFG)] series melilites were investigated to reveal the relationship between ionic substitutions at 8-coordinated (
W) site and crystal structural change. The results of refinement of crystal structure show that Fe
3+ is distributed at two tetrahedral sites. The Sr-Ca substitution at the
W site causes expansion of
WO
8 polyhedra and increase of cell parameters. Due to the
T1O
4- and
T2O
4-tetrahedra share apexes or edges with
WO
8 polyhedra, the tetrahedral sites are influenced by the geometric change of the
WO
8 polyhedra.
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永井 隆哉, 山口 竜馬, 川野 潤
セッションID: R2-P10
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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CaTiO
3-CeFeO
3系ペロブスカイト固溶体をピストンシリンダーを用いて合成した。この系は直方晶のペロブスカイト構造で完全固溶することを明らかにした。
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本多 聡子, 石川 正弘
セッションID: R2-P11
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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Plagioclase is a major constituent mineral in the Earth's crust. We prepared the samples of polycrystalline labradorite and measured compressional wave velocities (Vp) and shear (Vs) wave velocities. Ultrasonic measurements on these samples were conducted up to 1.0 GPa in a temperature range of 25-800°C in a piston cylinder apparatus.
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山本 弦一郎, 興野 純, 米田 安宏, 佐野 喜成
セッションID: R2-P12
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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熱分解過程において,Hydromagenesite Mg
5(CO
3)
4(OH)
2・4H
2Oが非晶質相を経てペリクレース(MgO)へと構造変化する過程について明らかにするためにX線全散乱測定を行った.PDF解析の結果,1 A付近のピークはC-O結合を示しており,温度の増加に伴い減少していく様子を示していた.一方,2 A付近のピークはMg-O結合を示しているが,温度の変化によってMg-O結合距離にほとんど変化はみられなかった.この結果は,Hydromagnesite が熱分解で非晶質化した後ペリクレースに変化する過程では,MgO
6八面体はほぼ維持されることを示唆している.
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小野 重明
セッションID: R3-01
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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本研究では、高温高圧条件下での、炭酸塩鉱物の電気伝導度度のその場測定を試みた。地球上部マントル条件下で存在しうる炭酸塩鉱物は、主に3種類(マグネサイト、ドロマイト、アラゴナイト)である。これまで、合成した3種類の炭酸塩鉱物の測定を行ってきた。合成試料は、マグネシウムとカルシウム炭酸塩鉱物であったが、現実の地球内部に存在すると予想される炭酸塩鉱物には、鉄が固溶していると考えられている。そのため、本発表では、鉄の固溶効果を見積もるために、鉄を含んだ天然鉱物を用いた研究結果を報告する。
実験出発試料として天然ドロマイトと天然マグネサイトの2種類を使用し、鉄を含まない合成マグネサイトと合成ドロマイトの測定データとの比較検討を行った。事前の予想では、鉄が固溶することにより、抵抗値が小さくなると思われていたが、測定値は、マグネサイトとドロマイトの両方においてその予想通りであった。また、温度と電気伝導度のアレニウスプロット図から、活性化エネルギーを見積もったところ、マグネサイトとドロマイトの間に予想していなかった違いが確認された。
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境 毅, 出倉 春彦
セッションID: R3-02
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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地球のマントル最下部のD”層とよばれる領域の最上面の境界では地域によって密度が増加するもののバルク音速は低下するという逆相関関係が地震学的に観測されている。これらの変化はブリッジマナイト-ポストペロブスカイト相転移に起因すると第一原理計算に基づく理論的研究から推定されているが,実験的には実証されていなかった。本研究ではブリッジマナイトとポストペロブスカイトの実験データに基づく状態方程式から密度とバルク音速の逆相関関係を導くことを目的として,これらの相に対してより正しい微分特性を与えるキーン状態方程式を決定した。それぞれの相に対する2つのキーン状態方程式から相境界条件における密度とバルク音速を決定し比較したところ,相転移により逆相関関係が説明可能であることを明らかにした。
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米田 明, 小林 真一郎, 鎌田 誠司
セッションID: R3-03
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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2011年頃からGHz音速測定法の開発に取り組んできた。GHz領域の超音波の波長は数μm程度であり、ダイヤモンドアンビル(DAC)で加圧した薄い試料の音速測定が可能である。最近、ようやくDACで挟んだ試料からのシグナル検出に成功した。P波だけでなくS波測定も進行中である。GHz音速法の現状と今後の研究計画について報告する。
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坂巻 竜也, 河野 義生, Wang Yanbin
セッションID: R3-04
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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超音波法を用いることで、圧力1.0~3.8 GPa、温度300~973 Kまでの条件下で月玄武岩の縦波・横波速度測定に成功し、その温度・圧力依存性を明らかにした。低圧下で測定されたアポロ回収試料(玄武岩)の結果と本実験の結果は整合的であった。また、月内部モデルで提案されているマントルの速度分布と比較すると、本実験で得られた高チタン玄武岩の弾性波速度は低い値を示した。つまり、マントル中に月玄武岩が存在することで低速度異常をもたらすことが明らかになった。
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池田 理, 坂巻 竜也, 大橋 智典, 後藤 雅久, 肥後 祐司, 鈴木 昭夫
セッションID: R3-05
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
会議録・要旨集
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地球内部の水の貯蔵に寄与する含水鉱物として,酸化水酸化鉄ε-FeOOHに着目した.ε-FeOOHの弾性的性質に関しては第一原理計算に基づいて低スピン状態のε-FeOOH(温度0 K)が研究されている(Thompson et al., 2017)が,低圧力側の高スピンε-FeOOHの弾性波速度は計算・測定されていない.本研究では高スピンε-FeOOHの弾性的性質を明らかにするために,SPring-8のBL04B1において弾性波速度-密度の同時測定を行った.川井型マルチアンビルプレスで高圧を発生させ,弾性波速度を超音波法とX線ラジオグラフィーを組み合わせて決定し,同時にGe半導体検出器で得たε-FeOOHのXRDから密度を算出した.その結果,圧力3.4~18.5 GPaまでの条件下で縦波・横波速度を得て.その圧力依存性を明らかにした.本研究で得られた高スピンε-FeOOHは,低スピンε-FeOOHの弾性波速度の理論計算値より約5 %遅い値を示した.またδ-AlOOHと比較すると実験圧力下で15 %程度低速度であった.地球内部にε-FeOOHが存在することで効率的に低速度異常をもたらすことが期待される.
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佐野 亜沙美, 服部 高典, 舟越 賢一, 阿部 淳, 町田 真一
セッションID: R3-06
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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Guyanite(CrOOH)は重水素化により格子体積が膨らむことが知られているが、高圧下ではその差は小さくなり、約4GPa近辺でDVがゼロに近づくことが報告された。本研究ではこの現象の起源を結晶学的な観点から明らかにすることを目的とし、常圧下でのCrOOHおよびCrOODの構造の比較を行うとともに、CrOODについてJ-PARC、MLF内BL11にて高圧下中性子回折実験を行った。
常圧下における比較では、CrOOHでは水素が二つの酸素間の中心を挟んだ等価な位置でディスオーダーしている一方、CrOODでは非対称な分布を示しており、重水素化により結晶構造が変化することが示された。DVは0.378(5) A
3と、以前報告された値とほぼ同等であった。一方、CrOODについての高圧実験では、6 GPa付近にて重水素がディスオーダーし、常圧下のCrOOHと同じ構造となることが確認された。発表ではギアナイトにおけるDVの複雑な圧力変化と水素結合の強さとの関連を議論する。
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市東 力, 岡本 啓太郎, 佐藤 勇輝, 渡邉 隆二, 大橋 智典, 渕崎 員弘, 栗林 貴弘, 鈴木 昭夫
セッションID: R3-07
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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δ-AlOOHに代表される変形ルチル型M
3+OOHの構造は,M
3+O
6八面体とO-H...O水素結合からなる.変形ルチル型M
3+OOHの特徴的な圧縮特性変化として,体積弾性率の増加と
a/
c,
b/
c軸率の変化を伴うstiffeningという現象が観測されている(Sano-Furukawa et al. 2012, Kuribayashi et al. 2014).本研究では,変形ルチル型構造をもつguyanaite (β-CrOOH)について温度圧力特性を調べ,
P-
V-
T状態方程式の決定を試みた.5 GPa,900 Kでguyanaiteを合成し,エネルギー分散型粉末X線回折実験を温度300-700 K,圧力0-6 GPaの範囲で行った.結果から
KT0 = 191±20 GPa,
α = (3.3±1.5)×10
-5 K
-1 という値を得た.常温での測定では,
a,
b軸が
c軸よりも圧縮しにくいということが確かめられ,Sano-Furukawa et al. (2012)と定性的に一致する.
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土居 峻太, 西原 遊, 鈴木 昭夫, 亀卦川 卓美
セッションID: R3-08
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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コーサイトは90 km以深の環境において大陸地殻の変形強度を支配すると示唆されている。しかしコーサイトの粘性率に関する先行研究はRenner et al. (2001) のみであり、その実験条件はGriggs型高圧変形装置の性能により4 GPa以下に限られている。本研究では高エネルギー加速器研究機構、PF-ARのNE7Aに設置された高圧変形装置を用いてコーサイト多結晶体のその場観察変形実験を行った。温度800-1200℃、圧力2-9 GPa、歪み速度10
-6-10
-4 s
-1の条件で変形実験を行った。圧力3 GPa付近では得られた定常応力はRenner et al.とよく一致する定常応力値が得られた。また定常応力の値は圧力の上昇とともに低下する傾向が見られ、このことは活性化体積が負の値を持つことを意味する。コーサイトの剛性率は圧力に依存せずほぼ一定の値を示すことが知られている。このことはコーサイトの結晶構造が圧力上昇に伴って変化したためと想像される。流動則における負の活性化体積もコーサイトの結晶構造の圧力依存性に関連している可能性がある。
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福山 鴻, 鍵 裕之, 井上 徹, 柿澤 翔, 新名 亨, 高畑 直人, 佐野 有司
セッションID: R3-09
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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コンドライト組成に対する地球の窒素の総量は、他の揮発性元素と比較して1桁以上、より枯渇していることが知られている (Marty, 2012)。これは“missing” nitrogenと呼ばれており、原因として、地球深部に窒素の貯蔵庫が形成されたことが実験的に示唆されてきた が(Li et al., 2013; Yoshioka et al., 2018)、下部マントルにおける窒素の貯蔵に関する理解は、現時点では十分ではない。
このような背景から、本研究ではGRCに設置されたマルチアンビル型高圧発生装置を使用し、下部マントル相当での高温高圧実験を行った。鉱物中の窒素の分析には、AORIに設置されているNanoSIMSを使用した。
一連の実験結果から、stishoviteおよびpericlaseに多くの窒素を取り込み得ることが示唆された。このことから、下部マントルではpericlaseが窒素貯蔵庫としての役割を果たす可能性がある。さらに、沈み込むスラブ中の堆積岩層は窒素とSiO
2に富んでいることから、stishoviteが地球深部へのキャリアーとして窒素貯蔵庫形成の役割を果たす可能性がある。
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川村 英彰, 大藤 弘明
セッションID: R3-10
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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C-H-O流体と共存した際のマグネサイトの安定領域を推定するために、マルチアンビル型高圧発生装置を用いて高温高圧実験を行った。実験結果よりマグネサイトは還元的なC-H-O流体と共存した際、10, 17 GPaそれぞれの圧力において800℃という低温条件で分解することが明らかとなった。これは炭酸塩が地球深部へ沈み込む主要な炭素源となる可能性が低いことを示している。
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赤荻 正樹, 今野 元気, 轟 隼人, 曽根 達也, 糀谷 浩
セッションID: R3-11
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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六方晶ペロブスカイト関連構造を持つ酸化物であるBaRuO
3とSrMnO
3の高圧相転移を17GPa、1400℃まで調べ、9R型から立方晶ペロブスカイト(3C)型へ順次転移する相関係を決定した。これらの結果に基づき、トレランスファクターと転移圧との相関を考察した。
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糀谷 浩, 野田 昌道, 井上 徹, 赤荻 正樹
セッションID: R3-12
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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MgSiO
3メージャライトは、主要マントル構成鉱物の一つであると考えられている、輝石成分を固溶した珪酸塩ガーネットの重要な端成分である。150 K以下での定圧熱容量はまだ実測されていなかった。このため、実測された熱容量に基づく標準エントロピーも未決定であった。そこで、本研究では、高圧合成したMgSiO
3メージャライトについて、2-306 Kの温度範囲においては熱緩和法を用いて、また300-700 Kの温度範囲においてはDSC法を用いて定圧熱容量を測定した。得られた定圧熱容量データは、550 Kより低温側で従来の報告値よりも誤差の範囲を超えて大きい値を示した。測定された熱容量データを用いて、298.15 Kでの格子振動寄与によるエントロピーは65.41(2) J/mol.Kと決定された。さらに、配置のエントロピーを加えることにより、標準エントロピーは68.9 J/mol.Kと求められた。従来の標準エントロピーの推定値は、過小見積りされていることが分かった。
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藤野 清志, 大藤 弘明
セッションID: R3-13
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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分析透過電顕は極微小領域の化学組成と構造を調べる上で強力な装置であるが,その化学定量分析法はまだ確立しているとは言い難い.こうした分析電顕における定量分析法の特徴と問題点について,議論する.信頼おける定量分析をするためには,k-factor と言うものを実験的に求める必要がある.この信頼のおけるk-factorを得るにはどのような点を考慮すべきかを,最近の分析電顕の分析方法である透過電顕モードでのスポット分析と走査透過電顕モードでのスポット分析及びエリア分析との関連で議論する.
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富岡 尚敬, 奥地 拓生, 宮原 正明, 藤野 清志, 入舩 徹男, 谷 理帆, 兒玉 優
セッションID: R3-14
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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カンラン石は圧力の増加に伴い、準スピネル構造のワズレアイト、スピネル構造のリングウッダイトに相転移することが知られている。MadonとPoirierは、隕石中のワズレアイト、リングウッダイトの面欠陥構造を元に、カンラン石多形間のトポロジー的解析を行い、これらの中間相であるイプシロン相の存在を予言した。最近我々は、透過電子顕微鏡観察により、強い衝撃変成を受けたL型コンドライト隕石中にイプシロン相を発見した。本講演では、上記に加え、新たにH型コンドライトと合成試料中に見出したイプシロン相の産状を紹介し、カンラン石多形間の相転移メカニズムを議論する。
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謝 龍剣, 米田 明, 肥後 祐司, 丹下 慶範
セッションID: R3-P01
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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The viscosity of the silicate melts under the corresponding pressures is one of the main physical parameters to control the magma ocean recrystallization processes. Here we report the
in-situ viscosity measurement of molten forsterite (Fo), enstatite (En), and diopside (Di) compositions up to ~30 GPa and ~3200 K by devising boron-doped diamond heater and ultra-fast cameral (1000 f/s) in the Kawai multi-anvil apparatus with synchrotron X ray facilities; the present achievement has much extended the previous experimental range up to ~13 GPa.
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興野 純, Kato Masato
セッションID: R3-P02
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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We report in situ high-pressure Raman spectroscopic study of katoite in a diamond-anvil cell under hydrostatic conditions from 1.3 to 8.3 GPa at room temperature. Three Raman bands at 332, 537 and 3652 cm
-1 were observed continuously up to 8.3 GPa. The most striking characteristic was that above 5.1 GPa the pressure derivative of the O-H stretching vibration of F
2g symmetry started to decrease significantly. The result leads to a proof that the phase transition of katoite to the high-pressure phase occurs at around 5 GPa.
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篠崎 彩子, 三村 耕一, 西田 民人, 中野 智志
セッションID: R3-P03
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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沈み込むスラブにおいて、有機物がどの程度の深さまで沈み込みうるのか、化学組成や分子構造がどのように変化するのかを明らかにすることは、全球規模での軽元素循環の解明のために重要な課題である。本研究では、堆積物中の有機物の主要構成物質の一つである芳香族化合物を対象として、スラブの沈み込みに伴う組成、分子構造の変化を明らかにするために深さ50 km程度までの沈み込み最上部に相当する<2.5 GPa, <300℃での外熱DACおよびピストンシリンダーによる高温高圧実験を行った。室温では0.4 GPa, 120℃では0.6 GPaで高圧相が観察された。さらに、250℃前後以上で徐々に試料室の様子が変化し、270-280℃で回折パターンが観察されなくなった。不可逆な化学反応が起きたと考えられる。ピストンシリンダー実験の回収試料の分析から、0.5/1.0 GPaでは250℃以上、1.5 GPaでは275℃以上で、フタラジン残留量の顕著な減少と、分解、重合反応による生成物が観察され、化学反応が起きた事が認められた。さらに回収試料のN/C比の顕著な低下が観察され、重合反応の際に、窒素が選択的に放出されることが示された。
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柿澤 翔, 井上 徹, 栗林 貴弘, 服部 高典, 佐野 亜沙美
セッションID: R3-P04
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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近年報告されたAlに富む含水bridgmantieの高圧下における粉末中性子構造解析を行った。出発物質には、あらかじめ愛媛大GRCにおいてマルチアンビル型高圧発生装置を用いて合成した重水素化したAlに富む含水bridgmaite(MgSi
0.92Al
0.08D
0.08O
3)を使用した。実験条件は0-17 GPa, 300 Kである。SiO
6八面体の平均結合距離は、Mg端成分(Sugahara et al., 2006)に比べ有意に大きく、MgO
8十二面体の平均結合距離は誤差内で一致していた。また、両者とも高圧下でも関係性は変化しなかった。これらの結果はSi
4+ ⇔ Al
3+ + H
+置換が起き、高圧下でもそれが維持されていることを示している。また、差フーリエ解析によって水素位置の決定を試みたが、水素位置の検出が可能であったのは9 GPaまでであった。それ以上の圧力下では、圧力媒体の固化により非静水圧状態になり、発生した差応力によって観察が困難になった。水素位置が予測されるO-O距離はすべてにおいてMg端成分より圧縮されやすい挙動が観察された。
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生田 大穣, 大谷 栄治, 河口 沙織, 平尾 直久, 大石 泰生
セッションID: R3-P05
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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本研究ではレーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルとその場X線回折法を用いて、Fe-Ni-Si系の3つの異なる化学組成の合金を試料としてその高温高圧条件下での相平衡観察実験を行った。我々は Fe
(0.94-x)Ni
0.06Si
x (
x = 0.10, 0.17, 0.26) の相平衡実験を125GPa、2800Kまでの温度圧力範囲で行い、1700K以上の高温条件においてB2相を含む複相に変化することを観察した。本研究では3つの異なる化学組成の結果の比較により、Fe-Ni-Si系の相平衡へのケイ素含有量の影響を報告する。またFe-Si系の先行研究との比較により、Fe-Si系にニッケルが含有されることによる影響を議論する。
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髙木 壮大, 一柳 光平, 犬飼 浩之, 川合 伸明, 野澤 俊介, 深谷 亮, 興野 純, 船守 展正, 足立 伸一
セッションID: R3-P06
発行日: 2018年
公開日: 2020/01/16
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We report static and dynamic high-pressure
in-situ X-ray diffraction study of 3 mol% Y
2O
3-doped tetragonal zirconia polycrystals (3Y-TZP). Diamond anvil cell and laser-induced shock were used as the high-pressure sources in static and dynamic high-pressure experiment, respectively. Result from the static high-pressure experiment under ambient temperature shows that 3Y-TZP transformed to orthorhombic-I phase at 10 GPa, then orthorhombic-II phase at 16 GPa. Under shock condition, obvious transformation didn’t occur, while XRD peak from monoclinic phase slightly appeared.
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