日本鉱物科学会年会講演要旨集
最新号
選択された号の論文の197件中51~100を表示しています
R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
R3:高圧科学・地球深部
  • 小野 重明
    セッションID: R3-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、高温高圧条件下での、炭酸塩鉱物の電気伝導度度のその場測定を試みた。地球上部マントル条件下で存在しうる炭酸塩鉱物は、主に3種類(マグネサイト、ドロマイト、アラゴナイト)である。これまで、合成した3種類の炭酸塩鉱物の測定を行ってきた。合成試料は、マグネシウムとカルシウム炭酸塩鉱物であったが、現実の地球内部に存在すると予想される炭酸塩鉱物には、鉄が固溶していると考えられている。そのため、本発表では、鉄の固溶効果を見積もるために、鉄を含んだ天然鉱物を用いた研究結果を報告する。
    実験出発試料として天然ドロマイトと天然マグネサイトの2種類を使用し、鉄を含まない合成マグネサイトと合成ドロマイトの測定データとの比較検討を行った。事前の予想では、鉄が固溶することにより、抵抗値が小さくなると思われていたが、測定値は、マグネサイトとドロマイトの両方においてその予想通りであった。また、温度と電気伝導度のアレニウスプロット図から、活性化エネルギーを見積もったところ、マグネサイトとドロマイトの間に予想していなかった違いが確認された。
  • 境 毅, 出倉 春彦
    セッションID: R3-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    地球のマントル最下部のD”層とよばれる領域の最上面の境界では地域によって密度が増加するもののバルク音速は低下するという逆相関関係が地震学的に観測されている。これらの変化はブリッジマナイト-ポストペロブスカイト相転移に起因すると第一原理計算に基づく理論的研究から推定されているが,実験的には実証されていなかった。本研究ではブリッジマナイトとポストペロブスカイトの実験データに基づく状態方程式から密度とバルク音速の逆相関関係を導くことを目的として,これらの相に対してより正しい微分特性を与えるキーン状態方程式を決定した。それぞれの相に対する2つのキーン状態方程式から相境界条件における密度とバルク音速を決定し比較したところ,相転移により逆相関関係が説明可能であることを明らかにした。
  • 米田 明, 小林 真一郎, 鎌田 誠司
    セッションID: R3-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    2011年頃からGHz音速測定法の開発に取り組んできた。GHz領域の超音波の波長は数μm程度であり、ダイヤモンドアンビル(DAC)で加圧した薄い試料の音速測定が可能である。最近、ようやくDACで挟んだ試料からのシグナル検出に成功した。P波だけでなくS波測定も進行中である。GHz音速法の現状と今後の研究計画について報告する。
  • 坂巻 竜也, 河野 義生, Wang Yanbin
    セッションID: R3-04
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    超音波法を用いることで、圧力1.0~3.8 GPa、温度300~973 Kまでの条件下で月玄武岩の縦波・横波速度測定に成功し、その温度・圧力依存性を明らかにした。低圧下で測定されたアポロ回収試料(玄武岩)の結果と本実験の結果は整合的であった。また、月内部モデルで提案されているマントルの速度分布と比較すると、本実験で得られた高チタン玄武岩の弾性波速度は低い値を示した。つまり、マントル中に月玄武岩が存在することで低速度異常をもたらすことが明らかになった。
  • 池田 理, 坂巻 竜也, 大橋 智典, 後藤 雅久, 肥後 祐司, 鈴木 昭夫
    セッションID: R3-05
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    地球内部の水の貯蔵に寄与する含水鉱物として,酸化水酸化鉄ε-FeOOHに着目した.ε-FeOOHの弾性的性質に関しては第一原理計算に基づいて低スピン状態のε-FeOOH(温度0 K)が研究されている(Thompson et al., 2017)が,低圧力側の高スピンε-FeOOHの弾性波速度は計算・測定されていない.本研究では高スピンε-FeOOHの弾性的性質を明らかにするために,SPring-8のBL04B1において弾性波速度-密度の同時測定を行った.川井型マルチアンビルプレスで高圧を発生させ,弾性波速度を超音波法とX線ラジオグラフィーを組み合わせて決定し,同時にGe半導体検出器で得たε-FeOOHのXRDから密度を算出した.その結果,圧力3.4~18.5 GPaまでの条件下で縦波・横波速度を得て.その圧力依存性を明らかにした.本研究で得られた高スピンε-FeOOHは,低スピンε-FeOOHの弾性波速度の理論計算値より約5 %遅い値を示した.またδ-AlOOHと比較すると実験圧力下で15 %程度低速度であった.地球内部にε-FeOOHが存在することで効率的に低速度異常をもたらすことが期待される.
  • 佐野 亜沙美, 服部 高典, 舟越 賢一, 阿部 淳, 町田 真一
    セッションID: R3-06
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    Guyanite(CrOOH)は重水素化により格子体積が膨らむことが知られているが、高圧下ではその差は小さくなり、約4GPa近辺でDVがゼロに近づくことが報告された。本研究ではこの現象の起源を結晶学的な観点から明らかにすることを目的とし、常圧下でのCrOOHおよびCrOODの構造の比較を行うとともに、CrOODについてJ-PARC、MLF内BL11にて高圧下中性子回折実験を行った。
    常圧下における比較では、CrOOHでは水素が二つの酸素間の中心を挟んだ等価な位置でディスオーダーしている一方、CrOODでは非対称な分布を示しており、重水素化により結晶構造が変化することが示された。DVは0.378(5) A3と、以前報告された値とほぼ同等であった。一方、CrOODについての高圧実験では、6 GPa付近にて重水素がディスオーダーし、常圧下のCrOOHと同じ構造となることが確認された。発表ではギアナイトにおけるDVの複雑な圧力変化と水素結合の強さとの関連を議論する。
  • 市東 力, 岡本 啓太郎, 佐藤 勇輝, 渡邉 隆二, 大橋 智典, 渕崎 員弘, 栗林 貴弘, 鈴木 昭夫
    セッションID: R3-07
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    δ-AlOOHに代表される変形ルチル型M3+OOHの構造は,M3+O6八面体とO-H...O水素結合からなる.変形ルチル型M3+OOHの特徴的な圧縮特性変化として,体積弾性率の増加とa/cb/c軸率の変化を伴うstiffeningという現象が観測されている(Sano-Furukawa et al. 2012, Kuribayashi et al. 2014).本研究では,変形ルチル型構造をもつguyanaite (β-CrOOH)について温度圧力特性を調べ,P-V-T状態方程式の決定を試みた.5 GPa,900 Kでguyanaiteを合成し,エネルギー分散型粉末X線回折実験を温度300-700 K,圧力0-6 GPaの範囲で行った.結果からKT0 = 191±20 GPa,α = (3.3±1.5)×10-5 K-1 という値を得た.常温での測定では,a, b軸がc軸よりも圧縮しにくいということが確かめられ,Sano-Furukawa et al. (2012)と定性的に一致する.
  • 土居 峻太, 西原 遊, 鈴木 昭夫, 亀卦川 卓美
    セッションID: R3-08
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    コーサイトは90 km以深の環境において大陸地殻の変形強度を支配すると示唆されている。しかしコーサイトの粘性率に関する先行研究はRenner et al. (2001) のみであり、その実験条件はGriggs型高圧変形装置の性能により4 GPa以下に限られている。本研究では高エネルギー加速器研究機構、PF-ARのNE7Aに設置された高圧変形装置を用いてコーサイト多結晶体のその場観察変形実験を行った。温度800-1200℃、圧力2-9 GPa、歪み速度10-6-10-4 s-1の条件で変形実験を行った。圧力3 GPa付近では得られた定常応力はRenner et al.とよく一致する定常応力値が得られた。また定常応力の値は圧力の上昇とともに低下する傾向が見られ、このことは活性化体積が負の値を持つことを意味する。コーサイトの剛性率は圧力に依存せずほぼ一定の値を示すことが知られている。このことはコーサイトの結晶構造が圧力上昇に伴って変化したためと想像される。流動則における負の活性化体積もコーサイトの結晶構造の圧力依存性に関連している可能性がある。
  • 福山 鴻, 鍵 裕之, 井上 徹, 柿澤 翔, 新名 亨, 高畑 直人, 佐野 有司
    セッションID: R3-09
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    コンドライト組成に対する地球の窒素の総量は、他の揮発性元素と比較して1桁以上、より枯渇していることが知られている (Marty, 2012)。これは“missing” nitrogenと呼ばれており、原因として、地球深部に窒素の貯蔵庫が形成されたことが実験的に示唆されてきた が(Li et al., 2013; Yoshioka et al., 2018)、下部マントルにおける窒素の貯蔵に関する理解は、現時点では十分ではない。
     このような背景から、本研究ではGRCに設置されたマルチアンビル型高圧発生装置を使用し、下部マントル相当での高温高圧実験を行った。鉱物中の窒素の分析には、AORIに設置されているNanoSIMSを使用した。
     一連の実験結果から、stishoviteおよびpericlaseに多くの窒素を取り込み得ることが示唆された。このことから、下部マントルではpericlaseが窒素貯蔵庫としての役割を果たす可能性がある。さらに、沈み込むスラブ中の堆積岩層は窒素とSiO2に富んでいることから、stishoviteが地球深部へのキャリアーとして窒素貯蔵庫形成の役割を果たす可能性がある。
  • 川村 英彰, 大藤 弘明
    セッションID: R3-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    C-H-O流体と共存した際のマグネサイトの安定領域を推定するために、マルチアンビル型高圧発生装置を用いて高温高圧実験を行った。実験結果よりマグネサイトは還元的なC-H-O流体と共存した際、10, 17 GPaそれぞれの圧力において800℃という低温条件で分解することが明らかとなった。これは炭酸塩が地球深部へ沈み込む主要な炭素源となる可能性が低いことを示している。
  • 赤荻 正樹, 今野 元気, 轟 隼人, 曽根 達也, 糀谷 浩
    セッションID: R3-11
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    六方晶ペロブスカイト関連構造を持つ酸化物であるBaRuO3とSrMnO3の高圧相転移を17GPa、1400℃まで調べ、9R型から立方晶ペロブスカイト(3C)型へ順次転移する相関係を決定した。これらの結果に基づき、トレランスファクターと転移圧との相関を考察した。
  • 糀谷 浩, 野田 昌道, 井上 徹, 赤荻 正樹
    セッションID: R3-12
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    MgSiO3メージャライトは、主要マントル構成鉱物の一つであると考えられている、輝石成分を固溶した珪酸塩ガーネットの重要な端成分である。150 K以下での定圧熱容量はまだ実測されていなかった。このため、実測された熱容量に基づく標準エントロピーも未決定であった。そこで、本研究では、高圧合成したMgSiO3メージャライトについて、2-306 Kの温度範囲においては熱緩和法を用いて、また300-700 Kの温度範囲においてはDSC法を用いて定圧熱容量を測定した。得られた定圧熱容量データは、550 Kより低温側で従来の報告値よりも誤差の範囲を超えて大きい値を示した。測定された熱容量データを用いて、298.15 Kでの格子振動寄与によるエントロピーは65.41(2) J/mol.Kと決定された。さらに、配置のエントロピーを加えることにより、標準エントロピーは68.9 J/mol.Kと求められた。従来の標準エントロピーの推定値は、過小見積りされていることが分かった。
  • 藤野 清志, 大藤 弘明
    セッションID: R3-13
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    分析透過電顕は極微小領域の化学組成と構造を調べる上で強力な装置であるが,その化学定量分析法はまだ確立しているとは言い難い.こうした分析電顕における定量分析法の特徴と問題点について,議論する.信頼おける定量分析をするためには,k-factor と言うものを実験的に求める必要がある.この信頼のおけるk-factorを得るにはどのような点を考慮すべきかを,最近の分析電顕の分析方法である透過電顕モードでのスポット分析と走査透過電顕モードでのスポット分析及びエリア分析との関連で議論する.
  • 富岡 尚敬, 奥地 拓生, 宮原 正明, 藤野 清志, 入舩 徹男, 谷 理帆, 兒玉 優
    セッションID: R3-14
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    カンラン石は圧力の増加に伴い、準スピネル構造のワズレアイト、スピネル構造のリングウッダイトに相転移することが知られている。MadonとPoirierは、隕石中のワズレアイト、リングウッダイトの面欠陥構造を元に、カンラン石多形間のトポロジー的解析を行い、これらの中間相であるイプシロン相の存在を予言した。最近我々は、透過電子顕微鏡観察により、強い衝撃変成を受けたL型コンドライト隕石中にイプシロン相を発見した。本講演では、上記に加え、新たにH型コンドライトと合成試料中に見出したイプシロン相の産状を紹介し、カンラン石多形間の相転移メカニズムを議論する。
  • 謝 龍剣, 米田 明, 肥後 祐司, 丹下 慶範
    セッションID: R3-P01
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    The viscosity of the silicate melts under the corresponding pressures is one of the main physical parameters to control the magma ocean recrystallization processes. Here we report the in-situ viscosity measurement of molten forsterite (Fo), enstatite (En), and diopside (Di) compositions up to ~30 GPa and ~3200 K by devising boron-doped diamond heater and ultra-fast cameral (1000 f/s) in the Kawai multi-anvil apparatus with synchrotron X ray facilities; the present achievement has much extended the previous experimental range up to ~13 GPa.
  • 興野 純, Kato Masato
    セッションID: R3-P02
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    We report in situ high-pressure Raman spectroscopic study of katoite in a diamond-anvil cell under hydrostatic conditions from 1.3 to 8.3 GPa at room temperature. Three Raman bands at 332, 537 and 3652 cm-1 were observed continuously up to 8.3 GPa. The most striking characteristic was that above 5.1 GPa the pressure derivative of the O-H stretching vibration of F2g symmetry started to decrease significantly. The result leads to a proof that the phase transition of katoite to the high-pressure phase occurs at around 5 GPa.
  • 篠崎 彩子, 三村 耕一, 西田 民人, 中野 智志
    セッションID: R3-P03
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    沈み込むスラブにおいて、有機物がどの程度の深さまで沈み込みうるのか、化学組成や分子構造がどのように変化するのかを明らかにすることは、全球規模での軽元素循環の解明のために重要な課題である。本研究では、堆積物中の有機物の主要構成物質の一つである芳香族化合物を対象として、スラブの沈み込みに伴う組成、分子構造の変化を明らかにするために深さ50 km程度までの沈み込み最上部に相当する<2.5 GPa, <300℃での外熱DACおよびピストンシリンダーによる高温高圧実験を行った。室温では0.4 GPa, 120℃では0.6 GPaで高圧相が観察された。さらに、250℃前後以上で徐々に試料室の様子が変化し、270-280℃で回折パターンが観察されなくなった。不可逆な化学反応が起きたと考えられる。ピストンシリンダー実験の回収試料の分析から、0.5/1.0 GPaでは250℃以上、1.5 GPaでは275℃以上で、フタラジン残留量の顕著な減少と、分解、重合反応による生成物が観察され、化学反応が起きた事が認められた。さらに回収試料のN/C比の顕著な低下が観察され、重合反応の際に、窒素が選択的に放出されることが示された。
  • 柿澤 翔, 井上 徹, 栗林 貴弘, 服部 高典, 佐野 亜沙美
    セッションID: R3-P04
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    近年報告されたAlに富む含水bridgmantieの高圧下における粉末中性子構造解析を行った。出発物質には、あらかじめ愛媛大GRCにおいてマルチアンビル型高圧発生装置を用いて合成した重水素化したAlに富む含水bridgmaite(MgSi0.92Al0.08D0.08O3)を使用した。実験条件は0-17 GPa, 300 Kである。SiO6八面体の平均結合距離は、Mg端成分(Sugahara et al., 2006)に比べ有意に大きく、MgO8十二面体の平均結合距離は誤差内で一致していた。また、両者とも高圧下でも関係性は変化しなかった。これらの結果はSi4+ ⇔ Al3+ + H+置換が起き、高圧下でもそれが維持されていることを示している。また、差フーリエ解析によって水素位置の決定を試みたが、水素位置の検出が可能であったのは9 GPaまでであった。それ以上の圧力下では、圧力媒体の固化により非静水圧状態になり、発生した差応力によって観察が困難になった。水素位置が予測されるO-O距離はすべてにおいてMg端成分より圧縮されやすい挙動が観察された。
  • 生田 大穣, 大谷 栄治, 河口 沙織, 平尾 直久, 大石 泰生
    セッションID: R3-P05
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではレーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルとその場X線回折法を用いて、Fe-Ni-Si系の3つの異なる化学組成の合金を試料としてその高温高圧条件下での相平衡観察実験を行った。我々は Fe(0.94-x)Ni0.06Six (x = 0.10, 0.17, 0.26) の相平衡実験を125GPa、2800Kまでの温度圧力範囲で行い、1700K以上の高温条件においてB2相を含む複相に変化することを観察した。本研究では3つの異なる化学組成の結果の比較により、Fe-Ni-Si系の相平衡へのケイ素含有量の影響を報告する。またFe-Si系の先行研究との比較により、Fe-Si系にニッケルが含有されることによる影響を議論する。
  • 髙木 壮大, 一柳 光平, 犬飼 浩之, 川合 伸明, 野澤 俊介, 深谷 亮, 興野 純, 船守 展正, 足立 伸一
    セッションID: R3-P06
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    We report static and dynamic high-pressure in-situ X-ray diffraction study of 3 mol% Y2O3-doped tetragonal zirconia polycrystals (3Y-TZP). Diamond anvil cell and laser-induced shock were used as the high-pressure sources in static and dynamic high-pressure experiment, respectively. Result from the static high-pressure experiment under ambient temperature shows that 3Y-TZP transformed to orthorhombic-I phase at 10 GPa, then orthorhombic-II phase at 16 GPa. Under shock condition, obvious transformation didn’t occur, while XRD peak from monoclinic phase slightly appeared.
R4:地球表層・環境・生命
  • 川野 潤, 豊福 高志, 長井 裕季子, 藤 昇一, 田中 淳也, 永井 隆哉
    セッションID: R4-01
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    水溶液中における鉱物の溶解メカニズムを理解することは、鉱物風化プロセスを明らかにするために重要である。私たちは、炭酸塩鉱物の無機的な溶解プロセスに伴う局所的なpH変化の様子を初めて可視化することに成功したが、そこで見られるpH変化はさまざまな反応や拡散の影響を受けるため、詳細なメカニズムの検討を行うには、pHに加えてより多くのイオンの振る舞いを明らかにする必要がある。本研究において、炭酸カルシウムの溶解におけるCa2+濃度変化の2次元可視化を行った結果、結晶表面直上のCa2+濃度はいったん急激に上昇し、その後下がることが明らかになった。表面直上のpHが溶解時に急速に上昇したのち、そのまま平衡に達することと考え合わせると、方解石の溶解過程においては、溶出した炭酸イオンがプロトンと結合して重炭酸イオンとなる反応が、重要な役割を果たしていることが示唆される。
  • 佐久間 博, 川野 潤, 田中 淳也
    セッションID: R4-02
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    カルサイト表面への有機分子の吸着・脱離は、結晶成長・石油の回収率増進・環境中の有害物質の除去を支配する要因となる。本研究では、カルサイトのへき開面{10.4}に吸着したステアリン酸(CH3(CH2)16COOH)の構造を三種類の溶媒中で観察し、溶媒の影響を考察する。表面X線散乱実験から、エタノール中でのステアリン酸吸着層の厚みは2.5 nmであり、単分子吸着していることがわかる。一方塩水中では5~7.5 nmの厚みを持つ吸着層が存在し、2~3分子層で吸着している。液中でのAFM観察から、ステアリン酸は島状に吸着しており、塩水中ではステアリン酸分子の親水基をカルサイト表面と塩水方向に向けることで安定化したと考えられる。また塩の種類(NaClとMgSO4)によって吸着構造がやや異なり、水だけではなく、塩が吸着構造に影響を与えている。これらの結果から、溶媒とステアリン酸の相互作用の影響もステアリン酸分子の脱離に重要であることが示唆される。
  • 甕 聡子, 富岡 尚敬, 兒玉 優, 川野 潤, 波利井 佐紀, 永井 隆哉, 渡邊 剛, 伊藤 元雄
    セッションID: R4-03
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    造礁サンゴは熱帯・亜熱帯の浅海に生息し、カルシウム炭酸塩の骨格を形成する。現在は骨格の構成鉱物はアラゴナイトのみであるが、白亜紀にはアラゴナイト骨格のほかにカルサイト骨格のサンゴが共存していたことが化石から明らかになっている。本研究では現生のサンゴ(Acropora sp.)がアラゴナイト骨格とカルサイト骨格をそれぞれ形成するよう人工的に飼育し、得られた骨格の結晶組織に違いがあるか観察した。
feedback
Top