最近,社会基盤施設において老朽化に伴うさまざまな不具合が現れてきているため,しっかりした維持
管理やメンテナンスシステムの構築とその効率的な運用が求められており,供用期間中において災害などで損傷するリスクを考慮したライフサイクルマネジメント(Life Cycle Management : LCM)の考え方が重要となってきている.一方,山岳トンネルは長い耐久年数を必要とする社会基盤施設であり,今後の社会情勢を考えると現在の施設のライフサイクルコスト(Life Cycle Cost : LCC)の最適化を図っていかなければならず,経年劣化などとともに自然災害などによる損傷リスクを考慮してその保有性能を考えなければならない.
そこで本論文では,寒冷地(北海道)の道路トンネルを対象として予防保全を基本として供用期間中の
自然災害による損傷リスクを組み込んだトンネル覆工の劣化予測モデルを提案し,実際のトンネル点検データと北海道における地震発生リスクにより提案手法の有用性を示している.
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