ジオシンセティックス論文集
Online ISSN : 1883-146X
Print ISSN : 1344-6193
ISSN-L : 1344-6193
18 巻
選択された号の論文の56件中51~56を表示しています
  • 篠田 昌弘, 米澤 豊司, 古関 潤一, 舘山 勝
    2003 年18 巻 p. 331-338
    発行日: 2003/12/04
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    補強土壁構造物における土や補強材などの力学的特性は,潜在的ばらつきを有している.これを定量的に評価することは設計上,重要な課題の一つである.しかしながら,従来の安全率を用いた設計法では,構造物がどの程度安全か把握しにくく,定量的な判断が難しい.設計用値のばらつきを考慮できる各種信頼性解析により,日本と北米の設計基準式を用いて壁高を変えた補強土壁構造物の常時および地震時の滑動モードと転倒モードついて検討を行った.解析の結果,設計基準式が異なると同一の構造物であっても各破壊モードの限界状態超過確率が異なることが分かった.また,信頼性設計法を用いることで設計用値のばらつきを定量的に且つ合理的に評価できることが分かった.
  • 鴇田 由希, 矢崎 澄雄, 舘山 勝, 篠田 昌弘, 龍岡 文夫, 内村 太郎
    2003 年18 巻 p. 339-346
    発行日: 2003/12/04
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    プレローディッド・プレストレスト(PL・PS)補強土工法は,ジオテキスタイルによる補強盛土に対して,壁面工構築前にプレロード荷重を作用させ,供用時にプレストレス荷重を保持して高剛性の補強盛土として変動荷重(列車)や偶発荷重(地震)による変形量の抑制を目指す工法である.地震時における耐震性も優れていることが実証されており,従来形式と比べて合理的で経済的な構造となる.このことから,橋台や橋脚等の各種の許容変形が小さい重要な永久構造物をこの方法で建設できる.しかし,これまで,PL・PS補強土工法を橋台や橋脚に適用する際の設計法が,十分に整備されていなかったことから,その普及が妨げられていた.
    そこで,この工法を橋台に適用した場合の,限界状態設計法を取り入れた具体的な設計手法を検討した.本論文では,これまでに検討・確立したPL・PS補強土橋台の設計法の概要と,試設計断面による具体的な設計例および従来形式橋台との設計結果の比較を報告する.
  • 宮田 喜壽, 重久 伸一, 木暮 敬二, 落合 英俊
    2003 年18 巻 p. 347-352
    発行日: 2003/12/04
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    高い要求性能を確保する場合や建設発生土を有効活用する際に,土質改良を併用した補強土工法の適用例が増加している.本研究では,土質改良を併用した場合の補強土効果について解析的に検討した.一連の解析では,改良土の粘着力と補強材の引張り強度を変化させた剛塑性有限要素解析を実施し,極限荷重,土要素の応力と補強材力の分布,そして変位速度場を比較した.その結果,改良土の粘着力が大きいほど,引張り強度の大きい補強材を用いなければ,補強効果を得ることができないことが明らかになった.また,引張り強度の大きさによって破壊メカニズムが変化することが明らかになった.
  • 矢崎 澄雄, 青木 一二三, 米澤 豊司, 篠田 昌弘, 舘山 勝
    2003 年18 巻 p. 353-360
    発行日: 2003/12/04
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    現地水平載荷試験によるセメント改良補強土橋台の挙動を設計的に再現することを目的として,レベル2地震動に対する検討手法である静的非線形解析による逆解析を実施し,本橋台の設計に用いた補強材ばねなどの設計パラメータの検証を行った.解析は,設計で用いられた解析モデルを基本として,水平載荷試験の計測結果のひとつである橋台変位をシミュレートすることで行った.また,有限差分法による同様の逆解析を実施し,静的解析により構築した現地橋台の解析モデルを用いて,地震時の動的挙動を推定するための動的解析を実施した.本論文は,これら解析結果について報告するものである.
  • 加賀 宗彦
    2003 年18 巻 p. 361-366
    発行日: 2003/12/04
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    土中に埋設されたジオテキスタイルに引抜き力が作用したとき,そのジオテキスタイルのひずみ分布を算出する力学モデルを提案している.今回は,この力学モデルを用いて補強土壁面の変形量を試算してみた.また,この力学モデルによる変形量を確かめるため,土槽を用いて補強土壁をモデル化した室内実験を実施し実際の変形量を求めた.結果として,室内実験による補強土壁面の変形量と力学モデルから得られた変形量はほぼ一致した.この結果は変形を考慮した補強土壁の設計法や極限状態での補強土壁面の変形量の試算に利用できることが示唆された.
  • 古関 潤一, 加藤 範久, 渡辺 健治, 舘山 勝
    2003 年18 巻 p. 367-374
    発行日: 2003/12/04
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    剛な一体型壁面を有する補強土擁壁と重力式擁壁の模型振動実験を重力場で実施した.支持地盤と背面地盤には密な乾燥砂を用いた.いずれのタイプの擁壁模型も傾斜しながら水平方向に滑動し,背面の無補強地盤にすべり面が生じた.これらの挙動に基づいて,すべり面が生じる前後でのモデル化を変えて,滑動成分と転倒成分に分けた擁壁変位の簡易計算手法を構築した.補強土擁壁と重力式擁壁では転倒成分の算定方法が異なり,補強土擁壁では補強領域のせん断変形を考慮する点が特徴的である.この手法による計算結果は,実験結果を良好に再現することができた.
feedback
Top