目的:医療と福祉の実践における、ネガティブケイパビリティ(以降NC)に関する海外文献レヴューによりNCの概要を把握し、精神看護における適用可能性を明らかにする。
方法:キーワードをnegative capabilityとし2022年7月時点の全期間の英文献をCINAHL completeとPubMedを用いて検索した。得られた論文10件とハンドサーチで2件の計12文献を採択した。
結果:12文献の学問領域は、精神医学をはじめ7領域に及んだ。NCは個別性の極めて高い人生や生活に密着し、長期的過程が包含されていた。また、心の状態、姿勢、態度と様々な表現がなされるが、知的な理解を保留し、異なる見方、ありよう、状況への寛容性を中核にしている点は共通していた。
考察:人生の過渡期における適応の危機に精神的問題が発生しやすく、NCを持ち、適切に発動する必要があることから、NCは精神看護に適用可能であることが示唆された。人を生涯発達し続ける存在として着目することで、さらなる知見の発見に至る可能性がある。
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