本研究の目的は、生活習慣病健診と歯周疾患検診の同時検診を実施する市町村の拡大を図ることをねらいとして、同時検診を実践している青森県B町保健師へのインタビューと青森県内の市町村保健師へのアンケート調査から、歯周疾患検診を生活習慣病健診に取り入れるための必要条件を明らかにすることである。市町村における同時検診の必要条件としては「事業予算の確保」「上司の理解がある」「歯科医師の協力体制がある」の3条件が特に重要であり、これらが満たされることによって同時検診が実施される可能性があることが推測された。また、人口規模の大きい自治体では、集団健診方式が基本となる同時検診の方法は実現しにくい側面はあるものの、人口規模の小さい自治体、特に、1万人未満の町村には、同時検診の実施を呼び掛けることが効果的であることが示唆された。