目的:一般就労からの離職を経験した精神障害者は、現在は就労することをどのように捉えているか、当事者の就労観を明らかにすることである。
方法:福祉的就労をしている精神障害者のうち、過去に一般就労を経験したことがある者10名に半構造化面接を実施し、質的記述的分析を行った。
結果:対象者は、就労することを【就労することで得られる自己の存在価値を実感したい】と捉えていた。これは、【一般就労で体験した困難と苦悶】を抱えながらも、【精神障害への理解とサポートが得られれば一般就労をしたい】と目標を持っているため、【福祉施設の心地よさの中で社会に出る基礎を作っている】ことから見出した。
結論:対象者は、就労することで得られる自己の存在価値を実感したいという就労観を抱いていた。仕事という社会的な役割を得ることで存在価値を実感し、社会へ精神障害の理解を求めつつ、一般就労に向けての準備を行っていたことが示唆された。
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