昭和50年9月に英国のロンドン, グリニチ, スオンジーにおいて, 地図に関する国際会議や英国地図学会の年次大会があいついで, 3週間にわたって開催された。地図史, 地図の機能および地図教育についてのそれぞれの会議, ならびにそれらのテーマが集約された英国地図学会大会, いずれもせいぜい100人前後か, あるいは20-30人の小さな会議であった。しかし, 今日の地図学の世界でかかえている大きな問題が全員討議の中で展開された。地図の過去をふりかえり, 将来を模索するということは, 今おかれている状況の深刻さを反映しているのかもしれない。バラ色の輝かしい飛躍に向かってのいろいろな試論なり, 提案が試みられた。たとえば, 英国地図学会大会は日程の重要な部分をさいて, 地図学とは, 地図専門家の役割とはといったテーマで全員参加のフリートーキングを行なった。以上の会議はまた来年に予定されているICA会議の準備打合せも兼ねていた。ところで, 9月は丁度日本では秋の新学期が始まったところでもあり, 全期間を通じて日本からの参加者は筆者のみとなった。本文で, これらの会議を通じて, ヨーロッパにおける地図の過去と未来についての話題を紹介する。
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