さいきん地図製作, とくに製図・印刷の分野でエレクトロニクスを利用する新しい技術の開発や改良が行なわれている。なかでも, その開発が注目されるものに電子印刷技術を地図印刷へ応用しようとする試みや, コンビューターの導入による地図製図の自動化などがあげられよう。前者はアメリカの海軍水路部や陸軍工兵隊のGIMRADAなどが実用的な研究をすすめており, なかでもGIMRADAはかなりの研究成果をあげているもよりである。また後者についてはイギリスの科学工業研究省援助による研究などのほか, アメリカの海軍水路部では, すでに一部実用化に成功している。
このように新しい技術を地図の製図・印刷の分野へ開発導入しようとする試みの中には注目すべきものがある。水路部でも多種少部数印刷という特殊性をもつ海図印刷の合理化をはかるため, この新しい電子印刷技術の導入に着眼し, 数年前から必要な実験装置を試作して, 海図印刷への応用研究に主眼をおいた研究をすすめている。これについてその概要を述べよう。
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