この論文で, 民間地図会社というのは, 商業的に地図を作成しているもののみを意味し, 地図を作っているが, 利益を追求しない学術機関や公共機関は含まない。ここでは, 民間地図会社を規模および作成している地図のレベルによって分類して調べている。とくに民闇地図会社に必要な独特の教育内容を説明するために, ある一つの会社を例にとって, そこでの個々の作業内容と必要な地図専門家が記され, この会社の調査・研究, 編集, 原稿作成, 地図デザイン, 製図, 製版, および企画と営業について考察がなされている。
民間地図会社の技術分野で必要な教育内容は, 公共機関などで必要とされるものと同じで, とくにかわった点はない。私企業において最も大切なことは, 営業の継続に必要な資金を繰り返し投入できるだけの売り上げを上げるために, 市場・顧客に受け入れられるような地図を作ることである。そのため, 地図会社は地図の作成コスト, および合衆国の経済の動向に特別の関心をもっている。
結論では, この業界は, ここしばらくの間は技術のすぐれた地図製図者, および伝統的な地図学とともに経営・管理についての教育を身につけた地図専門家が必要であるとしている。
抄録全体を表示