鋼橋に生じる疲労損傷を早期に発見するため,センサ技術を活用した疲労損傷の検知に関する研究が取り組まれている.その手法の 1 つとして,疲労損傷の発生および進展に伴う溶接部近傍のひずみ応答の変化から疲労損傷を検知する手法が考えられる.しかし,ランダムな活荷重が作用する供用中の実橋梁では,外力が一定では無いため,ひずみ応答の計測のみでは,疲労損傷の検知はできない.
そこで,本研究ではセンサ部に電力を必要としない圧電素子センサと,省電力かつ小型な MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサを組み合わせた,供用中の実橋梁においても適用できる簡易な損傷検知システムを検討した.実橋梁における計測結果より,MEMS 加速度センサを用いて得られた外力情報に基づき,圧電素子センサにて計測した応答から疲労損傷を検知できる可能性を示した.
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