廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
選択された号の論文の310件中101~150を表示しています
B3 建設廃棄物・無機性廃棄物の資源化
  • 林 聖蕾, 宋 萌珠, 高橋 史武
    セッションID: B3-8_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    本研究では石炭灰添加による土壌水分保持能への効果を評価した。リン酸処理や、キトサン、アルギン酸ナトリウム、グアニジン塩酸塩を用いた有機処理、及び両者の混合処理を石炭灰改良のため実行した。土壌(真砂土と赤玉土)、未処理石炭灰、処理済み石炭灰及び石炭灰を添加した土壌の水分保持能を、室温と40度にて乾燥実験から評価した。リン酸処理と有機処理は40度において石炭灰の水分保持能を増加させる効果があるのに対し、混合処理は石炭灰の水分保持能を減少させた。同じ様な効果は、石炭灰を添加した土壌でも現れた。4リン酸処理や有機処理した石炭灰を添加した土壌は、未処理石炭灰を添加した土壌より高い水分保持能を40度にて持ち、混合処理した石炭灰を添加した土壌は、水分保持能が減少した。石炭灰の添加による水分保持能への効果は、石炭灰処理方法や乾燥温度、土壌種類に対する依存性を示した。
  • 中島 和希, 上田 智幸, 成岡 朋弘, 門木 秀幸, 肴倉 宏史, 縄田 大輔, 井上 陽仁
    セッションID: B3-9_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    鳥取中部圏域における焼却灰リサイクルの実現に向け、最終処分場の上部に整備したヤードにおいて焼却灰のエージングを実施し、焼却灰中の鉛の安定化を図った。焼却灰のエージングにより、鉛の溶出量が減少し、県内リサイクル事業者が受入基準として設定している基準値を下回った。また、エージング期間は、60日程度以上が妥当と考えられた。今後は、焼却灰リサイクル製品が路盤材等として使われた後の安全性を確保するために、製品が基準を満たすことを確認するだけでなく、使用場所、使用量、環境安全性の情報を一元管理する仕組を設けることを検討する。
  • 筒井 祐貴, 石森 洋行, 建山 和由
    セッションID: B3-10_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    本研究では、焼却灰の自硬性に着目した土木資材としての有効利用を目指すため、焼却灰の一軸圧縮強さとその影響因子を明らかにした。 焼却灰や製鋼スラグに強度発現の要因となるエトリンガイトが含まれているか否かを調べるために、環境省告示第18号に従い溶出試験を行った。溶出液にエトリンガイト生成に寄与する物質(Ca、Al、SO4)を多く含むO焼却灰とK焼却灰の強度が大きく発現すると予想され、それらの供試体に対して一軸圧縮強さを調べたところ、O焼却灰とK焼却灰では材齢28日において一軸圧縮強さ194-429 kN/m2を発揮した。 溶出試験を行い溶出液の化学組成をみることで、エトリンガイトの生成に伴う焼却灰の圧縮強度を予測し得ることがわかった。
  • 門木 秀幸, 有田 雅一
    セッションID: B3-11_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    下水汚泥焼却灰からリンの回収技術であるアルカリ抽出法の工程を利用し、ホウ素吸着剤の合成について検討した。アルカリにより焼却灰からリンを抽出した後、Ca(OH)2またはCaSO4・2H2Oを用いて、リンをリン酸塩として析出させた。回収したリン酸塩析出物についてホウ素の吸着試験を行った。この結果、Ca(OH)2により回収したリン酸塩よりも、CaSO4・2H2Oで回収したリン酸塩の方がホウ素の吸着量は高かった。
  • 岡本 晃尚, 石森 洋行, 横山 隆明, 建山 和由, 釜本 英一
    セッションID: B3-12_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    道路地盤での液状化は下水管などの管路に多大な影響を与えるため、液状化対策が施された地盤材料が求められている。また、建設残土の処理などで発生する汚泥は、粒径が細かく力学的強度に劣るため、土木材料としての再利用が進んでいない。2つの課題を受けて、汚泥をそれよりも粒径の粗い鉱さいに混合することで、液状化対策に効果がある新たな改良土をつくることを目的とする。 本研究では、汚泥の配合率を全体に対して0~30%とした供試体6つを用いて突き固め試験と修正CBR貫入試験を行なった。その結果、汚泥配合率20%である供試体の強度が一番高いことがわかった。この結果を受けて、汚泥配合率20%の供試体と鉱さいのみの供試体の2つを用いて、液状化を模した振動実験を行うと、汚泥配合率20%の供試体は約1.7倍の加速度まで液状化しにくくなり、汚泥を配合することで液状化抵抗に優れた改良土を作製できることが明らかになった。
  • 奥田 哲士, 矢野 ひとみ, 片山 貴博, 中井 智司, 西嶋 渉
    セッションID: B3-13_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    製鋼スラグは大量に安定的に供給可能な産業副産物であり、過去の研究で干潟等の造設時の海砂代替材としての利用時の挙動が検討されている。しかし製鋼スラグの主成分は酸化カルシウムであり、水中で一部が溶出後、pH上昇や析出物生成に繋がる場合がある。析出物はスラグ同士の固着、固化に繋がり、製鋼スラグの有効利用の阻害となる可能性がある。固化はスラグの利用環境に影響を受けるため、本研究では製鋼スラグと水の接触時の反応と変化過程を明らかにし、析出物に及ぼす水質の影響を明らかにした。 

    今回用いた製鋼スラグの海水中での固化は、水中のマグネシウムイオンが関与しており、海水供給直後のスラグからのアルカリ成分の溶出に伴うpH上昇により、マグネシウムが水酸化物としてスラグ間隙に析出することに起因するものと考えられた。固化には炭酸カルシウムの析出によるスラグ間隙の閉塞も必要条件と考えられるが、加えてMgの必要性を明らかにした。
  • 宮脇 健太郎, 平井 克海
    セッションID: B3-14_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    不燃ごみの資源化施設から排出される不燃破砕残渣について、資源化のための組成調査および微細粒子の金属溶出特性について検討を行った。組成調査結果から、2mm以上の粒径区分では、95%程度がガラス分となり、粒状再生材料としての利用可能性が考えられた。また、2mm以下の粒径区分(0.5mm以下、0.5-1mm、1-2mm)について、溶出試験を行い土壌環境基準と比較した。0.5mm以下の粒子では、金属溶出のポテンシャルが確認された。またpH依存性試験も実施し、金属により影響が異なることを確認した。なお、pHの影響はさほど大きくない事が確認された。
  • 遠藤 和人, 中川 美加子
    セッションID: B3-15_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    廃石膏ボード由来の再生石膏に対する熱処理と有機物量の関係を明らかにし、再生石膏からの硫化水素ガス発生挙動の違いについて実験的に検討した。強熱処理により、含有される有機炭素量が有意に減少すると、硫化水素ガス発生ポテンシャルも減少することが確認された。350℃以上に加熱された再生石膏であれば、土壌と高配合率で混合したとしても硫化水素ガスの発生は観察されなかった。
  • 小泉 裕靖, 中谷 隼, 森口 祐一
    セッションID: B3-16_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    東京からの建設系廃棄物発生量は日本の10.3%に相当し、全国一位となっている。しかし、東京都内には産業廃棄物の最終処分場は極めて少なく、中間処理を含めて都外の施設に頼っているのが現状である。一方で、高度経済成長期を契機として整備が始まった大量の社会資本や住宅等が今後、寿命を迎えることから、建設系廃棄物の発生の増加が予想されている。産業廃棄物は広域処理が原則となっているため、東京から排出される建設系産業廃棄物が、将来、周辺へと拡散し、不法投棄や不適正処理の原因となることが危惧されている。本調査では、東京都から発生する建設系廃棄物のうち、発生量が多く、広域拡散した場合の影響が大きいと考えられる建設汚泥、コンクリート塊、アスコン塊、木くず、混合廃棄物の5品目について、現状の排出インベントリーを作成し、広域移動状況を整理したものである。この結果、中間処理については、一都三県内への移動がほとんどであるものの、最終処分については、他関東や東北への移動がみられ、特に混合廃棄物は一都三県以外で約4割が最終処分されていることが分かった。
  • 丹羽 忍, 飯田 憲一, 多田 達実, 神生 直敏, 松村 宇, 宮内 淳一, 廣田 誠一
    セッションID: B3-17_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    北海道内の建設混合廃棄物は、年間83 千トンの発生量に対して62 千トンが最終処分されており、他の産業廃棄物と比較してリサイクル率が低い状況である。
    本研究は、平成24年度に道内自治体へ提出された産業廃棄物管理票交付等状況報告書(以下、「報告書」という。)から、まず電子マニフェストから作成される由来建設混合廃棄物がおおよそ5圏域で移動している実態を明らかにした。この5圏域に建設混合廃棄物を高度に処理できる中間処理施設施設を設置することにより、どの程度最終処分量が減るのかシミュレーションを行った。その結果、建設混合廃棄物の最終処分率が79%から43%に低下することが見込まれた。
  • 宮内 淳一, 廣田 誠一, 丹羽 忍, 松村 宇, 飯田 憲一, 神生 直敏, 多田 達実, 鈴木 大隆
    セッションID: B3-18_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
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    北海道では、建設混合廃棄物が年間約83千t排出されており、この75%にあたる約62千tが最終処分され、再生利用率は19%に留まっている。北海道産業廃棄物処理状況調査結果調査報告書によると、建設混合廃棄物は他の廃棄物と比較して最終処分率が最も高くなっており、再生利用率の向上が求められている。建設混合廃棄物の再生利用率を向上させるためには、解体方法、中間処理場の立地状況や処理能力、収集運搬の方法、中間処理場・最終処分場の受け入れ体制やコストなど、排出から最終処分までの各工程の明らかになっていない現状を把握し、その改善策を検討しなければならない。本報告では、これらのうち、建設混合廃棄物の中間処理・最終処分コストと移動の実態を把握することを目的に調査を行った。結果、再生利用率の高い地域の中間処理料金に安価な傾向がみられること、建設混合廃棄物の移動は近隣の地域内であることなどが明らかになった。
B4 食品廃棄物・生ごみの資源化
  • 呉 佶鍾, 酒井 伸一, 矢野 順也
    セッションID: B4-1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    家庭、集団給食所などで発生する食品廃棄物(韓国は飲食物類廃棄物、日本は食品廃棄物と呼ぶが、ここでは包括的に食品廃棄物と称する。)は栄養分を沢山含んでおり、従来から食品廃棄物は家畜の飼料として使用されて来た。また、これは肥料の成分も含んでおり堆肥の原料としても使用できる。あるいは、食品の流通業、大型食堂、集団給食所などで販売されない食品はフードバンクに寄付され、福祉施設、無料給食所などで食品として有用に活用されている。韓国と日本は食品廃棄物の発生抑制、リサイクルを促進されるためにいろいろ対策を推進している。本研究では両国の政策と成果を比較・分析することでお互いに参考とすべき点を提示する。韓国は食品廃棄物と扱っていない食品副産物も視野に入れる必要があり、日本は最近、家庭から発生する食品廃棄物の分別収集とリサイクルを推進する自治体が増えているのであ互いに制度と経験を参考にすることが有効であろう。
  • 侯 博亜, 近藤 加代子, 工藤 亜実
    セッションID: B4-2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、比較的に遅れている分野である事業系生ごみについて、小口排出事業者の意思と行動を調査し、生ごみ資源化を促進する要因を明らかにするために、事業系廃棄物の割合が高い福岡市において、小規模の事業者である食品小売業と外食産業を対象に、2014年9月~10月に訪問留置法によるアンケート調査を実施した。その結果、生ごみ資源化に取り組む意思がない小規模な排出事業者であっても、条件次第では、協力することがあり得ること、業種と規模において、資源化の意義の認識や取り組む場合の重視する事柄に違うことがわかった。そして義務化されれば取り組むという業者の割合が一定あるとともに、資源化に取り組むにあたって回収方法・コストや地域の連携など具体的な問題への関心も一定存在した。小規模事業者の業種の特性を踏まえつつ、条件整備を進めていくことで資源化率の向上が期待される。
  • 金 相烈, 松村 治夫, 田中 勝, 大畑 ゆき
    セッションID: B4-3
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
  • 神保 有亮, 佐伯 孝, 天野 智順, 藤崎 進
    セッションID: B4-4
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、GISと国勢調査、経済センサス等の統計情報を用いて食品廃棄物の発生源及び発生量の検討を行い、富山県内における食品廃棄物発生量分布の把握を行った。
    県内における一般廃棄物系食品廃棄物の発生量は家庭系と事業系において、それぞれ、104,390t、42,456tとなった。発生量の分布は平野部の市街地等、人口が集中している地区を中心に発生していた。
    県内における産業廃棄物系食品廃棄物の発生量は、8,884tと推計された。その分布は全県的に広がっているものの、郊外において局所的に大量の食品廃棄物が発生している地区が見受けられた。また、産業廃棄物系食品廃棄物の発生量においては、産業廃棄物実態調査結果と本手法による推計値の間で差が見られた。この原因は、一部の企業における産業廃棄物の本来の区分と異なる取り扱いと、食品製造業以外の業種からも動植物性残さが排出されていたことによるものであった。
  • 楠部 孝誠
    セッションID: B4-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では今後の人口減少を踏まえ,さらなるごみ減量と資源の有効活用を考える上で,家庭系一般廃棄物に含まれる厨芥類(以下,生ごみ)の資源化,その中でも近年地域のエネルギー創出やFIT制度の導入等から注目されているメタン発酵を導入している具体事例を対象に施設建設の初期投資,消化汚泥の処理及び利用,メタン発酵原料の確保の3つの視点から資源化の条件を検証した。  その結果,規模が小さい自治体では生ごみ単独では十分な原料を確保することが難しく,汚泥施設の更新等に時期に合わせた下水や浄化槽汚泥と複合的が必要であり,中核都市規模では,ごみ収集頻度,民間資金の協力,消化汚泥の活用,ごみ焼却場との連動が必要になる。また,今後の人口減少を踏まえて,メタン発酵を含む資源化施設の効率的な運用とごみ焼却施設との関係性を見据えたごみ減量・資源化を検討しなければならない。
  • 坪田 潤, 松下 功, 長田 剛和, 木内 龍彦
    セッションID: B4-6_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    食品リサイクル法の施行により食品廃棄物のリサイクルが進んでいるが、飲料系の廃棄物である茶殻はそのままでは分解しづらく、高度な利用がなされていない。セルラーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼを組み合わせて、茶殻の葉脈骨格から柔細胞を剥離させたのちに、バイオガス化することを試滞留時間3.8日のメタン発酵槽でみたところおよそ60%がバイオガスとして回収できた。分離した葉脈骨格については、脱水、乾燥後、ボード化することで、建築資材として再利用する検討を行った。 茶滓ボードは、茶がらボードと比較し、はく離強さ、曲げ強さ、厚さ膨張率すべて改善し、茶殻の葉脈骨格を使用する優位性が明らかとなった。バイオガス化は廃棄物のオンサイト有効利用技術として有望であるが、固形部をボードにすることにより、建築資材として活用できれば、環境面でもコスト面でもさらに競争力のある新しい処理システムになると考えられる。
  • 五十嵐 弘樹, 沼田 靖, 田中 裕之
    セッションID: B4-7_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    現在、食品廃棄物の再利用を進めるために付加価値のある物を抽出、生産する検討がなされている。糖は食品廃棄物中に多く含まれており、化粧品の原料や機能性を持つ糖を抽出、回収する試みが行われている。そのプロセスにおいて抽出物の定量分析をその場で行う必要がある。糖の分析には高速液体クロマトグラフィーが用いられている。しかし、この方法では糖の種類により異なるカラムを選択する必要がある。そこで、その場でも適応できるより簡便な糖の定量分析法の開発が望まれる。その方法としてラマン分光法に着目した。本研究では、同一分子量の糖の定量分析を確認するためにグルコースとその立体異性体であるガラクトース、及びマンノースの同定と定量を行った。得られたラマンスペクトルは各単糖によって異なっていた。また、得られたピークから作成した各単糖の検量線は良好な直線性を示し、ラマン分光法による定量が可能であると考えられる。
  • 田中 美樹, 小西 那奈, 小林 周平, 可知 佳晃, 谷藤 尚貴
    セッションID: B4-8_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、廃棄物として捨てられている卵の殻の内皮である卵殻膜を有効にリサイクルすることを目指し、その過程において考案された燃料電池材料への応用を試みた。我々はこれまでに廃棄物の再生利用を目指した中で、卵殻膜の持つ特異的な性質に気づき、それを水の汚濁物質を除去するろ過剤にする試みを行ったことを始めとして発電装置や食品添加物への応用を検討してきた。その中で、卵殻膜の両側の表面に白金触媒をコーティングすると、燃料の添加によって化学反応は起こり起電が生じ、直接メタノール型燃料電池の電解質膜の様な挙動を示したことに、我々は強い関心を持った。そこで、卵の膜でできる燃料電池が動作した理由を考察し直し、膜を電極へ固定する方法を検討する等のシンプルな手法による改善や、膜の化学構造と吸着特性に着目した添加物を卵殻膜へ導入する等の条件検討を行い、発見当初に比べて性能を大きく向上させた燃料電池の作製に成功した。
B5 下水汚泥の資源化・堆肥化
  • 宮後 愛美, 田中 孝二郎, 田中 努, 戸苅 丈仁, 池本 良子
    セッションID: B5-1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    オキシデーションディッチ法を採用している小規模下水処理場では,発生する汚泥(OD汚泥)のメタン発酵可能成分量が少なく,採算が合わないためにメタン発酵技術が普及していない.OD汚泥に前処理を施しバイオガス量を増加させることでメタン発酵の高効率化が可能になれば,小規模下水処理場でのメタン発酵の普及が期待できる.これまでに,前処理として脱水したOD汚泥に連続式マイクロ波照射装置でマイクロ波を照射することで,バイオガス発生倍率が増加することを確認した.本研究では,バイオガス発生倍率を安定して維持するための指標となる要素を検討した.その結果,マイクロ波の投入エネルギーとバイオガス発生倍率に相関が見られなかったが,マイクロ波照射後のOD汚泥の温度とバイオガス発生倍率に相関がある可能性が確認できた.ゆえに温度を指標としてマイクロ波を照射することでバイオガス発生倍率を安定して維持できることが期待される.
  • 中尾 賢志, 西尾 孝之
    セッションID: B5-2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    リンとカリウムをリン酸マグネシウムカリウム(MPPまたはStruvite-(K))として下水汚泥分離液から同時回収する実験を模擬分離液を用いてベンチスケールで行なった。MPP生成には最低3 mMのリンが必要で,K:P比を3以上に保つ必要があることがわかった。電子顕微鏡(SEM)およびエネルギー分散型X線分光法(EDX)によりMPP結晶を確認した。鉄のMPP結晶生成阻害をSEM/EDX分析によって確認し,MPP生成は鉄濃度が0.2 ~0.5mMで阻害される可能性があり,下水汚泥分離液からMPPを得る場合,汚泥処理等で使用している鉄系無機凝集剤由来の鉄により,MPP生成が阻害される可能性があることがわかった。
  • 有路 恭丈, 高橋 岩仁, 伊藤 康介
    セッションID: B5-3
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,資源循環社会の形成を観点に上水汚泥、コンポスト化した下水汚泥など複数の廃棄物を利用した屋上緑化基盤材の検討を行った.また,近年,極めて高い繁殖力により地崩れや地盤沈下などの問題を引き起こしている竹資材も基盤材に使用し,その有効性を長期観測により検討した.その結果,竹粉末を基盤材に用いても,遅効的な養分供給が行われ施工から3年目まで追肥も必要なかった.また,竹粉末を配合した基盤材は,微生物が竹粉末に含まれる有機物をエサとして分解・増殖を繰り返しながら増殖した.これにより,N値の上昇もみられた.このことより竹粉末を用いることでも緑化基盤材は有効である可能性を見出した.
  • 酒井 謙二, 程 慧君, 朝倉 侑弥, 神田 晃佑, 田代 幸寛
    セッションID: B5-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    福岡県築上町では町内で回収したし尿を液肥化し,資源として循環的に活用している.本プロセスではし尿はエアレーター通気による好気条件下で,自家発酵熱および機械熱により高温状態で3週間程度の回分発酵により液肥へと変換される.本研究では、理化学特性と細菌群集構造の変化に注目し、この発熱型プロセスにおける複合微生物系によるバイオマス変換過程を解明することを目的とした。2年間にわたる実機の解析から,屎尿の自家発酵熱型の高温好気液肥化過程はその理化学的性状及び細菌群集構造変化は相互に関連しており,主に3段階のフェーズに分けられた.また,再現性のある発酵過程をとり,病原微生物フリーの特徴的な細菌から構成される液肥に変換されることが明らかになった。
  • 沼尻 祐奈, 西村 和之, 﨑田 省吾, 大森 誠紀 , 徳岡 誠人, 中島 大介
    セッションID: B5-6_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、余剰汚泥の肥料化の過程で好気性微生物の代謝により発生するMVOCsの分析を行い、発酵処理過程におけるMVOCsの消長を把握した。合わせて、発酵処理物から微生物を単離し、個々の微生物が余剰汚泥を代謝する過程で産生または分解するMVOCsを把握した。
     発酵処理過程で検出されたMVOCsは、副資材として杉チップを用いても竹チップを用いた場合であっても大きな違いは認められなかった。一方、発酵処理物から単離した微生物は、嫌気性雰囲気下と好気性雰囲気下で産生または分解するMVOCsが異なる傾向を示した。嫌気性雰囲気下で産生されるMVOCs量は、実際の発酵処理過程で検出される濃度と同レベルであったが、好気性雰囲気下で産生されるMVOCs量は、より高い濃度レベルであった。また、単離された微生物種によっては、同じMVOC成分を嫌気性雰囲気下では分解する一方、好気性雰囲気下では産生した。
B6 有機性廃棄物の資源化
  • 立田 真文, 山崎 淳司, 中橋 雅彦, 竹内 美樹, 加治 幸大, 小泉 英康
    セッションID: B6-1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    もみ殻は貴重なシリカ資源であり、もはや厄介物では無くなったことを繰り返し述べてきた1、2)。銅、亜鉛などにおいて、高品位と呼ばれる鉱床でさえも10%程度であるにも関わらず、もみ殻のシリカは20%含有されている。この事実からも、もみ殻はシリカを高濃度に含有する生物鉱山であると言える。このシリカを利用可能の状態でもみ殻から回収し、シリカ資材として様々な異分野へ提供することが目的である。そうすることで、もみ殻という日本人にとって完璧な再生可能エネルギー源からエネルギーを創成し、持続可能スマートエネルギーを利用するコミュニティーを分散型で構築していくことが可能になる。更に、水稲を生産するアジアの諸国と連携を計ることで、もみ殻の有効利用が更に進み、食文化に則した国際的なスマートエネルギー社会を協働でつくり上げることができる。
  • 赤木 孝太郎, 原田 浩幸, 岡崎 優, 藤東 築
    セッションID: B6-2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    製糖工場から排出される黒褐色の廃糖蜜は多くの難分解性有機物を含んでおり、メタン・乳酸発酵は処理後も着色が残り、また、オゾンなどの酸化剤は生産コストと手間が掛かる。本研究は廃糖蜜処理で一般的に入手可能、且つ鉄イオンと組み合わせることでラジカルの発生が見込める次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を用い、廃糖蜜の処理能を脱色と有機物の分解率で評価した。
  • 庄 智裕, 中嶋 幸子, 斉藤 政宏, 中嶋 昭博, 小倉 智
    セッションID: B6-3
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    資源枯渇や地球温暖化問題の対策として、再生可能な資源であるバイオマスの活用が社会的要請となっており、三井造船においても、環境負荷の低減や資源循環型社会へ貢献できる技術開発・事業に継続的に取り組んでいる。その一つとして、飼料化バイオガスプロセスを開発した。このプロセスは、食品残さを固液分離して、固形物は飼料化し、分離液はメタン発酵の原料として利用する。これにより、飼料化設備及び排水処理設備への負担を軽減するとともに、メタン発酵槽から発生するバイオガスを用いて発電を行い、固定価格買取制度(FIT)を活用して発電することで、事業性を向上させることができる。

     
  • 後藤 祐哉, 村橋 輝紀, 末津 和典
    セッションID: B6-4
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    福岡市においては、事業系一般廃棄物として発生する使用済み紙おむつは、年間約7,000トンと推計されており、その量は、事業系一般廃棄物の約3%を占めている。そこで福岡市では、使用済紙おむつリサイクルの事業化に向け、「事業系紙おむつリサイクル回収実証実験」を平成25年度に実施した。筆者らはその実証実験のうち、排出実態に関する調査を実施し、以下の内容が明らかとなった。
    ・介護施設、成人対象医療施設は1日あたりの排出重量が多く、乳幼児対象医療施設、保育施設に比べ、多量の紙おむつが排出される。
    ・介護施設、成人対象医療施設、保育施設の異物を含めた重量構成割合は、大便なしの紙おむつが80%程度であり、異物の混入割合は事業者の分別努力により1~2%と低い状況となる。
    ・紙おむつの種類を比較すると、介護施設、成人対象医療施設では「パッドタイプ」の紙おむつは量が最も多い。
  • 田中 賢治, 森 千夏
    セッションID: B6-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    緑化工に用いられている有機質資材は,短期的に堆積させたバーク堆肥や海外で採掘されるピートモス,ココピート等の有限資材が一般的となっており,国内の緑化資材の自給的資源の開発と有機質資材の性能向上が望まれている。本報告では,腐植物質の持つ能力に着目し,未分解の廃木材を原料として人工腐植酸の作製を行い,その手法を基にして未分解の廃木材に酸性処理を施し,時間経過に伴い腐植成分がどのように形成・変化するかを評価したものである。
  • 角田 雄亮, 杉元 耕平, 伊藤 拓哉
    セッションID: B6-6_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    羊毛の約94%がタンパク質であることに着目し、加水分解してアミノ酸を製造することで繊維廃棄物の有効利用率向上を図る。ただし、羊毛製品には化学繊維が混紡される場合が多く、除去する必要がある。そこで、加圧熱水処理することで羊毛のみ可溶化させ、化学繊維と分離する方法を考案した。その後、陽イオン交換樹脂を添加して加水分解させることで高濃度塩酸を利用した従来の加水分解よりも環境負荷を低減できる。ただし、加圧熱水処理では羊毛が過分解して加水分解効率が低下する可能性がある。本報告では羊毛の過分解を抑制した加圧熱水処理条件と加水分解効率向上条件について検討した。その結果、水溶性成分を順次排出しながら可溶化を行うことで過分解が軽減されることが判明した。また、加水分解効率を上昇させるためには酸点密度の高い陽イオン交換樹脂を選定し、反応槽内の陽イオン交換樹脂密度を上昇させることが有効であることが判明した。
  • 行本 正雄, 上野 薫
    セッションID: B6-7_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    中部大学恵那研修センターの近隣の間伐材を材料として、これらを有効利用するため、内部加熱・高速加熱が可能なマイクロ波加熱で炭化物を製造し、前処理により粒径0.25㎜以下の供試担体を準備した。これを模擬排水に質量比1%濃度添加し、室温25℃、110rpmで10日間培養してアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素の濃度を測定した。処理区として炭化物添加区/無添加区に有菌区/無菌区を加えた4処理区を設定した。実験結果から炭化チップに硝化菌が付着するこtおが確認された。炭化物の走査電子顕微鏡観察から細胞壁が薄く、細孔に不純物の付着や穴がなく、表面積が大きくなっており、吸着性能が向上し、模擬排水の浄化が確認できた。
  • 清水 瞭, 沼田 靖, 田中 裕之
    セッションID: B6-8_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    これまで廃棄物として処理されていた廃食用油を回収して、脂肪酸メチルエステルに変換し、バイオディーゼルとして軽油の代替燃料に利用する取り組みが増えている。しかし、バイオディーゼルには、酸化および熱安定性の問題がある。二重結合を持つ不飽和脂肪酸は化学的に不安定であり、様々な要因により変性を受けやすい。今回はエネルギーが高い紫外線を用いて、不飽和脂肪酸でありシス体のオレイン酸に様々な条件下で照射し、劣化の評価を行った。測定方法には多成分系試料の測定が可能であり、前処理が不要なラマン分光法を用いた。紫外線照射を開始すると、無色透明であったオレイン酸が黄色く変色し、不快な臭いを発していた。ラマン分光法により紫外線照射後のオレイン酸の測定を行うと、シス体の二重結合のピークが減少していた。これより、紫外線照射によりシス体の不飽和脂肪酸の劣化が生じていることを確認した。
  • 宮竹 史仁, 小川 ひかり, 小林 雅之, 藤本 達也
    セッションID: B6-9
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    堆肥化は好気性微生物へ効率的に空気を供給することで促進され、発酵期間の短縮にも繋がる。このため堆肥化施設では送風機を用いて空気の送風を行うが、この電気使用量が維持管理費の大半を占めており、大きな負担となっている。そのため本研究室では、堆肥の発酵状況に応じて供給する空気量を調節できる通気量自動制御システム(プロトタイプ)を開発し、消費電力の削減等を実証してきた。しかし、現場での実用化にはシステムを更に改良し、使い勝手を向上させる必要があった。そこで本研究では、改良を加えた制御システムの普及開発とその有効性を評価することを目的とした。その結果、消費電力は慣行区と比べて62%減少と高い省エネ効果を示し、且つ、プロトタイプと比べても13%減少するなどシステム向上が図られた。また本システムの導入により64%の温室効果ガス総排出量の減少や堆肥化反応速度の上昇が確認され、極めて良好な堆肥化反応を示した。
B7 バイオガス化・バイオ燃料
  • 加藤 利崇, 塩田 憲明, 竹林 徹也
    セッションID: B7-1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    あべのハルカスはグランドオープンから1年が経過し、メタン発酵装置も純粋に日々エネルギーを生み出している。本システムは、日本で初めて都心のビルの地下でメタン発酵を実現したこと、DSPの利用と厨芥のリサイクルを両立したこと、厨房除害設備との組合せにより小規模ながら経済的に実現していることが特筆すべき事項である。
  • 上原 伸基, 竹田 航哉, 内田 博之, 臼井 勝久, 杉原 英雄
    セッションID: B7-2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    防府市クリーンセンターは、混合収集された可燃ごみを機械選別し、メタン発酵原料としてバイオガスを発生させ、ボイラー主蒸気を過熱する熱源として使用する国内初の「ごみ焼却バイオガス化複合施設」である。
    2014年4月より運営を開始しており、運営期間中のバイオガス発生状況について確認したので報告する。
  • 渡邉 啓子, 上田 純子, 小山 光彦, 石川 加奈子, 伴 修平, 黒沢 則夫, 戸田 龍樹
    セッションID: B7-3
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    現在、淡水の池や湖において水草の過剰繁茂が世界中で問題になっている。除去した水草の処理方法として堆肥化や焼却が行われているが、処理過程で臭気が発生する、含水率が高い為に燃焼効率が悪く処理費用がかさむ、といった問題が存在している。そこでメタン発酵により水草を処理することで処理費用を軽減することが可能であると考えた。本研究では侵略的外来種として問題になっているオオカナダモをメタン発酵処理する際の適切な温度の検討ならびに各処理温度における微生物相の違いを見ることとした。完全混合型リアクターを用いて37、55、65度でメタン発酵を行った結果、平均メタン生成率は55度が最も高かった。 クローン解析の結果、各温度における微生物相は異なっており、温度が上がるにつれて種組成の多様性が低下した。得られた結果より、オオカナダモをメタン発酵処理する際の温度条件は上限55度にした方が良いことが明らかとなった。
  • 大貫 翔馬, 高橋 岩仁, 木科 大輔, 大森 将希
    セッションID: B7-4
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー


    本研究では廃棄物である生ごみを原料としてエタノール生成を行うことを目的としているが,既往の研究より模擬生ごみから一般酵母を用いて,エタノール生成を行ったところ,有機酸の蓄積によるpHの低下によりエタノール生成が阻害された。このため,本実験は酸性条件下でもエタノール生成が可能な菌株を得るため,分離培養および増殖代謝特性の検討をし,適正菌株の選定を行った。

    研究結果より分離培養の結果,活性汚泥の試料より10株,消化試料より16株の計26株の分離株が得られた。得られた菌株を培養した結果,A-8のエタノール生成量が最も高く,次いでA-6およびA-1で高い値が得られ増殖度合いでは、各菌株とも初期段階から増加がみられた。

    以上の結果から,A-8,A-6,A-1は酸性下における効率的エタノール生成菌株に成得る菌株であるといえる。
  • 冨山 茂男, 家山 一夫, 山田 一男, 木田 建次
    セッションID: B7-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    バイオエタノールは地球温暖化防止に寄与するガソリン代替燃料として国外で普及が進むが、食料資源が主原料であるため、近年は世界各国で非食糧であるセルロース系原料からの製造技術が開発されている。国内の有望なバイオマス資源である一般廃棄物は、平成25年度で約3,480万tで、うち70%の約2,430万tがバイオマスである。
    平成25~26年度のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業において、一般廃棄物5t規模におけるエタノール製造とメタン発酵による燃料化実証試験を実施した。その結果、一般廃棄物中の生ごみを77%、紙ごみを90%分別回収し、一般廃棄物重量あたり60L/t-wetのエタノールと、エタノール残渣重量あたり90m3Nのバイオガスを生成した。また、本技術を実用規模で採用した場合、従来の焼却発電と比較して3倍のエネルギー回収を達成できる試算となった。
  • 井上 貴仁, 金子 栄廣
    セッションID: B7-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    生物系廃棄物の多くは含水率が高く乾燥物は燃料として利用可能な程度の発熱量を有する。効率よく乾燥させることでエネルギー利用が可能となる。本研究では,静置した材料からの水分蒸発速度に温度が与える影響を調べた。また,効率よく乾燥させるための攪拌頻度の考察も行った。  異なる温度で蒸発速度を測定した。結果を各実験での気相相対湿度で補正し標準蒸発速度を求めた。この結果と温度ならびにその温度での飽和蒸気量との関係を調べたところ,標準蒸発速度と温度あるいは飽和蒸気量との間に直線関係があることが分かった。  また,材料を長時間静置すると表面付近で乾燥が進み乾燥速度が低下するので,適当なタイミングで攪拌することが乾燥速度を高く保つのに有効であった。しかし,攪拌頻度を必要以上に上げても乾燥速度が上がり続けるわけではないので,適正な頻度に設定することが重要と考えられた。
  • 田中 量也, 古崎 康哲, 石川 宗孝
    セッションID: B7-7_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    食品廃棄物のメタン発酵において、前処理に糖化・エタノール化を行うことの有効性を検討した。本研究ではエタノールを回収せず、そのままメタン発酵させることが特徴である。食品廃棄物中には炭水化物が比較的多く含まれることから、エタノール化を行うことでそれらが低分子化され、分解速度の向上が期待できる。また、エタノール化の過程で二酸化炭素が発生するため、メタン発酵での二酸化炭素の発生量を減らし、バイオガス中のメタン濃度を向上させることも期待できる。実験では容量800mLの中温メタン発酵槽で回分実験を行い、それぞれ模擬厨芥と糖化・エタノール化させた模擬厨芥を投入して比較した。結果として前処理系において、基質の分解が速まり、バイオガス中のメタン濃度で10%以上の向上が見られた。また、VFA阻害が起こるような高負荷条件においても、前処理系ではVFAの蓄積が抑制され発酵阻害が小さくなり分解が進んだ。
  • 尾末 光, 西村 和之, 﨑田 省吾
    セッションID: B7-8_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    高効率なメタン発酵プロセスの制御を目指して、メタン産生に関与する遺伝子に着目した発酵状態の把握を試みた。
     発酵槽内容物中のmcrA gene DNAの定量を文献から得たMethanoculles用のmcrA geneをターゲットとするプライマーセットにより定量PCR法を用いて定量した。COD負荷毎の実験の結果、mcrA gene DNA量が多い時にメタン収率は高くなった。発酵時間毎の実験の結果、発酵時間とともにメタン収率は増加し、やがて一定値となるが、初期に多量に存在したmcrA gene DNA量は、発酵時間と共に減収し、一定の値となった。これらのことから、メタンの産生の挙動は、mcrA geneDNA量の増減だけでは把握できないことが明らかになった。
  • 高菅 卓三, 倉谷 和代, 松下 正和, 中村 一夫
    セッションID: B7-9_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    環境省委託研究事業「車両適合性のある第二世代バイオ燃料利活用に向けた技術開発実証研究」として、接触分解技術、および水素化処理技術の組み合わせによる、開発実証試験を3カ年実施した。第二世代バイオ燃料は、FAMEと比べて酸化安定性などが大きく改善されて水素化処理により酸化安定性(PetroOxy、酸価、ヨウ素価など)が向上して規格を満足し、さらに有機酸も分解されていることを確認し、軽油と同等の品質であることを確認した。接触分解油では約290もの成分を同定した。水素化処理により、脂肪族オレフィンはiso-パラフィン類に変化、シクロオレフィンおよび芳香族類はナフテンに変化、ケトン類は、C=O結合の一部が還元されアルコール類に変化した。原料油の脂肪酸組成が変わっても、水素化油では炭化水素の組成に大きな違いは見られず、ほぼ同様の品質になることが確認された。バイオマス度は99%とほぼ理論値通りの結果であった。
  • 池永 和敏, 井上 貴博, 濱田 彩加
    セッションID: B7-10_Poster1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    バイオディーゼル燃料はカーボンニュートラルな軽油代替燃料として注目を集めている。その効率的な合成方法の開発は地球温暖化抑制に貢献できるため、近年特に重要な課題の1つとなっている。本研究において、BDFのマイクロ波合成に適した金属酸化物の探索を行った。
  • 香田 次郎, 中野 靖久, 釘宮 章光, 鷹野 優, 矢野 卓雄
    セッションID: B7-11_Poster2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    バイオディーゼル燃料(BDF)生産の多くはアルカリ触媒を用いて行われている。その多段階の水洗浄工程で未反応の油脂やグリセリンを高濃度に含んだ強アルカリ性の洗浄排水が排出される。BDF洗浄工程からの排水を植物工場における水耕栽培用の液体肥料の原料として再利用することを目的として,本研究では,BDF洗浄排水から液肥を作製し,植物の水耕栽培を行って生育に及ぼす影響を検討した。その結果から以下のことが明らかとなった。BDF洗浄排水は水耕栽培用の液肥として使用することができるが,液肥中の割合を高くすると,こまめな通気量の制御が必要となり,植物の生育が悪くなる場合があるため,BDF洗浄排水の割合を高くする場合には滅菌処理が必要であると考えられる。また,BDF洗浄排水を使用すると,pHが急激に変化して,こまめなpH調整が必要となるので,pH変動の少ない液肥組成を検討する必要がある。
C1 焼却・焼却灰1
  • 篠 靖夫
    セッションID: C1-1
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    東京都区部で稼働している清掃工場におけるごみ保有エネルギーの回収状況を運転関連データに基づき調べた。2013年度は、入熱30 907 TJの13.1%が電力に変換され、1.8%が有償外部熱供給された。東京都区部の清掃工場における近年の発電電力量増加の主因は、搬入ごみ低発熱量の上昇であることが示された。既存工場における発電端効率向上策のひとつとして運転モードの調整がある。
  • 西尾 聡, 安榮 健
    セッションID: C1-2
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    近年のごみ焼却施設は、地方自治体において「エネルギー(電力)供給施設」や「防災拠点」としての役割を担う重要な施設となってきている。その結果、小規模のごみ処理施設においても、ボイラ・タービンを備えた高効率ごみ発電機能を求められるケースが多くなっている。
    エコパーク阿南は、阿南市次世代エネルギーパークのサブ拠点として位置づけられ、ごみ処理における環境負荷の低減や資源循環型社会の形成を目的に建設された。96t/日の小規模施設ながら、蒸気条件、炉構造、排ガス処理システム等の工夫により、空気比1.40、発電効率12.2%の低空気比運転・高効率発電を達成し、さらに完全排水クローズドシステムとの両立も実現した。また、2炉運転時には売電を行い、1炉運転時にも安定した発電を実施している。さらに本施設は、埋立地で海岸沿いという立地条件から、「津波・浸水対策」についても特別に配慮した防災機能も有する施設である。
  • 橋元 篤志, 岩村 宗千代, 竹田 航哉, 臼井 勝久, 村田 英彰
    セッションID: C1-3
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    岸和田市貝塚市清掃施設組合殿と共同で実施した燃焼試験にて排ガス再循環(EGR)循環ガス量の増量ならびに焼却炉空気比の低減による焼却炉内温度の平滑化によってNOx低減効果を確認し所期の成果を得た。 また、炉内の燃焼を模擬し排出NOx濃度を予測する独自の燃焼解析により、燃焼試験の結果を評価した。その結果、燃焼試験にて適用したNOx低減手法の有効性を確認することができ、燃焼解析モデルがNOxの定性的な予測に有効であることを確認した。
  • 基 昭夫, 篠 靖夫, 鈴木 敏夫, 久保 顕一, 野田 達将, 木村 仁
    セッションID: C1-4
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    都市ごみ焼却炉二次燃焼室のボイラ水管耐火物終端上部の急速な減肉の原因を解明するために、燃焼ガス環境と水管表面温度の調査・解析を行った。管壁温度は燃焼ガス温度に連動して最大10℃の幅で変化している。減肉の著しい耐火物終端上部125mm付近は、管表面近傍燃焼ガス温度と管壁温度が最も高かった。また、この部位の水管表面には塩化物の結晶が生成していた。このような環境が腐食減肉に影響したとも考えられる。
  • 北川 勝, 山田 裕史, 曽谷 幸広, 鮫島 良二
    セッションID: C1-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    あらゆる廃棄物を処理できる焼却炉として開発した竪型ストーカ式焼却炉は、平成27年4月現在25施設33炉の稼働実績があり、一般廃棄物処理用としては4施設が稼働している。平成27年4月に竣工した長与・時津環境施設組合殿の熱回収施設「クリーンパーク長与」は27t/24h×2炉の竪型ストーカ式焼却炉であり、平成27年1月に試運転を開始、同年3月に性能試験を行い施設の性能を確認した。この施設の概要と運転性能について報告する。
  • 國松 俊佑, 前田 洋, 藤井 岳, 高岡 昌輝
    セッションID: C1-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、廃棄物の焼却主灰を埋立処分から有効利用へ転換することを目的として、ガスエンジンの排気ガスにより焼却主灰を高温・高濃度CO2雰囲気下で無害化処理するエージング促進技術の開発に取り組んでいる。これまでに2t/日規模のパイロットプラントを用いた実証試験において、鉛溶出量(環告46号試験:基準値0.01mg/L以下)および鉛含有量(環告19号試験:基準値150mg/kg以下)の基準値を満たすことを確認している。今回、4カ所の清掃工場から採取した焼却主灰について実証試験を行い、全ての清掃工場の焼却主灰について同一条件で無害化することができた。また無害化した焼却主灰を密粒度アスファルトコンクリートの骨材代替として有効利用することを検討し、細骨材、粗骨材それぞれで骨材に混合可能であることを明らかにした。また混合したアスファルトコンクリートの性能評価を行い、通常のものと同等の性能を確認した。
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