窒化処理した炭素鋼S45Cにおいて化合物層の結晶構造が平面曲げ疲労強度に及ぼす影響を評価した。化合物層をε相主体とした場合には,γ’相主体の場合よりも高い平面曲げ疲労限度を示した。疲労破壊の起点は,ε相主体の高応力側では表面となったが,それ以外の条件では全て内部起点となった。疲労限度に近い低応力側では内部起点となったことから,疲労限度には内部の物性値が影響することが示唆された。硬さや残留応力から求めた拡散層の局所疲労限度はε相主体の方がγ’相主体よりも高くなり,実験結果と一致した。
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