ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
41 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
ノート
  • ―ビスフェノール類に着眼した柔軟性をもつフォトレジスト材の開発―
    山﨑 博人, 安部 春菜, 藤井 雄大
    原稿種別: ノート
    2020 年 41 巻 4 号 p. 148-156
    発行日: 2020/07/10
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

    As we proceeded with the development of a novolac resin with flexibility and high lithography performance, we focused on adopting a linear polymer structure with few branched structures as used in a dry film resist. BisC/BMMB and (BisC/PY)/BMMB novolac resins with 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane (BisC) and/or a mixture of BisC and pyrogallol (PY) as the PhOH component and 4,4'-bis(methoxymethyl)-1,1'-biphenyl (BMMA) as the comonomer, i.e., novolac resins with bulky isopropylidene groups and rigid BMMB components in the molecular chain backbone, were studied. For both novolac resins, the Mw increased as the molar ratio of BMMB component increased. Though the maximum Mw of BisC/BMMB and (BisC/PY)/BMMB novolac resin soluble in aqueous alkaline solution was approximately 1500 and 3800, respectively, and the both dissolving rate for alkaline aqueous solutions (DR) were showed relatively slow, 0.03> (Å/s). BisC/Form and PY/BMMB novolac resins having liner polymer structure also investigate. The order of flexibility including them were BisC/BMMB novolac resin < (BisC/PY)/BMMB novolac resin≒BisC/Form novolac resin < PY/BMMB novolac resin. The difference in the flexibility of these novolac resins was found to be largely due to the formation of intramolecular hydrogen bonds. Both of BisC/BMMB and (BisC/PY)/BMMB novolac resins did not show good lithography ability.

報文
  • 植田 敦子, 松本 茂紀, 乾 祐巳, 牧野 竜也
    原稿種別: 報文
    2020 年 41 巻 4 号 p. 157-165
    発行日: 2020/07/10
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

    有機多孔質材料の一つであるレゾルシノール(R)とホルムアルデヒド(F)から作製される,クライオゲル(RFCG)の細孔径に及ぼす塩基触媒の影響を調査した。細孔径はRF クラスターの数密度とサイズのバランスによって変化するため,クラスターの形成過程の現象を紫外可視吸光測定と量子化学計算により推定し,初期反応で生成した多核体の重縮合によりクラスター形成が生じていることを明らかにした。さらに,多核体形成への塩基触媒の影響を反応機構から推定し,レゾルシノールのヒドロキシメチル誘導体からヒドロキシ基が脱離する反応では,カチオンによる生成熱の違いが表れることを見出した。カチオンの異なる塩基触媒を用いてRFCG を作製し細孔径を比較した結果,生成熱の順位と相関する結果を得た。これより,カチオンは多核体の生成率を変化させる役割を担っており,結果としてクラスターの数密度が変化し,細孔径に影響を与えると考えられる。

  • 桑田 康介
    原稿種別: 報文
    2020 年 41 巻 4 号 p. 166-173
    発行日: 2020/07/10
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

    著者はイソシアヌレート環を分岐点とした多分岐構造を導入することで,結晶性を落として汎用溶剤への溶解性を高めたアミドイミド樹脂を開発している。これまでに末端のカルボキシル基を利用したエポキシ硬化により,高い耐熱性を有すことを確認している。さらに,樹脂中の骨格を変化させることで,溶剤溶解型アミドイミド樹脂にさまざまな機能性を付与し,耐黄変性に優れ無色透明なアミドイミド樹脂や,光重合性を有し感光性レジスト材料に適用可能なアミドイミド樹脂,活性エステル構造を導入した低誘電アミドイミド樹脂を開発した。これらの樹脂特性および硬化物物性と樹脂構造との相関性を考察したので,ここに紹介する。

総合論文
  • ―エポキシ樹脂の高機能化のための一つの方向性―
    梶 正史
    原稿種別: 総合論文
    2020 年 41 巻 4 号 p. 174-182
    発行日: 2020/07/10
    公開日: 2020/08/15
    ジャーナル フリー

    利用分野の高度化によりエポキシ樹脂の高機能化が求められている。そのための方策として,エポキシ樹脂構造中への2 ~4 環の多環芳香族構造の導入を検討した。それらの剛直な構造と疎水性に富んだ構造により耐熱性,耐湿性および低熱膨張性の向上に加えて,その高い熱分解安定性に起因して難燃性が向上した。また,4,4’- ビフェニレン基等の剛直な棒状骨格を主鎖に導入した場合,耐熱性とともに破壊靭性が高くなることが確認された。多環芳香族構造の導入は,エポキシ樹脂の機能向上を図るうえでの有力な手法の一つと考えられる。

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