物理教育通信

190号目次

編集委員会

2023 年 190 巻 p. 2-
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_2

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2022年度APEJ夏期研究大会報告

林壮一

2023 年 190 巻 p. 3-7
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_3

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まずはやってみよう! 実験授業～問題演習中心授業からの転換～

今和泉卓也

2023 年 190 巻 p. 8-13
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_8

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本稿は、2022年8月に行われた夏期大会での企画講演「今、改めて授業における『実験』の意義を考える」における発表をもとにまとめたものである。生徒実験は、教員と生徒がともに自然界から学ぶことのできる、科学的思考を養ううえで必要不可欠な要素のはずである。にもかかわらず、生徒実験が盛んに行われているとは言い難い現状がある。実のところ、筆者も、教員になった直後の20代の頃からたくさん生徒実験を行っていたというわけではなく、積極的に生徒実験を取り入れ始めたといえるのは、30代半ばくらいからである（外部への発表等を行うようになったのも約7年前）。実験を積極的に行う教員というのは、“先天的”とは限らず、“後天的”であり得ることを、自分の経験を踏まえて述べる。少しでも多くの物理教員が「よし、やってみよう！」と思い立って、その結果、より多くの生徒たちが物理実験に触れるようになることを願って、本稿を執筆した。

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コロナ禍における大学の物理学実験－遠隔および対面との間でのICT活用－

匠正治，他

2023 年 190 巻 p. 14-19
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_14

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新型コロナウイルス感染症の流行下においても授業を継続していくために，福岡大学で開講している物理学実験では，ICTを活用する授業形態を導入した．感染状況が悪化した令和2年度は，既存の実験テーマを元にオンライン実験コンテンツを作成し，Web会議システムを使った同時双方向型の遠隔授業を実施した．令和3年度以降は，多人数クラスにおいて一部の実験テーマをオンライン実験テーマへと変え，BYOD (Bring Your Own Device) として講義室のWi–Fi経由で実施することにより，人員密度を減らした感染症対策を行いながら対面授業を継続した．ICTを活用したオンライン実験テーマの割合を適宜調整することで，対面授業での通常の実験テーマから，遠隔授業でのオンライン実験テーマまで，少しでも教育効果の高い授業形態を，感染状況に応じて切り替えて実施することが可能となった．

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実験評価に関する実践例

西村塁太

2023 年 190 巻 p. 20-32
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_20

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超高精度な光格子時計による東京スカイツリーでの相対性理論の検証実験

大前宣昭

2023 年 190 巻 p. 33-36
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_33

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18桁の周波数精度の光格子時計は、新しい1秒の定義の候補として期待されているだけでなく、超高精度な時空間情報を利用する社会への応用が期待される。我々は、18桁精度の光格子時計の可搬型装置を開発し、東京スカイツリーに設置し、地上と展望台の相対論的な時間の進みの違いを精密に測定した。従来の測量手法により重力ポテンシャルを評価し、アインシュタインの一般相対性理論にある重力赤方偏移の式の両辺が5桁目まで一致することを確認した。

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力のモーメントと仕事

西尾信一

2023 年 190 巻 p. 46-49
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_46

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力のモーメントの教科書での定義は「力×うでの長さ」であり，それは「回転のつりあいの実験結果」のみで説明される。しかし，力のモーメントの定義は，「作用点と回転中心を結ぶ方向に垂直な力の成分」と「作用点と回転中心との間の距離」との積で示した方が教育的であるし，その定義は仕事の原理から自然な形で導くことができる。また，生徒は「うでの長さ」という用語を，中学で異なった意味で理解している可能性があることに留意すべきである。

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物理教育における数式表現

右近修治

2023 年 190 巻 p. 50-60
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_50

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物理がわからない原因として，学習者の基本的な数学のスキル不足を挙げる教員は少なくない。それでは数学における数式に習熟していれば，物理で学習する数式が理解できるかと言われれば，必ずしもそうではない。それは，物理における数式と数学における数式とは異なるからである。物理は数学を利用して物理独特の数式表現を工夫し，これを活用して自然現象の観察・実験から物理理論を構築してきた。しかしながら多くの教員は，それゆえに初学者が直面する概念的困難に対して無自覚である。この小論では，物理独特の数式表現に焦点を当て，初等物理教育における対応について考える。

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自宅実験を課した光学分野のSTEAM教育

小川慎二郎

2023 年 190 巻 p. 61-64
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_61

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学校の理科の授業で学んだ内容を工学的な探究活動や表現活動につなげるSTEAM教育を持続的に生徒に提供できるプログラムを、中学理科の光学分野で開発した。このプログラムでは、授業前に家庭で試行錯誤して実験に取り組み、その結果を生徒や教員と共有した上で授業に参加するという方法を取る。このような取り組みにより、生徒・教員の授業への準備が可能となるだけでなく、理科で学ぶ内容への深い理解とともに、理科を学ぶことの有用感の向上を期待することができる。授業後のアンケート結果からも、上述した目的をおおよそ達成できるプログラムであることが分かり、今後他の分野にも広げていくことで新しい授業方法が確立できることが期待できる。

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ハネナイトボールはスーパーボールより痛い

増子寛

2023 年 190 巻 p. 65-67
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_65

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反跳しないボール（通称ハネナイトボール）と弾性的に反跳するボール（通称スーパーボール）を同じ高さから床に落とした時、スーパーボールが床から受ける力積は、ハネナイトボールが床から受ける力積の2倍になるが、それぞれのボールに作用する力の大きさの最大値は定かではない。スマートカートをばねと粘土を介してそれぞれ壁に衝突させることで、それらのモデル実験を行ったので報告する。

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2022年 APEJ 基本実験講習会・スマホ実験班報告

山本明利, 鈴木健夫, 伊藤貴史, 長倉健哉, 益田克行

2023 年 190 巻 p. 68-75
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_68

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　生徒の間にも広く普及しているスマートフォン（以下スマホ）を物理の授業に活用したい。中でもphyphoxは大変充実した統合型物理実験アプリケーション（以下アプリ）で、スマホの内蔵センサを活用した多種の実験が可能である。自宅でもできる「簡単個別実験」が新たな物理教育のフェイズを開く可能性がある。2022年7月の基本実験講習会では、「重力加速度の測定」「音響ストップウォッチによる音速の測定」「輪ゴムによるばね振り子の実験」を紹介した。生徒にはゲーム感覚で自ら興味を持って身の回りの自然を探求する習慣を身につけてほしい。

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最大摩擦力測定実験のやり方

市原光太郎

2023 年 190 巻 p. 76-78
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_76

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こんな問題，期末で出してみました ―両対数グラフの解析―

井上賢, 佐野浩史

2023 年 190 巻 p. 79-85
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_79

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コンセプトマップを生徒に作らせてみた

尾形総一朗

2023 年 190 巻 p. 86-87
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_86

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短時間実験動画と課題セットの作成

今井章人

2023 年 190 巻 p. 88-91
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_88

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第11回物理授業公開講座2022

石井登志夫

2023 年 190 巻 p. 101-108
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_101

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　8月18日，大宮高校にて公開講座を行った。生徒は三校から10名（うち物理基礎未履修6名，履修中4名），教職員は11名が参加した。テーマは「質量」で，重さ，重力，質量などの区別がつきにくい概念を整理することを狙って，1時間目は重力質量，2時間目は慣性質量を扱った。また，一人一台ずつクロームブックを用い，GoogleClassroomのアプリ群を活用することで，生徒間の意見交換を活性化することもめざした。

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第15回高校物理の授業に役立つ基本実験講習会報告

石井登志夫

2023 年 190 巻 p. 109-113
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_109

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　物理学会，物理教育学会との共催で「第15回高校物理の授業に役立つ基本実験講習会」を実施した。昨年はオンラインでの開催であったが，今年度は感染対策をしたうえで，麻布高校を会場にお借りし，実現することができた。本稿はその報告である。

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直交鏡の作製と反射率の測定

村尾美明

2023 年 190 巻 p. 114-115
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_114

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　光速測定時に反射鏡としてコーナーキューブリフレクターを用いると調整が楽である。教卓上で測定する場合、アクリルミラーで直交鏡を作製しても短距離なので、ほぼ平行に反射光が返り、調整が楽な反射鏡として使える。また、鏡での反射で光が弱まるのでその反射率を各種の鏡で測定してみた。

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予測推論と診断推論

石川謙

2023 年 190 巻 p. 116-119
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_116

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ある現象の理由を考える時に、それを引き起こす原因から現象の説明を試みるやり方と、現象から遡って原因を特定するやり方がある。前者が「予測推論（前向き推論）」で、後者が「診断推論（後ろ向き推論）」である。本稿では、2つの推論様式について簡單な紹介を行う。

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高校生の素朴な疑問（いまさら聞けない物理の問題）

高見寿

2023 年 190 巻 p. 120-121
発行日: 2023年
公開日: 2023/03/27

DOIhttps://doi.org/10.24594/apej.190.0_120

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