フラッシュ蒸発法による海水淡水化装置のプレート式凝縮器の新たな材料として特殊コーティングされたアルミニウム合金板を提案し,その伝熱性能と海水に対する耐腐食性の評価に関する研究を沖縄県久米島の海洋深層水および表層水を用いて行った.実験では,25 μm厚PEEK, 100 μm厚PEEK, WIN KOTE®膜で特殊コーティングされた3種類のアルミ合金板をプレート式熱交換器にそれぞれ組み込み,表層水および深層水を同時に流すことで熱交換を行い,その時の熱通過率を導出した.また,この熱交換器に5カ月連続で通水を行い,伝熱性能および腐食に関する評価を行った.その結果,熱通過率は25 μm厚PEEKが最も良い値を示した.また,連続実験の前後では,いずれのコーティングについても伝熱性能に変化は見られなかった.腐食については,WINKOTE®のみエロージョンによる剥離で海水による腐食が発生した.
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