本研究の目的は、中国の臨床看護職の専門職的自律性尺度the Nursing Activity Scale(NAS)の中国語版の信頼性・妥当性の検証をすることである。調査は中国の看護職640名を対象に、2004年8月と9月にNAS(1992年)を翻訳したNAS(1992年)中国語版の調査を実施した結果、テスト-再テスト法の結果Pearsonの相関係数は0.90、折半法でのPearsonの相関係数1回目0.77、2回目0.82と高い値であった。Cronbachのα係数は、1回目0.87、2回目0.90と高い信頼性が認められた。妥当性では、基準関連妥当性としてHead Nurse Scale(HNS)と職務満足度との相関が得られ、構成的妥当性でもNAS総得点と全項目間に有意差があり相関関係が認められた。さらに、本研究にてはじめてNASの因子分析もおこなった。その結果、5因子が抽出され「看護専門職としての新たな活動の開始」「看護専門職としての活動の展開」「看護専門職意識に基づく判断」「看護専門職としての責任」「看護専門職としての活動の改善」と命名した。以上の結果から中国語版NAS(1992年)の信頼性・妥当性は確保され、臨床看護職の専門職的自律性を測定する尺度として使用基準をみたしていることが明らかになった。
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