外泊や面会が奨励されている都立北療育医療センターの療育病棟を対象に、肢体不自由児施設における入園児童と家族との交流の状況を、「外泊(一時帰宅)」実行の頻度を指標として検討した。毎週末の外泊がほぼ実行されているものを外泊良好群、それ以外を外泊阻害群として、両者の属性や家庭環境を比較したところ、阻害群では(1)父が主に介護 (2)両親の離婚や母の病気・死亡などにともない養護問題が発生 (3)入園経路が家庭以外 (4)社会的理由による入園 (5)在園期間が長いなど、主として家族・家庭環境および入園をめぐる状況において良好群と有意な差があった。児童の側の特性では、問題行動を有する者が有意に多かったが、移動能力や言語能力、障害の状況や健康状態など介護の困難さに影響しそうな項目について、良好群との間にほとんど差がなかった。日常生活動作(ADL)の自立度は、阻害群の方が高かった。外泊が減り、家族との交流が希薄になると、家庭復帰も困難になる傾向がみられた。家族との交流支援策としては、(1)まず第一に家庭復帰を念頭において、家族への技術的、精神的、物質的サポートをいっそう強化するとともに、(2)外泊や家庭復帰を望めない児童が、家族と交流しながら施設で暮らしていくため、肢体不自由児施設においても生活保障の機能を向上させる必要がある。また、(3)すでに家族との交流が途絶えてしまった児童のために、障害児里親制度の拡充・活性化もはかられるべきである、などがあげられる。
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