テレビジョン学会誌
Online ISSN : 1884-9652
Print ISSN : 0386-6831
ISSN-L : 0386-6831
43 巻, 10 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 安田 浩
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1011-1019
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 隆弘, 小松 隆, 原島 博
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1020-1027_1
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    従来の画像のベクトル量子化法では, 量子化演算量とコードブックメモリー量との制約により, ブロックサイズの拡大が困難となり, 充分な圧縮率が得られていない.本論文では, 自己組織型リストをインデックスの符号化やコードブックの管理に導入することによって, ブロック間の相関や冗長性を符号化の際に利用する4種類の新たなベクトル量子化法を提案している.すなわち, まず, ベクトル量子化インデックスを自己組織型リストを用いて符号化する方式と, 量子化出力ベクトルの探索および符号化に自己組織型リストを用いた自己組織ベクトル量子化法とを基本方式として提案した.さらに, 自己組織ベクトル量子化法を発展させた方式として, DPCM符号化によるコードワードの追加登録機能を付加した方式と, 低次元のコードワードを複数連結して高次元のコードワードを生成する機能を導入した方式とを提案した.また, これらの方式の有用性をシミュレーションにより確認している.
  • 山根 延元, 森川 良孝, 浜田 博, 福井 章人
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1028-1036
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    離散コサイン変換 (DCT) による画像の高能率符号化法のうちで, 各DCT係数をMaxの量子化器により固定長符号化するゾーン符号化は, 充分な符号化特性が得られていない.本論文では, DCT-ゾーン符号化の特性改善法として各DCT係数毎にM変換を施す方法を提案する.一般にDCTの交流係数は, Max量子化器で量子化する場合, 大きいひずみ電力を生ずる裾野の広い振幅分布をとる.本方法はM変換を用いて, この振幅分布をガウス分布に変換することにより量子化特性の改善を図るものである.同時に逆M変換により符号化ひずみがランダムに拡散されるため, 視覚的妨害の大きい輪郭部分の符号化ひずみの発生を抑圧できる.種々の画像に対するシミュレーションにより非適応符号化および適応符号化共に, これらの特性改善が得られることを明らかにする.さらに, M変換に要する処理演算量の増加はわずかなものですむことを示して, 有効性を示す.
  • 斎藤 隆弘, 岸本 洋一, 小松 隆, 原島 博
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1037-1045
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    直交変換画像符号化において, 正規化後の変換係数は球対称分布に従うとモデル化し得る.球対称分布に対しては, 量子化代表点が同心超球面上に整列する量子化器は計算量および量子化性能の観点から優れた性能を示す.Bergerらにより導入された順列符号は, このような性質を有しており, 量子化に乗算を全く必要とせず, 高次元での量子化が可能である.しかし, 低次元あるいは高レートでは, 他の量子化法に対する優位性を保証し得ない.また, 高次元では符号語数が膨大となり, インデックス符号化に非現実的な高演算精度が要求される.そこで, 上記の問題に対処するため, 順列符号の概念を拡張して改良型順列符号を導入し, さらに, 演算桁数を制限した整数演算のみで実行可能, かつ, 符号化損失をほとんど生じないインデックス符号化アルゴリズムを構成した.また, 改良型順列符号が, 高シーケンシーの離散コサイン変換係数の量子化に有効であることを, シミュレーションにより確認した.
  • 小池 淳, 金子 正秀, 羽鳥 好律
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1046-1055_1
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    動画像を低ビットレートで符号化するために有効な方式のひとつに, 動き補償フレーム間予測と直交変換とを組合せたハイブリッド符号化方式があり, 活発な研究が行われてきている.しかしながら, 動き補償フレーム問予測誤差信号 (MC誤差信号) に対する直交変換の効率については, 従来あまり検討がなされていない状況にある.本論文では, 典型的なテレビ会議画像に対して動き補償フレーム問予測誤差信号の性質および各種直交変換の効率について比較, 検討を行った結果を述べる.まず, 効率比較のための尺度として, エントロピー, 平均2乗誤差, 相関性の削減率の定義について述べる.次に, フレーム内 (静止) 画像信号に対して, 各種直交変換の効率を上述した尺度を用いて検討し, DCTが最も良い効率を与えることを示す.次に, MC誤差信号に対して, KLTの基底関数を求めると同時に上述の尺度を用いて効率比較を行い, DCTがKLTに最も近い効率を与えることを示す.最後に, 各種直交変換をハイブリッド符号化方式に適用してシミュレーション実験を行い, DCTが最も高いS/Nを与えることを示す.
  • 山口 昇, 伊東 晋, 木原 良彦, 宇都宮 敏男
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1056-1064
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    画像データベースなどを対象とした高能率な段階的符号化方式を提案する.第1段階では, 4×4画素ごとの平均値により構成された縮小画像を適応的DPCMにて符号化する.第2および第3段階では, 前段階での再生画像を補間フィルタにより縦横共に2倍に拡大した後, 段階間の補間残差信号を適応的にアダマール変換符号化する.この補間フィルタは乗算が不要な簡易なものであるが, 単に平均値を分離した場合に比較して, 補間残差信号電力を約2dBも低減することができる.また, 各段階に対して適切な符号化歪みの設定値を与えることで, 多段階化に伴う性能劣化を防止している.本方式では, 乗算の少ない簡易な符号化処理を採用しているにもかかわらず, 優れた符号化特性 (SIDBAのGirlでは0.989b/pelで37.1dB) が達成されることを示した.さらに, 本方式に軽微な変更を加えるだけで, 指定レートでの符号化が精度良く実現されることを確認した.
  • 井上 誠喜
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1065-1071
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    筆者らは, 画像データベース用符号化として, 原画像を検索用索引画像データと, それを補完して本来の大きさの画像を品質良く得るための補完データとに分離して2階層に符号化する方式 (2階層符号化法) を提案しているが, 本稿では, この符号化法を実際のカラー写真ファイルシステムに適用する際の検討事項について述べる.カメラから取り込んだカラー写真画像をもとに, 2階層符号化の符号化特性を調べ, 妥当な閾値を決定した.さらに, 復号器を組み込んだ実験システムを開発し, 検証した.本方式をカラー写真ファイルシステムへ適用することを目的に, ディスクーメモリー間の高速データ転送, 管理テーブルによる可変長符号データの管理, パイプライン方式によるハードウェア復号などについて検討・工夫した結果, 4枚/秒の索引画像表示, 1~2秒の原画像復元など, コンパクトながら操作性の良いシステムが構築できることが明らかとなった.
  • 上倉 一人, 茨木 久, 渡辺 裕
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1072-1078_1
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    蓄積に適した動画像符号化の一方式として, 周期的フレーム内符号化を用いた蓄積メディア用動画像符号化方式を提案した.この符号化方式は, フレーム内符号化を周期的に行うことにより, 再生専用型の蓄積メディアに動画像を効率良く蓄積するとともに, データ読出し速度を変えることなく高速再生等の特殊機能を実現できる.まず, 本方式におけるフレーム内符号化間隔について検討した.次に, フレーム内符号化とフレーム間符号化とのフレーム当たりの符号量比を適切にした.また, 本方式ヘフレーム駒落しおよびフレーム内挿を導入することにより, 再生画像品質が向上することを示した.さらに, 高速再生実現のためにフレーム内符号化部分に階層符号化の導入が必要であることを明らかにし, 階層符号化の導入によって通常再生時の符号化効率が若干低下するものの, 高速再生は充分実用的となることを示した.
  • 大沢 秀史, 加藤 茂夫, 安田 靖彦
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1079-1086
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    ISOおよびCCITTでは, 将来の新しい画像通信サービスを指向した2値画像符号化方式の国際標準化作業を進めている.これによれぼ, 方式が満足すべき必須条件として, (1) 段階的表示が可能であること, (2) 最終段階では原画像が劣化なしに復号できること, (3) MMRと同等以上の圧縮性能を持つこと等が定められている.このような観点から本稿では, 投影法を用いて2値画像を階層化構成とし, 符号化には算術符号を用いたマルコフモデル符号化を行う新たな2値画像の高能率符号化方式を提案する.本文では, 投影法に可変パラメータを導入することにより途中段階での画質制御を可能とし, さらに, 縮小変換時に生じる細線消失を防止する処理を加えて画質改善を図っている.シミュレーションの結果, CCITTの8枚のドキュメントに対して, 算術符号を用いた場合, MMRに比べ約80%程度の符号量で符号化が可能であることを明らかにした.
  • 会津 昌夫, 高木 幹雄
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1087-1092
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    印刷用ディジタルカラー画像のデータ圧縮において, 主に蓄積用途で要求される圧縮データの任意座標アクセス性を有する圧縮アルゴリズムの開発を目的として, 領域適応型ベクトル量子化法を提案した.シアン, マゼンタ, イエロー, ブラックの4色1画素を4次元ベクトルとみなし, n×n画素のブロックを単独の画像とみなして各々4次元ベクトル量子化を行う方式である.このとき, 圧縮効率を左右するブロックごとの量子化レベル数決定法を3種類実験し, 性能評価を行った.実際の印刷用カラー画像でシミュレーションを行い, 圧縮率1/9のとき約28dBの性能であった.この方式によれぼ, 任意の座標値に対応するコードをアクセスでき, それを含むブロックのコードブックを参照するだけで任意画素の復元が可能である.
  • 近藤 哲二郎, 藤森 泰弘, 矢田 敦雄, 高橋 健治
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1093-1099_1
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    民生用ディジタルVTRにおける画像圧縮方式は, VTRとしての特殊再生機能・編集機能等から来る制約条件を満足し, しかも, 民生用としてのロバスト性を持ったものでなければならない.これらの条件を満たすものとして, ADRC (Adaptive Dynamic Range Coding) を開発した.ADRCは, 画像の持つ局所的特徴としてブロック内ダイナミックレンジを定義し, 主にレベル方向の冗長度を適応的に除去するもので, 空間方向のエラー伝播が少なく, VTRへの応用に適した方式である.また, ADRCはダイナミックレンジに適応してビット割当てが決まるので, エンコードでの発生情報量の制御が容易で, VTRの特殊再生機能も実現できる可変長符号化方式となっている.ディジタルコンポーネント信号の圧縮シミュレーションを行い, 25Mb/sで良好な復元画像を得ることを確認した.
  • 田崎 三郎, 加地 聡, 山田 芳郎, 大沢 寿
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1100-1105
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    多値記録は2値記録に比べて同一帯域でより多くの情報を記録できる利点がある.多値符号には物理的に多値レベルで記録を行う符号と, 2値符号と同様に2値レベルで記録を行う符号とがある.前者の場合, 振幅マージンを充分に取れないシステムにおいて問題が生ずる.これに対してJacoby型3値記録符号は, 2値レベルの記録で多値化を実現するひとつの一法である.ここではdkc制約を満たすJacoby型3値記録符号系列の通信路容量を算出し, 符号化効率の上界を与える.さらに, 有限オートマトンモデルの構築によって可変長およびDCフリーの特徴を持つJacoby型3値記録符号を組織的に構成するアルゴリズムを示す.最後に, この手法に基づいて新たな符号の構成例を示す.
  • 太田 睦, 柴野 元良, 清水 孝, 國弘 秀人, 大町 隆夫
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1106-1111
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    記録用の動画符号化方式について検討を行った.特にCD-ROMを想定した動画記録システムを検討した.CD-ROMの最大転送レートは150kByte/sなので情報量圧縮符号化が必要となる.この符号化レートに対しては, フレーム問予測符号化方式と離散コサイン変換とのハイブリッド符号化方式が極めて有効であることが伝送系では確認されている.本論文では, この符号化方式が伝送系とは異なる機能が要求される記録系システムに対しても有効であることを示した.実際の再生システム構成を設計し, 試作装置によってその動作を確認した.この方式によってCD-ROMに対する動画像の長時間記録が可能となり, 教育, データベースサービス, 娯楽等への広範な応用が期待できる.
  • トリアムラムルート サティエン, 谷本 正幸
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1112-1118_1
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    画像信号を帯域圧縮して記録し, 再生後に元の帯域に戻せば, 広帯域の画像信号を記録できるため, 記録画像を高解像度化, 高画質化することができる.本論文では, 精細さの再現性に優れているTAT方式を利用した画像帯域圧縮記録方式を提案し, 実現性と効果の検討を行った.画像記録システムの一例として家庭用VTRを取上げ, これに帯域圧縮されたTCI信号とモード信号から成るTAT信号を記録した.圧縮されたTCI信号はVTRのFM方式をそのまま用いて記録し, モード信号は低域変換色信号記録帯域内に4相PSK変調して記録する方式とした.システムを構築して実験を行った結果, 再生画像の解像度を従来の家庭用VTRの1.6倍に向上することができた.
  • 浜田 浩行, 池永 敏和, 河合 直樹, 山崎 収, 吉野 武彦
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1119-1128
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    12GHz帯衛星放送1chを利用し, PCM音声・各種データなどと共に放送できるサービスのひとつとして開発を進めている, ハイビジョンディジタル静止画放送に用いる画像符号化方式について述べる.本論文では, 符号化方式に要求される条件を示した後, サブサンプルDPCMおよびサブサンプル適応的補間残差量子化の2種類の符号化方式について, その特徴と処理画像の符号化特性 (SN比, 画質評価, 符号化率など) を示す.また, 画面の切替時間に応じ, 符号化率を制御する適応手法についても論じる.さらに, 伝送路上のビット誤りにより生じる画質劣化を改善する手法について論じ, 室内実験により, 低C/N時にも充分な画像品質で放送サービスを確保できることを述べる.これらの方式を用いることにより, 伝送速度2.048Mb/sのディジタルチャンネルで, 高品質PCMステレオ音声と共に, 鮮明なハイビジョンディジタル静止画像を伝咲することが可能となる.
  • 宮原 誠, 吉田 育弘
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1129-1136
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    カラー画像処理や符号化の研究は, (1) 信号を人間の色知覚の3属性 (Hue, Value, Chroma) にもとづく均等知覚空間上で, (2) 処理誤差を実際に知覚される色差と関係づけて扱うことが有効である.この目的で用いる均等色空間として, 色差が定義されている (H, V, C) マンセル色空間を用いることとした.しかし, CIE (1976) L*a*b*色空間にもとづく (R, G, B) ↔ (H, V, C) データ相互変換は精度が低く, また変換表を用いる方法も, 表を内挿する必要があるなど, 実用上の支障が多い.そこで本論文では, MTMと名付けた数学的 (R, G, B) → (H, V, C) データ変換方法を提案する.MTMは, ある仮定した変換関数の未定係数を, カラーテレビの色再現範囲から均等にサンプルした250の代表色にもとつく重回帰分析によって決定したものである.また, ニュートン法を応用した逆変換の方法を示した.最後に, MTMとこの逆変換法を組み合せれば, 充分精度良く, かつ, 簡単に (R, G, B) ↔ (H, V, C) データ相互変換が行えることを確認した.
  • 安田 晃, 山根 延元, 森川 良孝, 浜田 博
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1137-1144_1
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    2次元外挿予測一離散サ化ン変換 (EP-DST) 符号化法は, 予測と変換の併用により4×4画素の小ブロックサイズで高能率符号化を達成する.本論文では, この変換部のゲートアレイによるLSI化を検討する.まずハードウェア小規模化のため, 1次元DSTの整数近似であるISTを導入する.このISTは入力並列-ビット直列構成により実現する.次に処理時間の短縮のため, 2次元DSTはこのISTのパイプライン接続により実現し, 計算語長は10ビットと短く選定する.設計した2次元DST変換器は, 規模2700ゲートで, NTSC標準映像信号の実時間処理が可能であることをシミュレーションで確認した.最後に, フルカスタムLSI化を行ったと仮定して概算すれぼ, 本法に基づく符号化装置は, これと同等性能の離散コサイン変換法に基づく符号化装置と比較し, 規模で36%, 発熱量で69%以下で実現できることを示す.
  • 変換符号化
    橋本 秀雄
    1989 年 43 巻 10 号 p. 1145-1152
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 43 巻 10 号 p. e1
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
feedback
Top