動物の行動と管理学会誌
Online ISSN : 2435-0397
55 巻 , 1 号
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原著論文
  • 森田 茂, 平松 恵, 岡 楓子, 三谷 朋弘, 熊野 康隆, 小板 英次郎, 飯田 直子
    2019 年 55 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/09/03
    ジャーナル フリー

    我国の酪農場では、自動搾乳システムの導入が、現在、活発となっている。自動搾乳システム導入に際して、脂肪分解臭(ランシッド)発生が懸念されている。本研究では、自動搾乳システムでの搾乳回数や搾乳間隔時間などの搾乳特性とバルク乳の遊離脂肪酸濃度との関係を検討した。自動搾乳システムにて乳牛を飼養している1戸の酪農場にて、2016年6月から2017年7月までの、10期間(7日間/期)の搾乳履歴およびバルク乳の遊離脂肪酸(FFA)値を記録した。酪農場での平均飼養頭数は96頭であり、調査期間中の平均産次は2.0~2.2の範囲に、泌乳日数は160~205日の範囲にあった。1頭当たりの平均乳量は38.4~44.7㎏/日、搾乳回数は3.2~3.9回/日の範囲にあった。また、バルク乳中のFFA値は0.87~1.36mmol/100gFatの範囲にあった。乳中FFA値と有意(P<0.05)な相関があるのは、間隔時間が6時間未満の割合、1回当たりの搾乳量、1回当たりの搾乳量が8㎏および10㎏未満での搾乳頻度であった。特に、8kg未満の搾乳頻度とバルク乳中のFFA値の間で、高い相関係数が得られた。得られた回帰式から、バルク乳のFFA値が1.0mmol/100gFat以下であるためには、8kg未満での搾乳頻度が8.7%以下である必要があり、これは180回/日の搾乳では16回以下である必要があることを示していた。乳中FFA値と平均搾乳回数の間には、基準を危険率10%としても有意な相関関係は認められなかった。これらのことから、ランシッド発生の危険性を示すFFA値の指標には、単なる牛群の平均搾乳回数よりも、関連性の高い1回当たりの搾乳量が8㎏未満での搾乳頻度を用いるべきであると考えた。

資料
  • 岡部 光太, 田中 正之
    2019 年 55 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/09/03
    ジャーナル フリー

    動物園での動物福祉の関心は高まりつつある。アジアゾウは絶滅危惧にあり、各国の動物園で飼育される。動物園が種の保存機能を維持するためには、適切な飼育管理が必要だが、国内におけるゾウの飼育管理は発展途上にある。そこで環境の質を表す指標として、室内における睡眠を含む夜間行動に着目し、京都市動物園で単独飼育にあった個体を調査した。ゾウの夜間行動を記したTobler (1992)の先行研究に従い、横臥休息、立位休息、常同歩行、佇立等に分類した。データは2009年の映像を用い、4つの季節間での違いを調べた。時間毎の横臥休息の持続時間は夏期より冬期に減少する傾向があった。一方、夏期には立位休息が他の季節と比較して有意に減少した。常同歩行の発現は、冬期に有意に増加し、時間毎の発現割合は、全ての季節で午前5時頃にピークが見られた。先行研究の結果などを総合すると、今後、床面の温度測定や、砂等の床材の使用についても検討、調査が必要である。

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