本稿ではアメリカ連邦政府の文化振興機関である全米芸術基金(NEA)の助成プログラムの歴史的変遷を分析し、特に、新しい文化の創造の奨励・促進が公的助成によって実現するという展望が1990年代前半に断たれていった過程を明らかにする。NEAの挫折は、芸術の権威の衰退現象と関連しており、新しい創造を奨励・促進する文化政策を公共政策として今後拡充してゆくためには、芸術的権威に依存しない形で達成する途を模索する必要がある。
本稿は、わが国テレビ放送産業におけるデジタル化の影響を、産業組織論と生産性分析から検討する。民放地上波は、規制が強く企業組織にまで影響し、売上の大半を広告に依存する。デジタル化を経て成長は不透明であり、資本規制緩和により金融市場の影響が増し、内容規制は強化されつつある。生産性分析からも、分析対象期間において、非効率性が示唆され生産性は低下し、ローカル局でその傾向が強く、民放地上波全体に影響する。
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