永山貞則先生ならびに故松田芳郎先生をはじめとする我が国の文化統計の整備・拡充に尽力された先生方によって企画され、1985年度に第1回調査が実施され、2008年度までに数年周期で5回の実施が続けられてきた全国の学生を対象とする文化・芸術に関する活動と意識に関する調査について、その調査と分析結果の概要を紹介する。
本稿では、コロナ禍の文化的活動への参加に対する影響を属性別に明らかにするために、総務省「社会生活基本調査」を利用して、寄与度や増加寄与率といった指標に基づいて実証的な分析を行う。
本稿では、永山貞則「文化経済学と実証分析」の分析の視点と分析方法の特徴を概観し、それが現在の実証分析にどのような影響を及ぼし、将来における実証分析にどのように役立つのかについて考察する。
本論文の前半で、日本と諸外国の芸術家の人数を、ネット情報を利用して分野別に比較する。後半では、1986年から2007年の間に、日本国内のプロの芸術家に対して、ほぼ5年間隔で我々が5回実施したアンケート調査『芸術家調査』(演劇、音楽、舞踊)から収集した「年収」について議論する。
パンデミックを契機に、芸術家や実務家の労働環境問題が前傾化するなか、課題集約や政策提言を担う同業者団体の重要性が高まってきた。本稿は業界関係者15組への聞き取りをもとに、5つの課題、フリーランサーのセルフマネジメント能力、同業者団体の組織的脆弱性、組織間連携の希薄さ、アーツカウンシルの全方位守備の限界、同業者団体に関する分類用語の問題を明らかにし、それらに対する2つの方向性を提示した。
本稿では、近年主流となっているストリーミングサービスを介して行われる音楽の消費形態、所謂デジタルミュージックに注目し、その貿易取引の実態について、アジア圏の国と地域に注目し概観する。具体的には、各国と地域別のデジタルミュージックの輸出と輸入、ならびに自国で生産された音楽が自国で消費された量の推移について要約を行った。また、輸出入量を取引相手別に集計し、考察を加えることで、各国と地域の市場が持つ特徴を明らかにした。
近年、日本文化に対する関心が高まる中、茶道に対する外国人観光客の人気が高まっている。茶道は他の文芸ジャンルと同じく、多くの先人によって作り上げられ、今日まで継承されてきた。そうした先人の中に武士階級も含まれ、経済的逆境を克服し武士としての責務を果たしながら、自らの信じる美意識に従い茶道の多様性を確保してきた。本稿では、そうした中から二人の武士を選び、武士の作り上げてきた、もてなし文化を再考する。
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