LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
31 巻, 4 号
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  • 大対 香奈子, 田中 善大, 庭山 和貴, 松山 康成
    2022 年 31 巻 4 号 p. 310-322
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/26
    ジャーナル オープンアクセス
    学校での児童の問題行動に対し,叱責などの嫌悪的な対応ではなく,望ましい行動を積極的に教え,承認することで増やし,問題行動を予防する実践であるポジティブ行動支援(positive behavior support: PBS)が最近注目されている。本研究ではPBSを学校規模で実践する学校規模ポジティブ行動支援(school-wide positive behavior support: SWPBS)を公立小学校1校で実施し,児童と教師への効果を検討した。結果,SWPBS実施後に児童の授業参加行動の増加が見られ,また主観的な友人関係に関わる適応感が改善したことが示された。教師への効果としては,SWPBS実施後に教師の称賛の回数は変化しなかったものの,叱責については減少が見られた。以上より,本研究のSWPBSの実践は児童および教師に一定の効果が認められた。今後は対象校を増やした検討が望まれる。
  • 発達段階と障害種による特徴から
    伊藤 由美, 榎本 容子, 玉木 宗久, 海津 亜希子, 井上 秀和, 廣島 慎一
    2022 年 31 巻 4 号 p. 323-335
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/26
    ジャーナル オープンアクセス
    発達障害のある子どもは,周囲の対応によって二次的な障害が生じる可能性がある。二次的な障害の背景要因の1つに信頼感の低下が考えられることから,通級指導教室担当教員に対し,信頼感を育むことを意識した支援や指導について自由記述でたずねた。また,関連付けている自立活動の区分をたずねた。420名から得られた562件の記述は「安心感」「支援的対応」「関係構築」「他者理解」「自己理解」「社会性の獲得」「連絡調整」の7つにカテゴライズされた。これらと,発達段階及び障害種との関連について分析したところ,発達段階では「安心感」と「他者理解」に有意差が認められた。障害種で有意差が認められたカテゴリーはなかった。自立活動との関連付けでは,カテゴリーに関係なく【心理的安定】【人間関係の形成】【コミュニケーション】に偏っており,信頼感を育む支援や指導において,効果的な関連付けの難しさが推察された。
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