経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
2004年度秋季全国研究発表大会
選択された号の論文の82件中51~82を表示しています
  • 内木 哲也, 明星 聖子
    p. 000051
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    電子書籍の普及とその配信サービスは、これまでの紙の書籍とは異なる情報システムを形成することを示唆しており、その様相は単に既存のコンテンツを電子化して新しい流通システムに載せて提供するという既存の市場の枠組みだけでは説明しきれない新しいビジネスの可能性を秘めている。本論では、これまでの出版社の位置づけやビジネスのあり方さえも再考を余儀なくされる環境の変革をもたらす可能性を秘めている電子書籍の出版ビジネスを展開していくための方策として、単にビジネス環境として読み手を電子書籍の消費者として一方的に捉えるだけではなく、読み手を育成しながら新しいビジネス環境を形成する視点の重要性について議論する。
  • 小川 美香子
    p. 000052
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    利用者の信頼を損なわないシステムをどう設計すべきか?プライバシーに関する社会的な受容を得てRFIDを活用するために、利活用の現場における研究が求められている。本稿では、RFID入場券システムが導入されたNetWorld+Interop 2004 Tokyoで実施された意識調査で、(1)利用者は利便性を評価する一方、自分が気づかぬうちに情報が処理されることに対し不安を抱いている、 (2)RFIDシステムと連携するデータベースのセキュリティに対する不安が大きい、といった結果を得たことを報告する。
  • 細井 匠, 増田 浩通, 新井 健
    p. 000053
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    地方自治体が運営管理する第3種空港には、当初予測していた旅客数を大幅に下回る数字が出てしまっている事例がある。そこで本研究の目的は、第3種空港の伸び悩む旅客数に着目し、その説明要因について分析し、モデルを構築することにある。
    説明要因について旅客数を目的変数とし、8空港を対象とした重回帰分析を3時点で行い、その後、旅客数とは相関関係があるが重回帰分析では変数同士の共線性のため棄却されてしまう変数があることを考慮し、シュミレーションソフトのStellaを使用してモデルを構築する。そしてシュミレーションを行い、旅客の変動に関する要因を明らかにする。
  • 安藤 良輔
    p. 000054
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本研究においては,AHP手法をベースに岐阜県飛騨地域を例にした道路整備計画における評価指標の構築を行った。これにより,これまでの費用便益分析マニュアルによる全国一律の経済性に重点をおいた評価では,評価しきれなかった道路に対しても評価できるものを提案できた。また,各々の評価項目に対し,具体的な評価指標を整理して実際に評価に用いたことで,今後の道路評価に対する一適用事例として成果を挙げることができた。特に,地域住民における意見を幅広く取り入れ,本評価において大きく意見を反映することができた。地域住民参加型評価手法を確立する意味においても,今後の公共事業評価の一助となる方法を提案できた。
  • ITスキル標準を例にして
    平田 謙次, 瀬田 和久, 池田 満
    p. 000055
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    経営において能力評価は重要な課題である.しかし,能力を捉える枠組みは個別組織において不明瞭なままである.さらには,能力のレベルを捉える枠組みも暗黙であり,個々人の感覚でレベルを捉え評価がおこなわれている.能力に関する情報を計算機で取り扱えないままでは,経営の情報化は進展しない.本研究では,経済産業省で公開されたITスキル標準での検討を元に,能力のレベル概念の検討をした.そして,能力のレベル概念を定義する8つの属性を明らかにした.また,各属性の基準を併せて明確にしめした.
  • 2006年度に向けて
    穂積 和子
    p. 000056
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    経営情報学会の研究部会メンバーを対象に2006年問題への対応状況をアンケートにより調査した。2006年問題とは2006年度から大学に入学してくる学生がほぼコンピュータリテラシー教育を高等学校で受けて来ることから、現在の大学における情報教育に対応が迫られているというものである。高等学校での情報教育の現状の調査との比較の結果、大学で行われる教育と重複するものが多いことが分かった。しかし多くの大学では2006年に向けての対応をカリキュラムの変更を含めてすでに実施、または実施予定という対策を取っている。2006年問題に対応するためには短期的には現在の情報教育カリキュラムの内容を高度化すること、長期的にはビジネス系学部教育の中での情報教育を行っていくことが必要であることなどが指摘されている。
  • 伊藤 周, 田口 佳孝, 森 喜三郎, 原 長男, 金 相勲 , 横山 淳, 岡田 敦嗣 , 多賀 靖高 , 戸田 孝治 , 宮原 譲, ...
    p. 000057
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
     日本企業のIT活用意欲は盛んであるが、ERP導入・活用を含む戦略的ITプロジェクト(Strategic IT Project:以下、SITPと略記)の成功率は必ずしも高くない。本研究はSITPの成功率を高めるためのアセスメント手法を大規模なアンケート調査に基づいて開発することを目指している。 アンケート調査票は、SITPの成功要因の実施状況と事前に設定した成功の尺度に到達するまでのリードタイムの相関関係が分析できるように作成した。本年6月に国内3,000社に依頼して、300社から有効回答を得た。 本報ではアンケート回答を分析して得られたSITPの成功率を高めるための課題について述べる。
  • 石島 隆
    p. 000058
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本年7月に「システム監査基準」の改訂案が公表され、情報セキュリティ監査制度と同様に「保証型監査」を取り入れた。しかし、実際に保証型システム監査を実施するためには課題が多い。本稿では、今後、システム監査の実務において整備すべき事項について、財務諸表監査との比較に基づいて検討を行い、特に、監査リスク及び監査アプローチの観点から問題点を抽出し、解決策を考察した。その結果、システム監査における監査リスクモデルの構築とともに「不正捜索型監査」に相当する監査手続を導入すべきことを提案した。
  • 石田 崇, 足立 鉱史, 後藤 正幸, 酒井 哲也, 平澤 茂一
    p. 000059
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    大学の授業改善への取り組みがますます重要課題となってきている.本研究では,学生アンケートに対して情報検索技術を積極的に適用し,分析結果を授業改善に活用する手法の開発を目的とする.学生アンケートは授業モデルの仮説に基づいて選択式回答項目と自由記述式回答項目から構成される.このアンケートに対し,テキストマイニングや統計的手法などの知識抽出手法を統合的に用いることによって効率的な解析が可能であり,授業改善に有用な情報が得られることを示す.
  • Valery Gergievのカリスマ性について
    宇田川 耕一
    p. 000060
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    「オーケストラの指揮者の役割とは何か」を突き詰めていくと、「経営者の役割とは何か」という問題と共通する部分が多いことに気が付く。そして、オーケストラの指揮について考察する場合「暗黙知」(tacit knowing)が占める領域はきわめて大きいというのが、筆者の仮説である。2004年春季全国大会では「オルフェウス・プロセス=指揮者のいないオーケストラ」を題材に、本当にOrpheus Chamber orchestraには「指揮者」はいないのか、「オルフェウス室内管弦楽団」を現代の優れた指揮者が指揮をしたらどうなるのか、について報告した 。そこで今回は、現代のカリスマ指揮者・Valery Gergiev(ワレリー・ゲルギエフ)のPMF音楽祭2004 でのリハーサルを4日間観察した結果をもとに、優れた指揮者による「暗黙知」の共有がどのように行われたかを考察する。
  • 特に企業情報システムプロジェクトについて
    小松 昭英
    p. 000061
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    一般にプロジェクトマネジメントは、プロジェクトライフサイクルを上流工程と下流工程に分けると、詳細設計以降の下流工程のコントラクタについて述べられているが、詳細設計に先立つ基本設計以前の上流工程について、特にオーナのプロジェクトマネジメントについて述べられることが少ない。さらに、オーナについてであれコントラクタについてであれ、複数のプロジェクトから構成されるプログラムマネジメントについては、さらに述べられることが少ない。そこで、システムズアプローチにより、上流工程および下流工程にわたって、オーナ、コントラクタ、およびサブコントラクタのプロジェクト・プログラム統合マネジメントについて検討する。
  • 特に納期短縮効果による評価について
    小松 昭英
    p. 000062
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    一般に企業情報システムの経済性を定量的に評価するのは困難であるといわれている。その原因は企業情報システムの効果は製品やサービスの価値に含められ、それを切り離して評価することが難しいからである。しかし、「物の流れ」に関わる効果、すなわち在庫削減、納期短縮などの一部の効果は定量的に評価できる。企業システムを生産システム、社内向けおよび社外向け情報システムから構成されるとすれば、在庫削減効果と納期短縮効果は社内向け情報システムによって実現される。在庫は次期販売額、納期は購入資材の在庫として、その祖収益現価計算をする現価表計算モデルを構築すれば、社内向け情報システムの定量的経済性評価ができる。
  • 水主川 嘉範, 高橋 真吾
    p. 000063
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    シナリオ・ワークショップの結果の妥当性は、その方法論としての妥当性から得られる。本研究では、2003年5月に千葉県において開催されたシナリオ・ワークショップの方法論としての妥当性を検証するために、ソフトシステム方法論に基づいたシナリオ・ワークショップの方法論を開発する。
  • 伊佐田 文彦
    p. 000064
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    プラットフォーム・リーダーシップとは,その企業の製品やサービスがプラットフォームとなり,他の部品・補完製品と共存共栄するとともに,それぞれのイノベーションがプラットフォームの進化に好影響をもたらし,産業全体としてのエコシステム(産業生態系)が形成されるような,企業としてのイニシアティブの総体である。本報告では,情報通信技術の進展などを背景に,製品および産業構造がモジュール化し,企業間関係の,垂直的統合型から水平的展開型へのシフトが進む中での企業戦略として,プラットフォーム・リーダーシップに着目し,その含意と拡張可能性を検討する。
  • 小林 満男
    p. 000065
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    春期大会で提案した事例分析のフレームワークを用いて、衛星通信事業を営む企業における一連の法人営業案件における受注活動について、業界の常識に着目しつつ事例分析を行なった。その結果、事業開始当初の業界の常識は、個々の商談の受注、失注の経験を経て書き換えられ、具体的な製品やサービスや業務を行なうための手続き、規則を産み、新たな営業戦略を創発していることがわかった。
  • 住田 友文, 嶋崎 真仁
    p. 000066
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、公共図書館がビジネス支援をするための条件を、レファレンス機能の観点から考察したものである。図書館がビジネス支援をするためには次の2つの条件が必要である。一つは、図書館員がデータ処理やビジネスモデリングなどといった経営の体系的知識を身につけることである。もう一つは、図書館員が個別の事象に立ち入らないように相談に応じることである。しかし、現在勤務している司書がこれらを身につけることは難しい。また、図書館で専門家を雇うことも難しい。そこで本稿は、司書の職務の限界を専門機関や専門家との連携で補うネットワークを提案したものである。このネットワークを構築することで、司書は地域住民にとって知の相談相手という役割を強化できると筆者らは主張した。そして、利用者と専門家との間のインタフェース機能を司書の新しい役割として論じた。また、情報システムを用いてこの機能を支援する方法についても言及した。
  • 嶋崎 真仁, 住田 友文
    p. 000067
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、サプライチェーンを構成する組織間のコミュニケーションの仕組みを、知価増殖を説明するモデルで例証したものである。ここで、組織間のコミュニケーションが十分になされている様子を松田が「組織知能」コンセプトの中で提案した「組織伝達」と捉えた。プリンシパルとエージェントの連鎖関係はサプライチェーンとみなせる。そこで、その間のコミュニケーションの仕組みを、筆者らが提案した「SEC・CIS結合モデル」で説明した。また、この典型的なケースとして建設作業における関係者間の不十分なコミュニケーションを原因とする事故を事例に取り上げた。なお、ここでは異なる組織に所属する人同士が、一つのプロジェクトで作業する場合に焦点を当てた。その結果、取り上げたサプライチェーンについて知価増殖ならびに組織伝達が発現する事例を示すことができた。
  • 松中 誠晴, 宮崎 洋平, 北守 一隆
    p. 000068
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    ナレッジ・モデリングを用いるeラーニングシステムでは知的資産の蓄積・共有が可能であり、ラーニング・オブジェクト(LO)として管理することによって学習者の理解に合わせた高度なレベルのeラーニングをめざすことができる。本稿で提案される「ランドルト環方式」では、視力検査と同様な方法で学習者個人の理解度を測定するとともに、XMLによる知的資産管理の実装であるハイパーオーサリングにより管理されるLOから自動生成された問題を、ある理解度向上モデルのアルゴリズムに従い指し示す。プログラミング理解でなく実践で活用できる作成能力に主眼を置きLOに関するスキーマおよびハイパーオーサリング基盤のeラーニングに関して述べる。
  • 中西 昌武
    p. 000069
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    ビジネスプロセスは経営資源を有効に処理して経営成果を導くための活動である。ビジネスプロセス設計では、経営資源の調達と動員を適切に行う仕様化が求められる。帳票や画面はビジネスプロセスを駆動させるための媒介であるため、かならず経営資源の調達・動員活動の記述がある。本稿では、こうした資源と活動の関連に着目しつつ、ビジネスプロセスと帳票をトップダウンアプローチで有効に設計する方法を提案する。
  • 鷹田 和紘, 住田 友文, 嶋崎 真仁, 岸川 善紀
    p. 000070
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、企業における非正社員の採用及び定着化方策について、公開情報を用いて考察したものである。企業の雇用戦略の中で、非正社員の採用・定着化計画を策定する際に、非正社員雇用に関する情報を、他社の情報のような外部の非公開情報から得ることは難しい。そのため自社内で利用できる情報に加え、外部の公開情報を分析し利用することが重要である。本研究では、まず業種別に非正社員の雇用状況を調査した。その上で労働集約型の業種に焦点を当て、業種別に採用・定着化方策を類型化した。それに基づき、非正社員雇用戦略を策定する際に、企業が必要とする情報について考察した。
  • 岸川 善紀, 嶋崎 真仁, 住田 友文
    p. 000071
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    知的資産を活用したビジネスの中で、コンテンツ産業は大きく注目されている。コンテンツ産業のようなソフト商品のサプライチェーン(SC)はそのコンテンツの性質や、コンテンツをどのようなメディアによって流通させるかによって、その特徴が異なってくると考えられる。また、物的な商品製造段階からのSCだけでなく、コンテンツの製作段階を考慮しなければ、商品の価値を捉えることは難しい。そのため、サプライチェーンマネジメントにおいても、商品の企画開発段階から考慮に入れる必要がある。本稿は、コンテンツ産業の特徴を考慮し、商品の企画開発段階を含めたSCの類型化を行い、各々のSCにおける諸問題を探るものである。
  • 幡鎌 博
    p. 000072
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    宿泊予約は、ネット化がさらに進むと予想されている。今のところ楽天トラベル(旧「旅の窓口」)が大きなシェアを占めている。しかし、従来の販売方法での宿泊予約を含めた全体像として見ると、旅行代理店・旅行企画会社・ソリューションプロバイダー・予約サイト/旅行ポータル・ホテル/旅館自身(自社ホームページも運営)などが複雑な関係で宿泊予約を行なっている。ネット化の進展も、これらの企業間のネットワークに依存しているところが大きい。また、スイッチャーやASPのような仕組みも広がっている。本稿では、宿泊予約サイトの裏側のBtoBの仕組みを分析することで、今後のBtoBの進展や課題などを考察する。
  • 中原 孝信, 森田 裕之
    p. 000073
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、某百貨店におけるクレジットカードを利用した購買履歴データを使用し、長期間にわたって、購買を継続する顧客と休止する顧客の特徴を明らかにする。分析では、来店回数の違いから分析対象となる顧客層を限定した後、それらの違いを関連購買分析の観点から明らかにしている。結果として、継続顧客、休止顧客が共通して関連購買する商品群と、独自に関連購買する商品群として、継続顧客ではブランド子供衣料を、休止顧客ではブランド化粧品を識別した。これらは、単独での購買が継続か、休止かということを決めるのではなく、共通関連購買商品と独自の商品群を共に購買することが重要であることを発見した点に、本研究の意義がある。
  • 山本 重人
    p. 000074
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    今日、日本の製品開発において高い創造性の発揮が見られているのはエンターテイメント業界かと思われる。そして、ひと度ヒット商品が生まれるや、雑誌などはそのヒットの秘訣や背景に迫ろうとする。そして、そうした記事でインタビューに答えているのは監督や「プロデューサー」という人材である。商業上の成功を収めた商品を「プロデュース(創造)」した人材、ヒット商品の仕掛け人とも言える人材である。本報告では、こうしたプロデューサーという人材を、事例研究などからその能力と果たしている役割を中心に記述し、彼・彼女らを分析するフレームワークとして「編集力」という概念を提示する。また、それが理論的に有効性のある概念であることも付記し考察することとする。
  • 真許 昌之, 野口 隆, 妹尾 大
    p. 000075
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    現在、企業におけるナレッジマネジメントの取り組みの多くは、知識・情報の共有化が中心となっているが、今後は、継続して新たな知識を創造することが重要になると考えられる。この継続のためには、組織における知識創造のスタイルや特徴を可視化する仕組みが業務の中に組み込まれており、業務プロセスなどの組織の特徴をモニタし、目指すべきスタイル実現に向けた評価および結果のフィードバックを行う必要がある。今回、製造業において製品開発関係者の知識を表出化し、それらを製品に埋め込む「場」であるデザインレビュー(DR)に着目し、DRでの活動履歴を蓄積するシステムを開発することで、組織の知識創造のスタイルや特徴をモニタする方法の検討を行った。
  • Porter から Barney を通じて Collis & Montgomery へ至る流れ
    森岡 孝文, 根来 龍之
    p. 000076
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、ポジショニング学派と資源ベース学派を代表するPorter(1987)、Barney(1996、2002)、Collis & Montgomery(1997、1998)の3者の理論的違いを、競争戦略と企業戦略の区別と関係づけ、戦略の策定だけでなく戦略の実行をどれだけ考慮しているかに着目して検討する。結論として、Porterの理論は、「経営戦略の策定」に偏ったものであるのに対して、Barney及びCollis & Montgomeryでは、「経営戦略の実行」の観点も加味されている。一方、BarneyとCollis & Montgomeryの違いは、Barneyが多角化による範囲の経済の模倣困難性を多角化の成功要因としてあげているのに対して、Collis & Montgomeryは多角化の範囲の経済性(Barney)の成立要因を「企業戦略トライアングル」として示している点にある。
  • コンテントの価値を最大化するデリバティブ方式
    内田 真理子
    p. 000077
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    コンテントの価値を最大化する販売戦略としてワンコンテントマルチユースが有効である。あるコンテントから分離抽出した多様な価値から、別のコンテントを制作したり物財と組み合わせて別の物財を開発する多面的な事業展開の方式をデリバティブと定義し、その事業要因を事例により検証した。また、情報財の販売戦略として研究されているバージョニング、マルチウインドウを新たにコンテントの視点から見直し、デリバティブと比較検討した。この結果、コンテントが他の情報財や物財と異なり消費者の好み、イメージ、人気等で価値が大きく変化する固有の経済属性を有し、その利用により事業として多様な価値を持つことが明らかになった。
  • 田中 一, 稲田 周平, 斎藤 忍, 中村 善太郎
    p. 000078
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    生産システムにおいて,人や機械がその役割を果たし製品を製造する為には,人や機械を適切にコントロールする為の情報が必要になる。情報が不足していたり不明確であったりすると,人や機械にムダな仕事が発生する。本研究では,このような観点のもと,生産システム内で人や設備をコントロールする情報を分析するフレーム・ワークと,これを通して仕事のシステム内での問題発見を行うための考え方を示す。そこでは,製造過程における人・機械の作業ステップを明らかにしたもとで,各ステップで必要なコントロール情報が5W1Hの構造で把握される。提案する手法は, ICタグなど情報機器を利用して,適切な情報を提供する生産システムを設計する際にも役立つものである。
  • 安永 響子, 難波 和明
    p. 000079
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    操作手順の目的を示し理解を促進させる機械操作の支援法として、鈴木宏明らが提唱した課題分割プラン(1996)がある。もし課題分割プランがユーザに設計者の意図する操作構造をより正確に伝えることができるのならば、ユーザはよりよい操作構造を形作ることができ、機器操作の深い理解につなぐことができるのではないだろうか。デジタルカメラを用いた本実験の結果より、優れたデザインの機器を使用する場合には課題分割プランの効果は現れにくく、機器のデザインから設計者の意図した正しい操作構造を理解できない場合には課題分割プランの効果が発揮されると考察できた。
  • 今久保 文教, 松林 伸生, 山田 善靖
    p. 000080
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、消費者がAHPに基づいて最適な製品選択を行う状況下で、2つの企業が利益を最大化するためにそれぞれどのように製品の価格と品質を設定すればよいかについて求め、得られた結果から経営への示唆を考察する。消費者が選好に関して皆同じ選好を持つ場合、次いで異なる選好を持つ場合のそれぞれについて、企業の最適な価格・品質戦略を考える。消費者が皆同じ選好を持つ場合、単純な価格と品質の値の大小比較をもとに製品選択することを前提とした場合と比べ企業はある一定の品質を設定することが要求される。また、異なる選好を持つ場合には、両企業に対する消費者のロイヤリティの分布と競争により達成される品質との関係について、いくつかの特徴ある結果が示される。
  • 繊維産業を事例にした「地域ブランドプロポジション」の設計
    加藤 雄一郎
    p. 000081
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    今日、企業を取り巻く不具合はさまざまな範囲に及んでいる。自社製品品質、自社組織、生産流通システム、取引先企業、競合企業、特に中国企業の動向など、問題範囲は極めて広範である。競争優位なビジネスを展開する上で、(1)中核問題を打破し、(2)自社の強みをさらに高めていくことが欠かせない。筆者は昨年、わが国を代表する繊維企業の集積地・愛知県尾張西部地域の主要企業から構成された「尾州ブランド研究会」を通じて、これら企業が打破すべき中核問題の抽出、今後に向けた自社の強みの抽出、そしてこれらの達成に向けて全社一丸となって取り組むべき「ブランドプロポジション」の設計を試みた。本研究ではその概要を報告する。
  • マーケティング施策立案に活用するための顧客データ分析の枠組み
    加藤 雄一郎, 笹木 一麻, 河村 法征, 久納 慎也
    p. 000082
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/27
    会議録・要旨集 フリー
    顧客の消費行動は、購買過程/消費過程/維持過程/廃棄過程という4過程から構成される。顧客満足を向上させるためには、4過程すべてについて良好な状態を維持・強化することが重要である。しかし、従来型の消費者調査分析やテキストマイニングツールを用いた自由回答データ分析は、具体的な施策立案を担うマーケ担当者に対して示唆に乏しいことが指摘されている。そこで本研究では、既存の顧客データを活用して、消費全過程において出現する顧客要求を構造化するためのフレームワークを提案する。具体的には、PC直販企業を取り上げ、顧客の自由回答データに用いて、スクリプト理論に基づき、顧客要求品質の構造化手法を紹介する。
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