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村田 晟和, 若林 大輔, 岡 茂八郎, 榎園 正人
セッションID: 04-1P-07
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年の地球温暖化の影響で電気機器の省エネ化が求められている。電気機器の低損失化のためには内部にある鉄心の低鉄損化が必須である。変圧器や一部のモータでは鉄心材料に方向性電磁鋼板(以下、GO材)が使用されており、その高透磁率・低鉄損特性が電気機器の低損失化に大きく寄与している。更なる低鉄損化に向け、著者らはベクトル磁気特性制御技術を開発した。更にベクトル磁気特性解析に基づき処理適用範囲を決定する指標を示し、GO材のリング試料の鉄損低減化をこれまでに報告してきた。本研究では、GO材を用いたモータ分割鉄心において同様な手法を適用し、更なる低鉄損化が実現可能かについて検証を行った結果について報告する。
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柳田 光輝, 若林 大輔, 岡 茂八郎, 榎園 正人
セッションID: 04-1P-08
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
電気機器は内部に鉄心を有しており、この材料には主に電磁鋼板が使用されている。高効率化・低損失化に向けて電磁鋼板の磁気特性評価が求められる。強磁性体である電磁鋼板は磁区構造を有し、磁区挙動が磁気特性として現れるため、電磁鋼板の磁化状態を知るために磁区観察も行われている。著者らは、磁気光学センサ(MOセンサ)を用いた簡易的な磁区観察システムを構築し、直流励磁下の磁区構造の変化を報告してきた。本発表では、商用周波数交流励磁下の動的磁区観察を目標に、カメラの高フレームレート撮影手法及び励磁周期と撮影周期の非同期による撮影手法で検討した結果を報告する。磁区以外の高速現象での検討も踏まえ検証結果を示す。
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本林 佐介, 若林 大輔, 岡 茂八郎, 榎園 正人
セッションID: 04-1P-09
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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省エネルギー社会実現のため、モータの低損失化が求められており、モータ鉄心の鉄損低減が必須となっている。一方で、モータ鉄心の製造工程で生じる残留応力は磁気特性を劣化させ、鉄損を増加させる要因の1つとなっている。以前より残留応力を除去するために熱処理が行われてきたが、大型の装置が必要で、処理に時間を要するという課題があった。そこで本研究は、変圧器の短絡現象を利用した二次電流加熱法を用いて産業用モータ鉄心の焼鈍装置の開発を行う。自己発熱により低コスト・短時間での焼鈍処理が可能である。本発表では初期検討として商用電源を用いモータ鉄心の表面及び積厚方向の温度分布等の加熱特性について報告する。
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飯川 晋作, 若林 大輔, 岡 茂八郎, 榎園 正人, 祖田 直也, 野島 洋一
セッションID: 04-1P-10
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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近年のエネルギー問題からモータの高効率低損失化が求められている。また様々な用途向けに小型高出力化も同時に行う必要がある。モータの高出力化には高速回転化が挙げられるが従来鉄心材料では発熱の問題が生じる。そこで板厚0.08mmの極薄電磁鋼帯が開発された。更に極薄電磁鋼帯を巻き構造とした巻き積層鉄心を開発し、通常の板厚方向に積層した鉄心と同様な磁気特性を有することを確認した。この巻き積層鉄心を加工しアキシャルギャップ誘導モータを開発している。本発表では、極薄電磁鋼帯を用いた巻き積層鉄心の磁気特性評価に加え、異なる構造が磁気特性に及ぼす影響を磁界解析から検討し、巻き積層鉄心の有用性について報告する。
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竹澤 昌晃, 村上 康之
セッションID: 04-1P-11
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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合成ゴム(ニトリルブタジエンゴム)を接合剤として、センダスト偏平磁性粉末をシート面内に立たせて配向させた配向磁性粉末シートを開発した。この作製手法によって、従来の樹脂成形法では得られなかったシート面内での一軸磁気異方性を実現できると考えられ、インダクタンス素子への応用が期待される。そこで本研究では、この配向磁性粉末シートの基礎的な磁気特性を明らかにすることを目的として、インピーダンスアナライザや振動試料型磁力計などを用いて測定を行った。その結果、磁性粉末の占積率や偏平粉末の配向方向が、配向磁性粉末シートの透磁率や磁気異方性に及ぼす影響を明らかにすることができた。
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武村 架, 濵砂 桜太, 濵川 史都, 坂本 眞人, 黒木 秀一
セッションID: 05-1P-01
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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宮崎県には暗闇で光るキノコが多く自生し、新たな観光資源として注目されている。宮崎県総合博物館で開催されたキノコの特別展では光るキノコの特設コーナーが設置された。そこで展示されたエナシラッシタケはビロウの葉の隙間に生えており、ガーネットオチバタケは拡大鏡を用いて展示されていた。大きさが最大で5mm程度のキノコであり、乾燥標本という事もあり肉眼での観察が難しい。本研究では博物館で展示されている小さいキノコの観察を手助けする為に、スマートフォンで使用できるARアプリを開発した。スマートフォンでキノコ本体の3DCGモデルをAR表示し、観察の手助けを目的とした。評価実験によりアプリの有用性を確認した。
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濵砂 桜太, 武村 架, 濵川 史都, 坂本 眞人
セッションID: 05-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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昨年度、地元企業からの依頼を受けてアプリケーションのマーカー型ARを開発し、イベントで来場者に体験して頂く機会があった。しかし、そのシステムをイベントで用いると問題点があった。そこで本研究では、その問題点を解決する目的で新たにARシステムを開発し、評価実験を行った。開発は、アプリケーション等のインストールが不要であるWebARで行い、右手の認識はGoogle社が提供するMediaPipe Handsを用いた。評価実験の結果、iOS15で動作しないなどの改善点が挙げられたが、客観的な使用感において、仮想オブジェクトの位置や向きに違和感があったと回答した被験者が少なく、良い結果が得られた。
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泉 晴翔, 右田 雅裕, 戸田 真志, 伊藤 正彦
セッションID: 05-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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古文書には,当時紙が貴重だったため,一度使い終えた紙を再利用して,その裏面にも文書を書いたようなものが存在する.このうち,反故になった側の文書を紙背文書,あるいは裏文書と呼ぶが,この紙背文書の部分にも貴重な文書が残っている可能性があるということが分かっている.そこで,本稿では,両面に文書の書かれた古文書画像から,文書に損傷を与えずに紙背文書のみの抽出を行うことを目的とする.具体的な手法としては,紙背文書が存在するような古文書画像に対し、深層学習を用いた画像認識技術であるセマンティックセグメンテーションを適用し,紙背文書領域の抽出を試みた。
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賀藤 峻永, 椎原 皓太, 江田 孝治
セッションID: 05-1P-05
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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画像の局所的なコントラスト強調法として移動正規化法が提案されている。しかし従来法では処理時間が長く、画像の平坦部が過剰に強調される問題があった。本研究の目的は処理時間を短縮し、コントラストを低下させずに平坦部の過剰強調を抑える方法を提案することである。提案手法では原画像のエッジ情報から作成した確率マップより、入力画像上の注目画素ごとに正規化処理の選択とブロックサイズを決定する。出力画像には入力画像上の注目画素を含むすべてのブロックを正規化し、それらの処理結果を重ね合わせて出力する。多くの実験結果より処理時間を大幅に短縮し、平坦部の過剰強調を抑えられることがわかった。
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椎原 皓太, 賀藤 峻永, 江田 孝治
セッションID: 05-1P-06
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は3D-DCT符号を用いた新たな掌紋認証法を提案することである。提案手法ではWebカメラを用いて手を撮影し、HSV表色系に変換後手のひら領域の切り出しを行う。切り出した画像をブロックに分割し、ブロック内をジグザグ走査することで1次元データに変換する。これをz方向成分として3次元離散コサイン変換(3D-DCT)を行うことで、従来の画像全体に行うDCTと比べ掌紋の局所的な情報と大域的な情報を同時に取り出すことができる。認証の際には3D-DCT係数の符号から生成したDCT符号ビットの一致率を用いた。従来法と提案手法を比較した結果、従来法よりも認証の精度が向上することを確認できた。
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中川 潤人, 竹村 亮輝, 栗 達, 小野 晋太郎
セッションID: 05-1P-07
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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本研究の目的は表情認識を行う際に自転車などのカメラに設置上の制約があり、正面からの画像が得られない場合における表情認識精度の向上である。正面画像での表情認識精度が最も高いと仮定し下方向からの画像を画像変換を用いて正面画像に近似することで表情認識精度の向上が可能であると考えた。本研究では3つの検証を行った。下方向から撮影された画像に対して回転、引き伸ばし、射影変換の処理を行うことで表情認識精度の向上を図る。結論として回転、射影変換による検証では良い効果が見られたが引き伸ばしでは逆効果となり、さらにポジティブな感情のほうがネガティブな感情よりも表情認識精度の向上が見られた。
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江藤 信一, 河野 央
セッションID: 06-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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本研究はVR-HMD(Virtual Reality - Head Mount Display)を用いて、被験者に視覚刺激を与えることで、被験者の検知閾値および認知閾値に変化を及ぼすことの可能性を示すものである。VR空間として、赤・緑・青・黄を基調とした部屋空間を準備した。HMDを未装着時に測定された砂糖水および塩水による検知・認知閾値の値と、HMD装着時(前述のVR空間の中で)に測定された検知・認知閾値の値を比較した結果、青空間時の砂糖水において認知閾値が下がる結果が得られた。この結果よりVR空間での味覚の変化の可能性が示唆され、その効果は様々な疾患の食事療法に活用できることを示した。
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宮﨑 浩一, 今村 泰志, 入江 麗姫
セッションID: 06-1P-03
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
大気中の光散乱現象を利用した高光強度レーザー光のビーム断面光強度分布の測定法は、ビームを遮らずに高光強度のレーザー光でもフィルタが必要なくビーム断面の光強度分布を測定できるという利点を有している。本測定法では、レーザービームが大気中を通過した際にレイリー散乱やラマン散乱といった光散乱現象により発生した散乱光を、ビームと直角方向から様々な角度で観測してCT法を用いることで、ビーム断面の光強度分布を求める。今回は本測定に適した光学系の設計方法について検討したので報告する。
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南部 幸久, 下尾 浩正, 寺村 正広
セッションID: 06-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
本稿では,筆者らが提案する光学系センサーとニューラル比較器を組み合わせた傾斜角判別システムにおいて,光学系センサー部の特性把握と改善点を検討するためのモデリングの検討を行う.センサーは1個の赤外線発光ダイオード、2個のフォトトランジスタおよび反射鏡から構成する.ダイオードとフォトトランジスタを一直線上に配置した平面の傾斜を測るとき、対面に常に水平を保つ反射鏡を構成すると平面の傾斜に応じてフォトトランジスタの出力電圧の差から傾斜角が測定できる.本稿で提案するモデルでは,各センサーの指向性及び配置を任意に設定することができ,光学系センサーの感度の検討に有用である.
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下尾 浩正, 南部 幸久, 寺村 正広
セッションID: 06-1P-05
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
筆者らは、光学系のセンサーと生物の情報処理法を回路化したニューラル比較器を用いた高速な傾斜センサーシステムを提案している.センサーは1個の赤外線発光ダイオード、2個のフォトトランジスタ(PTr)および反射鏡から構成する.ダイオードとPTrを一直線上に配置した平面の傾斜を測るとき、対面に常に水平を保つ反射鏡を構成すると、平面の傾斜に応じてPTrの出力電圧が変化する性質を利用して傾斜角が測定できる.出力電圧はPTrの特性により異なるが、半減角や検出波長など様々なパラメータが傾斜角の測定にどの程度影響するか明らかでない.本稿では、試作システムを用いて、特性の異なる複数のPTrを用いた特性実験の結果を報告する.
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山崎 匠, 上原 翔平, 緒方 公一
セッションID: 06-1P-06
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年、OpenPoseの姿勢検出機能を活用した応用システムの提案が数多く行われている。本論文では、危険な場所や近づきたくない場所への接近を通知するシステムの開発を目指している。このシステムでは、OpenPoseのキーポイント情報を利用して、指定した場所や物体からの距離を計算し、特定の条件に基づいて通知を行う。しかし、OpenPoseには指定した物体や場所の座標を取得する機能が不足しているため、本論文ではその機能の提案を行う。
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堀 雄貴, 光木 文秋
セッションID: 06-1P-07
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
音検出に振動版を用いず,レーザー光の微細な変化を利用する光波マイクロホンは、音場を乱すことなく電界中や磁界中での測定が可能である.本研究では,この光波マイクロホンを用いた音の到来方向の推定を目的とし,位相変調により生じる微弱回折光のラズベリーパイカメラモジュールを使った直接の撮影を検討している.音波を入射した状態の画像は微弱回折光による光の強度分布が現れるため,音波を入射してない時の画像と比較して違いが現れる.実験により音波を入射していない状態の画像と音波を入射した状態の画像を準備し,その差分をとることで得られる強度分布から音の到来方向の推定を行う.
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大岸 祐依, Fisilmi Azizah Rahman, Yeoh Wen Liang, 山口 暢彦, 奥村 浩, 福田 修
セッションID: 07-1P-01
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
本研究では,目標まで視覚障害者の移動をナビゲートするCo-walkingロボットの開発を目指す.特にヒトとロボットの意図の共有に焦点を当て,インタラクションを介して意図を共有することで直感的な主導権交換を行い,スムーズな操作を可能とする.本研究で開発したロボットはハンドルで操作可能であり,ヒトが力を加えることで主導権交換を行うことができる.カメラモジュールを搭載しており,対象物を認識したロボットは,主導的にヒトを対象物まで誘導することもできる.対象物を見失った場合は,ヒトへと主導権が戻る.基礎的な動作実験を行い,主導権交換,対象物への誘導を確認することができた.
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篠崎 祐土, 松田 鶴夫
セッションID: 07-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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従来の介護機器開発では特定の機能実現が前提であり、機能変更に伴う再開発時の高コスト化は否めない。一方近年では様々な機器に対して拡張性と汎用性が求められており、介護機器についても例外ではない。そこで我々はレジリエントの概念を機器の核として導入し、患者に必要な機能を周辺モジュールとして定義することで拡張性と汎用性に対応することを志向している。また、本研究においてこれをレジリエントシステムと呼ぶ。過年度までに電動車椅子を用いて、各種センサを用いた制御機能の開発を行うことで本システムの実現の可能性と開発における問題点などについて検討を行ってきた。本報告ではこれまでの結果と今後の方針について紹介する。
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後藤 領太, 亜原理 有
セッションID: 07-1P-03
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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厚生労働省の調査によると将来的には要介護者1人を支えるための介護者の数が減少し、介護者の負担が増加する可能性がある。また、現在の介護現場では、リハビリの進行状況を目視で判断し、手作業で紙に記録するという非効率な方法が使用されている。本研究では、上記の問題に対処するため、MediaPipe技術を活用して骨格検出を行い、要介護者1人でも手指リハビリが可能なシステムの研究開発を行なった。本研究で提案したシステムによって、介護者の負担を軽減し、効率的なリハビリ管理を実現できることを期待される。
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髙山 理衣, 中林 龍, 稲葉 優文, 中野 道彦, 末廣 純也
セッションID: 07-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年、早期がん診断のためのバイオマーカーとして、エクソソームが注目されている。エクソソームは、細胞から分泌される小胞の一種で、様々な体液中に存在する。我々は、誘電泳動を用いることでがん細胞由来エクソソームの分離を目指している。誘電泳動とは、不平等電界下の微粒子に、その電気的特性に依存した分極により生じる現象である。エクソソームは、観察するために蛍光色素で染色する。誘電泳動でエクソソームの分離を行うためには、このようなことがエクソソームの誘電泳動特性に影響を与えるかどうかを検証しておく必要がある。本報告では、二種類のエクソソームの誘電泳動特性に蛍光色素による染色が及ぼす影響について評価した。
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中林 龍, 髙山 理衣, 稲葉 優文, 中野 道彦, 末廣 純也
セッションID: 07-1P-05
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年、がんの新たなバイオマーカーとしてエクソソームが注目されている。エクソソームは細胞から放出される直径100 nm程度の小胞で、体液中に存在する。我々は、誘電泳動を用いることでがん細胞由来エクソソームの分離を目指している。誘電泳動とは、不平等電界中の誘電体微粒子がその電気的特性に応じて分極することで力を受ける現象である。エクソソーム種間で分極特性が異なることが予想され、それを利用して分離を試みる。本研究では、ヒト母乳由来・ヒト乳がん細胞由来エクソソームの混合溶液中で、ヒト乳がん細胞由来エクソソームを選択的に誘電泳動捕集し、分離できることを明らかにした。
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旭 航希, 稲葉 優文, 中野 道彦, 末廣 純也
セッションID: 07-1P-06
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
筆者らは迅速・簡便なDNAの検出法として、微粒子誘電泳動DNA検出法を考案した。本手法は、DNAを誘電体微粒子に結合した際に生じる微粒子の誘電泳動特性の変化を利用したものである。本研究では、同検出法を応用したDNA分解酵素(DNaseⅠ)の検出を試みた。DNaseⅠは心筋梗塞のバイオマーカーとして着目されており、これを簡便に検出できる手法の開発を目指す。DNAに対してDNaseⅠを作用させ分解し、そのDNAを誘電体微粒子に修飾させて、前述の検出法でDNaseⅠの定量検出を試みた。実験では、DNAとDNase Iの反応時間を変化させた際の応答値の関係について検討した。
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山口 大輝, 永井 秀利, 中村 貞吾
セッションID: 08-1P-01
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
音楽ゲームはアクションゲームの一種であり、プレイヤーが、画面上の音楽に合わせて動くオブジェクトに対して、タイミング良くデバイスを操作することでゲームが進行する。本研究では、アクションにキー音が設定されているタイプの特殊な音楽ゲームについて取り扱う。先行研究より、音楽ゲームの譜面生成は、楽曲中の配置タイミング推定と、配置するオブジェクトの種類・並べ方の決定という2つのタスクによって構成されていることが知られている。ここでは、このうち、課題とされていた、オブジェクトの配置決定タスクに着目し、ニューラルネットワークの層としてLSTMを用いることで、時系列情報を考慮した配置決定モデルの作成手法を提案する。
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出籠 聖弥, 永井 秀利, 中村 貞吾
セッションID: 08-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
FPSゲーム「VALORANT」は、様々な要素が勝敗に影響するため、どちらのチームが優勢なのか分かりづらい場合がある。そこで本研究では、大会観戦者や実況者の支援をするために、試合映像から有利不利状況を判定するシステムの構築を目的とする。それによって試合の解説にもつなげることができると考える。本研究では、プレイ映像から様々な情報を取得し、その情報を用いてニューラルネットワークにより勝敗予測を行った。その結果、勝敗予測結果の正解率はラウンドの序盤は0.63、中盤は0.73、終盤は0.82となり、ラウンドの終盤になるほど勝敗予測の精度が高くなることが確認できた。また、実際の解説と比較し、有利不利状況を捉えているかを評価した。
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岡本 龍馬, 永井 秀利, 中村 貞吾
セッションID: 08-1P-03
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年,麻雀において人間のトッププレイヤに匹敵する成績を残したAIが複数登場している.その中で,人間のプレイヤがAIの対局を参考にしたり,AIが人間のプレイヤの対局内容について評価するサービスが開始したりと,AIを用いた麻雀の研究が盛んになり始めている.一方で,麻雀AIがなぜそのような出力を行ったのか,その判断根拠については,現状,人間が推測するしかないという問題点がある.本研究では,CNNを用いた麻雀の打牌選択モデルに対し,各特徴量の重要度を判断根拠として説明する手法を複数適用し,結果を比較することによって,手法の評価や検討を行う.
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長田 周也, 永井 秀利, 中村 貞吾
セッションID: 08-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年、将棋、囲碁など完全情報ゲームだけではなく、ポーカーや麻雀など不完全情報ゲームにおいても強化学習は人間を超える性能を発揮している。しかし、多人数におけるゲームは状態数の増加や報酬設計が難しく、いまだ発展途上の分野である。本研究では将来的に実世界における人間とAIの協調行動を目指し、どのようなエージェントでも、つまり習熟度が低いエージェントや高いエージェントなど多様なメンバーと事前に学習せずにその場でチームを組んでも報酬を多く獲得できるようなエージェントを作成する。
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𠮷澤 亮, Yeoh Wen Liang, 山口 暢彦, 奥村 浩, 福田 修
セッションID: 08-1P-05
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
この研究は、深層学習を利用した画像認識の信頼度が、人の意思決定にどのような影響を与えるかを解析することが目的である。本研究で用いる信頼度は、深層学習の出力から計算される情報量を使って定義される指標である。深層学習の判定結果のみを表示する場合と、判定結果に信頼度を加えて表示する場合とで、人の最終的な判定結果がどのように変化するか分析を行った。具体的には,曖昧さを含む農作物の等級判定において,深層学習の判定結果に信頼度という情報を付加することでその影響を解析した。その結果,表示によって判定精度が変化し、人の意思決定に影響が出ることが示唆された。今後はより詳細な解析を実施する予定である。
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福永 一生, Maulana Muhammad Farhan, 緒方 公一
セッションID: 08-1P-07
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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本研究室では,画像キャプション生成の技術を応用することで人の作業に関する支援を行うことを検討している。その準備として,基本的な画像キャプション生成モデルを作成し,現状の画像キャプション生成技術では,人の動作に関する画像をどの程度適切に説明することができるのか検証した。また,本手法の結果と他の手法を用いた場合の結果を比較することにより,現状の画像キャプション生成の問題点と解決策について考察を行った。
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草野 敦也, 斎藤 寿樹
セッションID: 08-1P-08
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年では様々な株価予測のシステムが用いられている.多くのシステムは複数の情報を使用して高精度に短期間の予測を行っている.そこで本研究では,株価データのみを使用して長期間の予測を行う手法を提案する.本手法では,株価変動が類似する複数の企業をまとめたグループを活用する.グループ単位で直近の変動に類似する過去の期間を探し,株価予測に利用する.講演では,これまでに行った複数のシミュレーションの結果より,株価が長期的に上昇するグループや直近の変動が安定しているグループは予測が容易であることを示す.また,コロナ禍直後のような直近の変動が激しいグループは予測が困難であることを示す.
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松尾 朋卓, 斎藤 寿樹, 土井 朋哉
セッションID: 08-1P-09
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
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中学校・高等学校における時間割作成は,全クラスの時間割について様々な制約を考慮する必要がある.これには手作業で1週間程度の多大な時間を要しており,担当者の大きな負担となっている.そのため,時間割作成に必要となる制約を与えることで,全ての制約を満たす時間割を作成するアルゴリズムが求められている.本研究では,中学校・高等学校の時間割を対象とし,入力として教科や教員などの制約条件を与え,全ての各制約条件を満たす一週間の時間割を出す時間割作成アルゴリズムを提案する.本発表では,このアルゴリズムと計算機実験の結果を示す.
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渡邊 朝子, 高橋 伸弥, 漆山 大知, 宮本 新吾, 四元 房典
セッションID: 08-1P-11
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
ヒトと共生関係にある細菌叢は、病態においてその組成や多様性が変化することが分かっている。この細菌叢データから個々人の健康状態を把握したり病気の診断をしたりといったことが可能になることから、近年、細菌叢解析が注目されており、種々の手法が提案されている。本研究では、より最適な診断モデルを確立することを目的として、先行研究で取得した絨毛膜羊膜炎の診断を受けた妊婦の膣内細菌叢データを対象に、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、アダブーストなどの複数の機械学習モデルにおける診断精度を比較検討した。
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河内 優樹, 八野 知博
セッションID: 09-1P-01
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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本稿では非線形静的部と線形動的部が直列に接続された連続時間Hammersteinシステムを同定対象とし、ガウシャンプロセスモデルを用いた二段階同定法を提案する。第一段階では、一定値入力と出力の定常値に基づき、ガウシャンプロセスの形態で非線形静的部を推定する。次に第二段階では、推定された非線形静的部を用いてランダム入力に対する中間信号を推定し、推定中間信号と出力信号に対してディジタルローパスフィルタを適用することにより線形動的部のパラメータを同定する。シミュレーション実験により本同定法の有効性を確認する。
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川畑 慶弥, 八野 知博
セッションID: 09-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
近年我が国では様々な要因により電力需要が変化しており、効率よく安定的な電力配給を実現するためには、正確な電力需要予測が不可欠となっている。本稿ではガウシャンプロセスモデルを用いた電力需要予測を提案する。本手法では、GPモデルを構成する要素である共分散関数として、入力種別毎の関数の和である独立変数型共分散関数を用いる。九州地区の2019年度の電力需要実績値と曜日による電力需要の傾向の情報に基づいて予測器を構築し、2020年度の電力需要を予測するシミュレーションを行い、本手法の有効性を確認した。
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森山 広聖, 八野 知博
セッションID: 09-1P-03
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
電力系統など多くの実システムは非線形性を有するシステムであり、このようなシステムに対し非線形モデルに基づくモデル予測制御が検討されてきた。本稿ではモデルの不確かさを考慮したモデル予測制御(MPC)を実現するために、ガウシャンプロセスモデルに基づく多段先予測器を構築し、MPCに適用する。予測器構築、及びMPCにおける最適な入力の決定には粒子群最適化を適用する。佐賀県小関発電所を一機無限大母線系統で模擬した電力系統に本制御法を適用したシミュレーション実験を行い、有効性を確認した。また、予測区間最終ステップの出力予測値のみに基づく制御シミュレーションにより、計算時間の短縮を確認した。
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山﨑 大次郎, 八野 知博
セッションID: 09-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
実システムの多くは時間変化特性と非線形性を有しており、これらを制御・解析するためには、時変非線形システムを対象とした精度の良いオンライン同定法が必要である。従来のガウシャンプロセスモデルを用いた可変移動窓型オンライン同定法は、計算負荷が大きいというデメリットがあった。そこで、本稿ではk-meansクラスタリングを導入し、抽出されたデータを同定に使用する方法を提案する。本同定法は、可変の窓長とクラスタリングによるデータの削減により、時変システムへの追従速度を保ちつつ、計算負荷を軽減している。電力系統を対象とした同定シミュレーションを行い、本同定法の有効性を確認した。
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奥園 康太, 森 千紘, 松永 信智
セッションID: 09-1P-05
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
パーソナルビークルの利用は高齢者の生活範囲を広げることができるが、複雑な環境での走行の完全な自動化は困難であり、マニュアル操作を併用することが不可欠である。筆者らはこの問題に対し、逐次型セーフマニュアル制御を提案したが、ジョイスティックの操作情報のみでは、操縦者の意図を走行に反映させるには限度があり、拡張性がない。そこで、本研究ではBrain-Computer Interface(BCI) を用いた意図検出システムの提案する。計測実験を行うことでMR空間でのBCIの有用性を示し、開発した意図検出システムを用いることで、脳波を用いた走行を実現した。
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佐藤 貴之
セッションID: 09-1P-06
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
本研究では,不登校の児童や生徒にプログラミング教育を実施することで,精神面の安定,やりがいの発見,ICT・AI技術への興味・関心の向上,さらには,得たプログラミングスキルをもとにして,IT人材,AI人材育成の足掛かりにすることを目指す. その前段階として,本稿では,学習経験が少ないと思われる文系学部の大学生に対してプログラミング学習を実施し,対象者の心理的変化と変化した要因を探ることで,子どもたちがプログラミング学習を楽しく継続できる仕組みづくりへの活用を目指す.
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内田 保雄, 井田 志乃, 西田 若葉
セッションID: 09-1P-07
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
プログラミング初学者はプログラムの構成段階で行き詰ってしまう問題などが指摘される中,我が国独自の和算に着目し,アルゴリズム教育における初期段階での活用を通じて,アルゴリズム学習の新しいアプローチを試みることを目的とする.本研究では,和算題材の中から「3<π<4」と「継子立て」との2つの題材を選定して授業実践を行い,和算題材の選択による学習効果について調査した.その結果,学習の初期段階では,題材の良否よりもプログラミングの難易度に対する回答に偏る可能性が示唆された.
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神尾 知希, 福本 尚生, 伊藤 秀昭, 新田 貴之, 嶋田 英樹, 相知 政司
セッションID: 09-1P-08
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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誘導電動機などの電気機器の学習において,実機を動かす学生実験は,電気理論や電磁気現象を理解する上で,重要な役割を担っている。しかし,大学等の高等教育機関の学生実験では,学生が十分に理解できるまで繰り返し実験学習を行うことは困難である。そこで,模擬誘導電動機遠隔実験システムの開発を行ってきた。本研究では,模擬誘導電動機の遠隔実験システムの運用に向けた評価を行った。しかし,システムを動かすとwebページの表示がユーザーの環境により不具合が生じた。そこで,システムのwebページを改善した上で,小テストとアンケートの実装を行った。学部4年から修士2年を対象に小テストやアンケートを実施し,評価を行った。
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山本 和輝, 西島 恵介, 古家 賢一
セッションID: 10-1P-01
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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現在の胎児の診療においてはドップラー超音波や心電図などの超音波を用いた装置を使用することが主流である。しかし、監視装置のコストが高いこと、データの取得に専門家の知識が必要であること、超音波が母子に悪影響を与える可能性があることなどのデメリットが存在する。超音波を用いない非侵襲的な方法として聴診がある。聴診には、簡易的で安全性が高いが、胎児心音が母体から発生する音や環境音によりかき消されてしまうといった課題が存在する。本研究では、聴診により計測された音声データを統計的手法により分析し、胎児心拍の周期性を捉え、胎児心拍数の推定を行う。
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布村 太一, 行天 啓二, 大城 英裕, 高見 利也
セッションID: 10-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
フリー
協和と不協和の感じ方は個人や文化によって異なるが、これを計算論的に定量化することが可能である.そこで本研究では波形の周期性に着目し,波形の周期性と音同士の協和感,不協和感の関係性を掘り下げていく.まずは,和音における緊張感,緩和感を定量化する.そして実験の結果,人が耳で聞き評価した協和感と不協和感,本研究で用いた指標で評価した協和感と不協和感がおおむね一致していることを確認した.
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三苫 歩夢, 河野 優, 古家 賢一
セッションID: 10-1P-03
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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音楽におけるコードとは同時に演奏された2つ以上の音の配置ことである。このコードの推定によって任意の雰囲気の楽曲の検索が可能になるが、楽曲の調やコード順序の制約などの複雑な要素が原因で手動でのコード注釈は手間がかかるため、近年では深層学習を用いた自動コード推定が行われている。しかし、コード構成音の倍音成分が障害となって推定精度が低下することが課題となっている。本研究では入力信号にspecmurt法を適用することで倍音成分を抑圧し、コード推定を行う手法を提案する。
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深澤 稜人, 伊東 麻沙美, 緒方 公一
セッションID: 10-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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本研究室では,声道音響管マッピングインタフェースを用いて,音声信号からの声道形状逆推定の研究を進めている.音声のホルマント周波数情報から声道形状を逆推定し,可視化ツールを使って声道の動きの評価を行っている.本稿では,母音から子音あるいはその逆の音形における過渡部分における声道形状の振る舞いについて,有声音と無声音の運動の差異について評価を行った.その結果,これまでに報告されている調音の傾向と一致し,声道形状可視化ツールとマッピングインタフェースの有効性を示した.
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岡本 学
セッションID: 10-1P-05
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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複数のスピーカに1個の小型ホーンスピーカを組み合わせたスピーカアレイの検討を行っている.ホーンスピーカでは主に高域で,スピーカアレイでは主に低域の指向性制御を得意とするため,異なる二つのスピーカを混在させ指向性形成を行うことで,より広い周波数帯域での指向性形成を目指す.本報告では4つのスピーカを方形に並べた試作モデルについて、指向特性を測定した報告を行う。
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内山 大智, 武居 周
セッションID: 10-1P-06
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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近年,計算機の飛躍的性能向上を背景に,室内外の音響設計において,音響解析が多用されるようになったが,一方で,更なる高性能化が求められている。このような背景のもと,これまでに筆者らは,並列有限要素法に基づく定常・非定常音響解析手法を提案してきた。有限要素法は,差分法と比較すると実問題等の複雑形状を少量の要素により扱うことができるメリットを有するが,解析領域の大空間化,解析周波数の上昇等により,数億〜100億自由度規模の大規模解析も必要となる。そこで本研究では,部屋〜ホールスケールの大空間音響解析を実施するために,必要な要素数やメモリ量を調べ,また,これらを削減に向けて見通しを立てる。
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江副 経介, 佐々木 伸一
セッションID: 11-1P-01
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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近年,プリント基板において搭載LSIの高速化により発生する放射雑音が問題となっている.本研究室では,放射雑音の低減方法として基板端部の電源層間に抵抗を付加する抵抗付加法を提案している.これまで、導体に正方形の穴を空けた格子状基板での評価を行い,抵抗付加法における最適な抵抗値は格子線幅と同じ幅の伝送線路を用いて求められることが確認されている。本研究では、円形に穴を空けた格子円形穴あけ基板を用いて、三次元電磁界解析により正方形の穴との影響の違いを評価した。
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野元 昭典, 佐々木 伸一
セッションID: 11-1P-02
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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近年、情報化社会の発展に伴い、携帯電話やパソコンなどの情報機器は小型化や高性能化の要求が高まっている。小型化により、回路が高密度化されると信号線の曲がりが生じる。高性能化により、LSI間での信号速度が高速化すると曲がり部の影響が大きくなり、伝送特性の劣化をもたらす。これまで、曲げ半径で伝送特性は改善することが確認できている。本研究では、曲がり部円弧の高速信号線路において、三次元電磁界解析により、線幅とパルスの立ち上がり時間から最小となる曲げ半径を求めた。また、違う特性インピーダンスの線路で同じ結果が得られるか検討した。
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奥川 拓海, 横田 光広
セッションID: 11-1P-03
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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近年、通信技術の発展により多様な環境下で無線通信が行われている。その際の電波伝播は、人体を含む周囲の環境によって大きく形を変える。現在無線通信に用いられている電波が人体と接触した際に、双方にどのような変化が起きるのか明らかにする必要がある。 本研究では、四角柱を基本とした人体が立った場合及び座った場合の3次元人体モデルを作成し、アンテナから放射される電波の電波散乱特性に関して、FDTD法を用いて数値的に検討している。屋内を想定した環境の中で、電波の周波数を無線LANで用いられる5GHzに設定し、3次元人体モデルの体勢や体の向き及び大きさを変え、人体後方への散乱特性や人体への吸収特性について計算を行う。
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児玉 茉洸, 横田 光広
セッションID: 11-1P-04
発行日: 2023/08/31
公開日: 2024/03/08
会議録・要旨集
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FBGは、光ファイバー内部に回折格子を有したものである。回折格子の周期幅や屈折率、層数などの変化によって、異なる透過特性を示すことが知られている。光通信では、ある波長帯の光を透過させないフィルター、土木などの構造物に関する分野では、周期幅の変化による反射波長帯のずれを利用してセンサーとして使われている。本稿では、その透過特性を確認し、数値的検討を行なうために、FDTD法を用いた。今回は、層数の変化と周期幅の変化による透過特性を確認し、検討・考察を行なった。
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