教育・社会心理学研究
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9 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 三隅 二不二, 河津 雄介
    1970 年 9 巻 2 号 p. 79-86
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    P型とM型の2つの監督条件のもとで高等看護学院生4名がIBMパンチカードのパンチ数を数えるという作業した。その間の生理的変化が左手第三指指尖に装着された光電式プレティスモグラフピックアップで記録され, P条件では条件前時にくらべ条件時で振巾が減少すること, M条件では条件時に振巾が増大することが認められた。この生理的変化にみられる条件差が一方で得られた生産性や質問紙でとられた監督者に対する敵意, 実験状況のもつ不安さ, 監督行動に対する感情値などとつき合されて, P条件・M条件のもつ生理心理学的意味づけが試みられた。その結果, P条件はストレス様の刺激効果を被験者に与えていること, M条件はP条件にくらべ被験者により快的な刺激効果を与えていることが明らかにされた。
  • 池田 勝昭, 野口 宗雄, 成瀬 悟策
    1970 年 9 巻 2 号 p. 87-125
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 狩野 素朗
    1970 年 9 巻 2 号 p. 127-144
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    集団の課題解決能率, および成員の作業満足感におよぼすリーダーシップ要因と構造特性要因の交互作用を検討した。あわせて成員の課題遂行志向的動機づけ, 集団維持 (人間関係) 志向的動機づけ, リーダーのリーダーシップ行動についての成員の評価作業構造についての評価におよぼす両要因の効果に関する吟味を行った。
    リーダーシップ要因としてはP型, M型, およびPM型の3水準, 構造要因としてはcom-con型とwheel型との2水準を用いた。
    実験には5人集団を用い, その中の1人が実験条件にしたがったリーダーシップ行動を演じた。実験課題は「漢字構成ゲーム」で, 成員間に緊密な情報の交換, 調整を要するものである。
    結果はつぎのとおりである。
    1) 課題解決時間につき, 全体を通じて構造要因の主効果がみられ, com-con構造の方が所要時間は少ない。その結果については課題の特性との関連から考察された。
    2) 課題解決時間におよぼすリーダーシップ要因と構造要因との交互作用がみとめられ, com-con構造では早い順にPM, M, Pであるが, wheel構造ではP, PM, Mの順である。P型とM型のみに着目すると構造の水準によって順位が逆転している。この結果については, 構造特性が与える成員の行動についての役割期待と, 現実のリーダーシップ行動とのcogruencyの観点から考察された。
    3) 試行のくりかえしによる課題遂行能率についての練習効果がみられるが, P的リーダーシップは練習効果を促進する機能を果していると考えられる。
    4) 作業満足感については総じてリーダーシップ要因の主効果のみがみいだされ, 高い順にPM, M, Pである。この結果はリーダーシップとモラールに関する従来の研究結果と一貫したものである。
    5) リーダーのリーダーシップ行動についての成員による評価に関しては, リーダーシップ要因の主効果, および構造要因の主効果がみとめられ, それぞれPM, wheel型のばあいにおいて高い。
    6) 作業構造についての成員による評価では, リーダーシップ要因の主効果がありPM型において高い。
  • 松本 蕃
    1970 年 9 巻 2 号 p. 145-159
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 安中 康子
    1970 年 9 巻 2 号 p. 161-170
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    脳性マヒ者の機能訓練を考える時に, 児童の場合, 特に訓練に対するモティヴェーションが低く, 訓練がうまく進まないということがある。したがって, 訓練を動機づけ, 楽しみながら訓練をすることが必要で情緒の安定を得たり, 訓練に対するモティヴェーションを高めるには, 遊戯法が効果があるだろうという考えのもとに, 集団遊戯と機能訓練を併用してみた。
    その結果, 集団遊戯場面での変化に伴なって, それが機能訓練にどのように影響したかを考察した。
    方法は, 9名の脳性マヒ児童を対象に, 週2回, 30分間の集団遊戯, そのあと, 約30分間, トレーナーと子どもが1対1で機能訓練を行ない, 合計21セッションした。社会的参加度によって, 遊戯場面での行動を, 集団競争的行動, 闘争的行動, 自分勝手な行動, 社会的に何もしていない, ひとり遊び, 傍観的行動, 平行遊び, 連合遊び, 協同遊びの9つのカテゴリーでチェックした。
    その結果, 攻撃性の出現によって, 遊戯場面は, I期 (攻撃的行動が多く出た), II期 (I期よりも落ち着いて, 連合遊びが多く見られた), III期 (協同遊びが出てきたが, まだ一時的), IV期 (かなりグループ全体が協同して遊ぶ雰囲気が出てきた) に分けられた。
    機能訓練の方は, 遊びの変化に伴なって, 態度が安定し, トレーナーとの人間関係もよくなって, 訓練に対して意欲的になり, それにつれて, 訓練の効果もあがっている。
    遊びと訓練の効果をみると, 運動機能の改善に対して訓練の効果があまりなかった者2名, 遊びと訓練の両方が効いた者2名, 遊びが効いた者2名, あまり変化のなかった者2名, マイナスの効果があった者が1名いた。
    遊びの効果には, 訓練を促進する効果, 遊びそのものの効果, 訓練を逆向させる効果があり, 遊びと訓練を併用した場合に一番効果があった。
  • 刀根 辰夫
    1970 年 9 巻 2 号 p. 171-174
    発行日: 1970年
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    Y-G性格検査の結果による性格類型と, その各尺度に対応する項目による自己評定の結果とを, 尺度上での位置の一致度に着目して分析すると, 過大評価, 過小評価において関連が認められ, 特に不安定-不適応群に過大評価が多い傾向が認められた。
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