日本線虫研究会誌
Online ISSN : 2186-2672
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13 巻
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  • 田村 弘忠
    1983 年 13 巻 p. 1-5
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    マツノザイセンチュウおよび関連細菌による毒性物質生産の有無を調べるために、試験管内でマツの幼苗根先端に形成させたカルス組織に無菌線虫もしくは関連細菌を付着させた線虫を接種した。前者では多くの幼苗の茎部に線虫が侵入し、苗が萎凋したが、カルス組織で線虫が繁殖し、また茎部に侵入しながらも外観上健全な苗があった。後者では線虫の繁殖がみられず, 細菌による影響は認められなかった。分散型第4期幼虫から分離した細菌3株の培養濾液は幼苗に対し毒性を示したが, もっとも強い毒性を示した細菌の生菌を3年生のマツ苗木に接種した結果, 苗木は枯死せず, 一方無菌線虫を接種した苗木は枯死した。
  • 真宮 靖治
    1983 年 13 巻 p. 6-13
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    マッ属5種を含む計17種の針葉樹および広葉樹について, 枝組織が示すマツノザイセンチュウ耐久型幼虫に対する脱皮促進効果をしらべた。枝組織から寒天平板中への浸出移行物質 (寒天平板法), 枝組織のアセトン抽出液 (アセトン抽出法), のそれぞれについて脱皮促進効果をみるとともに, 枝組織に直接侵入した場合の脱皮率 (直接法) についても明らかにした。いずれの方法においても, マッ属各種とカラマツがもっとも高い効果を示し, モミおよびヒマラヤシーダがこれについでいた。一方, 樹種間に差はあるものの, 供試したすべての樹種に脱皮促進効果が認められたことから, 活性物質はこれらの樹種に共通したものであるこ, とが示唆された。また, 同じマツ属各種についての比較では, 耐久型幼虫の脱皮促進に関しては, 種間に差がみられないことから, 脱皮の難易が抵抗性要因になりうる可能性は小さいことが示された。
  • 樋田 幸夫
    1983 年 13 巻 p. 14-19
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    八丈島、利島、神奈川県南部および屋久島のクワ根辺土壌からHemicriconemoides chitwoodi, Crossonema drywnの2既知種と2新種が検出された。H.chitwoodiはわが国では相原 (1983) によりツバキから報告され, また, C.dryunzは皆川 (1979) によりクヌギから新種として記載されて以来のもので, 両種とも計測値と形態的特徴が原記載にほぼ一致した。
    2新種はNothocriconem yakushimensen.sp.およOgma brevistylumn.sp.と命名された。Nyakushimmsen.sp.は屋久島の桑園土壌から検出され, 尾端部がクチクラ状の膜でおおわれる点でNloofiおよびN.palliatumに類似するが, 第1体環が大きく, 羅状を呈し, 口針がより長いなどから明らかに区別される。O.brevistylumn.sp.は神奈川県南部の自生シマグワの根辺土壌から分離され, 口針が比較的短かく, 体環上の鱗片が8列あるなどの点でO.lentiformeに類似するが, 鱗片が鋭く尖る, 口針節球基部両端がやや前方に突出する, 第1体環が第2体環よりもわずかに大きい, 総体環数が少ないなどの点で区別できる。
  • 青柳 美智子, 石橋 信義
    1983 年 13 巻 p. 20-25
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    マツノザイセンチュウの配偶子形成を押しつぶし法で調査した。卵形成と精子形成は, 他の両性生殖型の線虫と全く同様であった。すなわち, 生殖腺先端の原細胞域で, まず体細胞分裂によって増殖し, 成長域に入ると減数分裂で, 卵子・精子は形成された。体細胞の2倍体は, 精子と卵前核の融合で維持された。染色体は第1分裂中期で雌雄ともn=6と決定された。性染色体は識別できなかった。未受精卵の細胞質は, 受精のう通過後, 崩壊した。
  • 皆川 望
    1983 年 13 巻 p. 26-30
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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