日本線虫研究会誌
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21 巻
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 崔 東魯, 石橋 信義
    1991 年 21 巻 p. 1-5
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Botrytis cinereaFusarium oxysporumの菌そう上でAphelenchus avenaeの産卵能力を25℃ 定温条件下で調査した。
    A.avenaeの平均産卵期間と産卵数はB.cinereaで25.8日間で230個、F.oxysporumでは22.3日間で89個であった。産卵ピークはB.cinereaで成熟後4-6日の問、F.oxysporumでは10-12日の問であった。幼虫の死亡率はB.cinereaで15%、F.oxysporumで20%であった。また、生存率は類似したパターンで漸減した。雌成虫の齢別産卵数 (mx) と生存率 (lx) から世代間純増殖率 (R0) を求め、さらに内的自然増加率 (rm) を算出した。内的自然増加率はB.cinereaで0.79、F.oxysporumで0.50であった。
  • 樋田 幸夫, Somkuan KEEREEWAN, Nuchanart PUTTIRUT
    1991 年 21 巻 p. 6-10
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    タイ国において最近ジャワネコブセンチュウによるマングビーンの被害が目立つようになったため、ポットで栽培したマングビーンを用いて本線虫による被害を解析するとともに、3種のマリーゴールド、ギニアグラス及びトウモロコシをマングビーンの後作に栽培し、線虫密度抑制効果を調べた。さらに抵抗性品種探索の試みとして、チャイナート畑作研究センターに保存されているマングビーンの中から27品種を選び、本線虫に対する感受性を比較した。その結果、本線虫2期幼虫を100頭接種したマングビーンの収量は、無接種のそれに比べてやや減少し、1,000頭接種区では30%、10,000頭接種区, では40%それぞれ減収した。また、対抗植物などによる本線虫防除の試みに関しては、マリーゴールド、トウモロコシなどを栽培すると、マングビーン連作に比べ本線虫の密度は著しく低下することがわかった。供試マングビーン27品種のなかに本線虫が全く寄生しないものはなかったが、UT8104-B-3ではかなり根こぶ数が少なく、次いでF7VC2768、F6VC2778及びVC4000-7の3品種で比較的少なかった。これらのことから、タイ国のマングビーン加害ジャワネコブセンチュウに対する当面の防除策の一つとして、ギニアグラスやトウモロコシなどの輪作が有効と考えられるが、後者のほとんどの品種がキタネコブセンチュウを除く主要ネコブセンチュウの寄主となることが知られているので、本線虫防除のためにこの作物を輪作することは、なお慎重な検討を要する。
  • 近藤 栄造, 石橋 信義
    1991 年 21 巻 p. 11-17
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Steinernema属線虫の発育・増殖に及ぼす共生細菌の役割を明らかにするため、S.carpocapsae、S.feltiaeおよびS.glaseriの肉エキス培地上での発育を直径5.5cmのペトリ皿を用いて25℃ で比較調査した。S.glaseriの感染態幼虫 (J3) は、培地上で速やかに脱鞘・脱皮・発育し、500頭のJ3接種6日後には10,000頭以上に増殖した。S.feltiaeS.glaseriより脱皮・発育がやや遅く、増殖線虫数の最高は接種10日後で約1,000頭であった。この2種に比べてS.carpocapsaeは、脱鞘率が低く、発育が遅く、成虫まで発育しても卵巣発育が不良でほとんど産卵しなかった。しかし、接種4日後に雌成虫をドッグフード培地に移すと生殖腺が発達し産卵した。
  • 皆川 望
    1991 年 21 巻 p. 18-25
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    我が国の森林土壌から検出されたネグサレセンチュウ属の2新種を記載した。Pratylenchus yamagutii n. sp. は、北海道恵庭岳のミヤマハンノキ及びウコンウツギから検出され、2個の頭部体環、丸い受精嚢、雄が存在する等の特徴を有する。本種は、ミナミネグサレセンチュウ (P.coffeae), P. alleni及びムギネグサレセンチュウ (P.neglectus) に似るが、最初の種とは体長が短く、b値が小さい、また、頭部正面像が亜鈴型である等の違いが認められる。2番目の種とは、口針が長く、受精嚢が丸ないし卵型、尾部が細い等の違いがある。3番目の種とは、雄成虫が存在し、受精嚢に球形の精子が見られること、尾部体環の数が多いこと、幻器が尾部の前半部に位置することから区別される。P. okinawaensis n. sp. は、沖縄県国頭村の琉球大学演習林のリュウキュウハリギリ、ウラジロカンコノキ、オオバギ、ヒメユズリハ、トベラ、バリバリノキ、ボソバタブ、スギ及びリュウキュウマツから検出され、2個の頭部体環、長円形の受精嚢、尾部先端に切れ込みを有する等の特徴を持つ。本種は、P.flakkensisに最も似るが、受精嚢がより長いこと、V値が大きいことから区別可能である。
  • 水久保 隆之, 皆川 望
    1991 年 21 巻 p. 26-42
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ムギネグサレセンチュウ関連6個体群 (千葉県四街道市の1個体群、熊本県西合志町の寄主を異にする3個体群、大分県九重町の1個体群、鹿児島県溝辺町の1個体群) を形態観察と計測値の統計的解析により比較した。6個体群の唇部形態は酷似しているが、鹿児島県溝辺産の個体群の唇部前縁の突出は弱く、3体環が頻出する。口針節球の形態の変異には、個体群問で若干の重なりがある。尾端形態では、四街道産の個体群と他の5個体群の間に相違がある。線形判別関数分析により6個体群を3群に判別する際、有意に貢献している形質を探索した。それらは、用いた個体群に関する限り、頭端からの排泄孔の距離、G2 (後部子宮枝長/体長の百分率)、口針節球の高さ、V値、m値 (口針錐/口針の百分率) の5形質であった。正準判別分析および主成分分析により、これら5形質の有効性が確認された。上記の解析に基づき大分県九重町および熊本県西合志町のイネ科草本に由来する個体群を新種と認め、Pratylenchus gotohiと命名・記載した。本種はムギネグサレセンチュウから、上記5形質の他に尾部体環数 (20対17;平均値) および尾端形態の相違で区別できる。本種の種小名は、本種を最初に認識し、国内のネグサレセンチュウ属の種の探索と同定に尽力された後藤昭博士に由来する。原野・放牧地等未耕地から検出されるという生態的特徴を考慮し、本種の和名をマキバネグサレセンチュウとしたい。
  • 水久保 隆之
    1991 年 21 巻 p. 43-47
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • Yukio TOIDA, Takashi YAEGASHI
    1991 年 21 巻 p. 48
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 中園 和年, 古賀 成司
    1991 年 21 巻 p. 49-52
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 荒城 雅昭, 飯塚 隆治
    1991 年 21 巻 p. 53-54
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 水久保 隆之
    1991 年 21 巻 p. 55-70
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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