キクが連作されている浜松,志太,東部の3地区において,生育障害の発生状況と線虫などの要因について調査を実施した。
浜松地区では慢性的な生育不良と大雨直後の急性的な萎ちょうがみられた。この萎ちょうは深耕したほ場および,ネグサレセンチュウがある密度以下のほ場ではほとんど発生しなかった。キクの生育初期における線虫数の対数と収穫期の生育には,キクの生育の極端に悪い場合をのぞいて,負の相関々係が認められた。
東部地区では慢性的な生育不良は少なく,後期における下葉からの萎ちょう,枯死が顕著であった。生育初期の線虫密度の対数と収穫期の生育には弱い負の相関々係が認められたが,その程度は浜松地区よりも低くかった。下葉からの萎ちょう,枯死の原因として,過度の密植や
Verticillium菌なども考えられた。
志太地区では連作による生育障害は認められなかった。この地区では線虫密度が低く,除塩のための湛水はネグサレセンチュウの密度を低下させた。
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