日本線虫研究会誌
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7 巻
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  • 大橋 雄司
    1977 年 7 巻 p. 1-5
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    タバコ属植物44種, 58系統のジャワネコブセンチュウに対する抵抗性を27℃の土壌恒温槽で幼苗検定した. タバコの対照品種として中程度抵抗性のRK70, T.1.706および罹病性のNC95, 白遠州を供試した.
    根に侵入した線虫の発育程度をChristieの方法に従って調査した結果, タバコ属植物の抵抗性を次の3群に分けることができた. 1) 根こぶを全く形成しないか, または形成しても極めてわずかであるか, また, 線虫が全く認められないか, または少数のAステージの線虫のみを認める高度抵抗性群. Nicotiana nudioaulis No.1, N.plumbaginifolia No.1, No.2, No.3およびN.repanda No.1, No.2が属する. 2) RK70およびT.I.706と同様に, 小型の根こぶを形成するが, 侵入した線虫の70%以上がA, B両ステージ以上には発育しない中程度抵抗性群.これにはN.affinis (Hort.) No.3, No.4, N.exigua No.4, N.knightiana No.1, N.megalosiphon No.3, N.otophora No.1, No.2, N, paniculata No.2, No.3およびN.suaveolensNo.2, No.3が属する. 3) NC95, 白遠州と同様に大型の根こぶを多数形成して, 線虫の発育も早く, 他群の種に比較して成熟および産卵成虫の割合が極めて高い罹病性群.これには上記以外の供試した全部の種が属する.
  • 真宮 靖治, 古川 誠
    1977 年 7 巻 p. 6-9
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    マツノザイセンチュウの産卵活動を, 雌成虫の同一個体につき, 産卵開始から, その死亡までおうことで観察した.Botrytis cinermの菌そう上, 25℃ の条件下で, 1頭の雌成虫は平均79個の卵を産卵期間28日で産んだ.観察された最高産卵数は216個であった.産卵開始当初における産卵数は多く, 初期4日間でピークを示し (5.5個/雌/日), 以後産卵活動終了時までその数は漸減した.一般的にいって雌成虫は産卵活動を終えるとまもなく死亡する.供試した雌成虫の平均寿命は15日で, 最高は32日であった.雌成虫の齢別産卵数mxと生存率lxから, 世代間増殖率R0を求め, さらに内的自然増加率rを算出して, 個体数増加の理論的曲線を求めた.この曲線から, 雌成虫1頭は15日後にご263,000頭に達することが示される.
  • 岡本 好一, 三井 康
    1977 年 7 巻 p. 10-14
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    千葉県下3地域の異なる作物より分離したサツマイモネコブセンチュウ各個体群の一卵塊をとって, トマトの感受性品種で3~4世代増殖させ, トマト, サツマイモ, タバコのネコブセンチュウ抵抗性, および感受性品種にご対して各温度条件下での寄生性を調べた.また抵抗性品種にご寄生し得る個体群の出現についても調査した.
    1) 三つの供試個体群は, いずれも供試作物の感受性品種に, 各温度区とも高い寄生性を示した.
    2) 供試した個体群の抵抗性品種に対する寄生は, 高温区で高まり, 個体群によってその傾向は多少異なった.
    (イ) G-Pop.: トマトの抵抗性品種に対しては, 高温区でサツマイモ, タバコのそれよりも根こぶ指数が高かった.
    (ロ) K-POP.: サツマイモの抵抗性品種に対しては, 高温区でトマト, タバコよりも根こぶ指数が高かった.
    (ハ) O-Pop.: トマトの抵抗性品種に対して, いずれの温度区でも感受性品種と同程度の高い根こぶ指数を示し, この個体群は, トマトの抵抗性を破る系統であった.
    3) 抵抗性品種における25~30℃の変温区は, 25℃, 28℃の恒温区より根こぶ指数が高まり, 30℃とは明らかな差が認められなかった.28~33℃の変温区は, 28℃, 30℃の恒温区よりも根こぶ指数が高かった.
    4) 抵抗性品種に寄生したGおよびKの個体群は, タバコの25℃区を除くと, いずれの抵抗性品種でも再び寄生することが認められ, トマトとサツマイモで各温度区 (25℃, 30℃) とも, 世代を重ねるごとに根こぶ指数が高まる傾向が認められた.とくにG-Pop.では, トマトで, K-POP.ではサツマイモで顕著に認められ, 30℃区においては.3世代目で根こぶ指数は感受性品種のそれと同程度になった.
    5) 以上の結果から, トマト, サツマイモ, タバコの抵抗性品種に寄生するサツマイモネコブセンチュウでは, 高温条件によって寄生性が高まり, 特にトマト, サツマイモなどの抵抗性品種で世代を重ねることにより, 感受性品種での寄生と同程度に寄生し得る個体群の出現が促進される可能性が示唆された.
  • III. クワ輪紋ウイルスの伝染源植物ならびに線虫による伝搬の様態
    八木田 秀幸
    1977 年 7 巻 p. 15-20
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    L. martiniによって伝搬されるクワ輪紋ウイルス (MRSV) の伝染源植物の検索ならびに線虫によるウイルス伝搬の様態について試験を行いつぎの結果が得られた.
    1) クワモザイク病株からウイルスを保毒したL. martiniを含む土壌に20科54種の植物を植えて, 線虫によるクワ輪紋ウイルスの伝染源植物 (感染植物) を調査した. その結果本線虫は前報のイチジク, ブドウ, トマト, ナスのほかタバコ, ペチュニアに寄生し増殖したが, これらの植物にはMRSVの伝搬は認められなかった. またMRSV感染カウピー葉を用いて汁液接種により同ウイルス感染植物を検索したところ, 4科11種の植物に感染が認められたが, これらの植物には本線虫は寄生せず, 線虫によってMRSVの感染を受ける植物は, クワ以外にはなかった.
    2) 保毒したL. martiniのMRSV伝搬性は, 2・3齢期幼虫の脱皮によつて失われた.
    3) 無寄主状態においた保毒線虫のウイルス伝搬性保持期間は, 室温 (0~28℃) では, 13か月, 0~9℃では18か月, 20~24℃では3か月と病土の保存条件によって変動したが, 線虫の生存期間中持続するものもあるようであった.
    4) L. martiniによるMRSVの伝搬は1頭接種でも可能でありクワに発病をもたらした. また2・3齢期幼虫と成虫との伝搬力に差はみられなかつたが, 艀化幼虫によるMRSVの伝搬は認められなかった.
    5) 本線虫によるMRSV伝搬の最短接種吸汁期間は, 本調査の方法では, クワと線虫を10日間接触させた場合にモザイク病の発病がみられた. また連続移し変え接種試験においては7日間でも発病がみられた.
  • I. 圃場における処理後の残留薬物の経時的変化
    大羽 克明, 藤田 祐輔, 妹背 醇, 難波 健吉
    1977 年 7 巻 p. 21-27
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    洪積台地上に分布し非火山性黒ボク土壌にかなり似た土壌を有する圃場に土壌燥蒸剤ディ・トラペヅクスを点注処理し, その動向を経時的に調べた.薬物の定量にはガスクロマトグラフィーを用いた.
    その結果, メチルイソチオシアネートと1, 3-Dは消失速度を異にし, 前者は処理後1~3週間の間に急速に減少したのに対し後者は処理1週間後までに大半が既に消失していたがその後の減少は緩やかであった.そして, 処理7週間後の時点における残留量は両者共0.5ppm程度を示していた.処理1週間後に行った圃場の耕転 (ガス抜き) はメチルイソチオシアネートの消失を促進したが, 1, 3-Dに対しては影響が少なかった.また,「ガス抜き」に用いたプラウおよびロータリ耕転の差異も非常に小さかった.
  • 三井 康
    1977 年 7 巻 p. 28-32
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1) 組成の一部を改変した3種類の培地, Shenk & Hildebrandt (SH培地), Khera & Zuckerman (KZ培地), およびKrusberg (K培地) を用い, アルファルファカルスでネグサレセンチュウの増殖を調査した.
    2) カルスの生育量と線虫の増殖率とは必ずしも一致しなかった.
    3) カイネチン, p-CPA, イノシトール, アスコルビン酸をSH培地とKZ培地に添加するとP.coffeae, P.fallax, P.loosi (Pop.4), P.penetrans, P. mlmsの増殖率が変化し, これらの影響は両培地で異なった.
    4) SH培地とK培地の比較では-P.comallariaeの成・幼虫数がK培地で, P.coffeae, P.loosi,.P.zeaeなどの卵数がSH培地で多かった.
    5) K培地に添加した2NaEDTAのP.penetrans, P.vulnusの増殖に及ぼす影響は認められなかった.
    6) SH培地とK培地での5か月間にわたるP.cqffeae, P.loosi, およびP.penetransの増殖パターンは培地間および線虫間でほぼ同様であった. 5か月間培養した結果, 成・幼虫に対する卵の比が低下してくる傾向を示した.
  • 稲垣 春郎
    1977 年 7 巻 p. 33-38
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    真狩村の現地発生圃場におけるジャガイモシストセンチュウ, GJobodera rostochiensis (Woll.) Mulvey & Stoneの年間発生消長を明らかにする目的で3年間にわたって調査を実施した. 2期幼虫は5月上~ 中旬に初めて土壌中から分難され, ジャガイモの発根と同時に根に侵入する. 根内線虫密度は6月中旬に最高に達し, めす成虫が現れ始める. めす成虫は7月中旬に根表に最も多く現れ, 多くのものが白~ 黄色を呈する. その後, めす成虫は褐色となり, 根から脱落してシストとなる. 土壌中シスト密度は7月中旬から高くなり, それに従ってシスト内卵・幼虫密度も高くなる。シスト内の孵化幼虫率は土壌中2期幼虫密度の変動にやや先んじて変動する. 土壌中2期幼虫に6月中旬にピークを示したあと, 7月中~下旬には極端に少なくなるが, 8月中旬には再び増加する. しかし, この時期にはジャガイモの根は既に老化しつつあり, 線虫は第2世代を形成するに至らない.2期幼虫は11月下旬まで分離されるが, 3~4月には全く分離されない所から, 本線虫の場合, この地域においては, 土壌中に游出した2期幼虫態での越冬はないものと考えられる.
  • 近藤 栄造, 石橋 信義
    1977 年 7 巻 p. 39-44
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    露地栽培イチゴ (八千代) でのN. acrisの1株あたりの発生は, 春期には400頭以下であり, 高温・乾燥期 (8月) には10頭以下に激減し, 9月中旬から急激に上昇して11月には最高約2,800頭になり, 12月以降は減少し2月の密度は40頭以下であった. 冬期 (1~3月) ビニールトンネル内で栽培Lすると春の密度は株あたり2,000頭に増加し, 明瞭な年間二山型の発生をした。ランナーに寄生する割合は, ランナーの増加に比例して高くなった. センチュウの子株への伝播は, ランナーの頂芽がまだ親株内にある時におこり, 伸長した飼旬枝の節間部からは検出されず, 子株発生後に飼旬枝を伝わって移行する可能性は低い. 低密度期のセンチュウの発育ステージは, 未熟成虫と4期幼虫の割合が高く, 8月には2・3期幼虫が著しく減少した. イチゴ芽を風乾した時の残存ステージは, 未熟雌成虫と4期幼虫に収れんした. イチゴ芽を凍結処理前に室温で乾燥処理すると, 直接凍結処理した場合よりセンチュウの残存率は高くなった.
  • 近岡 一郎
    1977 年 7 巻 p. 45-48
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    キタネグサレセンチュウ.Pratylenchus penetransの無寄主土壌における生存能力を知るため, 1967年から1973年にかけて試験を行った.
    線虫高密度土壌をポリエチレン袋に詰め, 2~5, 15, 25℃ および屋外に設置して定期的に土壌中の線虫密度と指標植物インゲンへの寄生状況を調査した.
    2~5℃ では, 生存はもっとも長く5年の長きにわたった. これより高温度では生存期間が短くなり, 15℃では3年5か月, 25℃ では1年9か月であった. 屋外では2年9か月の生存が認められた.
    P.penetransは無寄主条件下の土壌で長期間の生存が可能と考えられる.
  • 清水 啓
    1977 年 7 巻 p. 49-57
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1) イネシストセンチュウの発育経過, 季節的消長, 1世代所要日数, 年間世代数および根圏内寄生分布を圃場調査, 土壌恒温槽実験, ポヅトによる世代隔離実験等によって明らかにした.
    2) イネ根への幼虫の侵入は5月中旬より始まり, 侵入開始5週間目 (6月中旬) に卵のうの付着した雌成虫が多数みられた. 6~8週間目 (6月下旬~7月上旬) にはシストの形成が完了した.
    3) 土壌中の幼虫数は6月中旬までに越冬卵からの艀化による第1の山が出現し, 栽培区では7月から8月にかけて第2の山, 8月中旬に第3の山, そして晩播き区を除いて9月上旬に第4の山が認められた.
    4) 土壌中のシスト数は4月初期より減少の一途をたどり, 6月下旬から7月にかけて最低となった. 7~8月いっぱいこの状態が続き, 8月中旬から上向きとなり, 9月下旬には晩播き区 (5月30日播種) を除いて初期密度まで回復した. 休耕区のシスト数は減少するのみであった.
    5) 春季におけるシスト内空卵率は, イネの播種後上昇する傾向がみられたが, 寄主の存在下においても3~8%と低かった.
    6) 温度別飼育実験の結果, 発育速度と温度との間に直線関係が認められた. 発育零点は10.6℃, 2期幼虫の侵入から卵のう内卵の艀化までの有効積算温度は455日度であった.
    7) 本線虫の雌成虫は卵のうを多量に排出し, 卵のう内卵数は全卵数の32~48%であった. 卵のう内卵はシスト内卵に比較して艀化までの日数は短く, 艀化率も著しく局かった. このことから, 卵のう内卵は稲栽培期間中の増殖の主たる担い手であり, シスト内卵は翌春の増殖の主たる担い手であると考えられる.
    8) 世代隔離実験の結果, 稲栽培期間中に3世代を完了することがわかった. また土壌中の幼虫数の消長における山は, 越冬卵によるものを除くと三つあること, 稲栽培期間中の全有効積算温度を1世代有効積算温度で除した値4.0世代等の結果を併せて考えると, 鴻巣地方の稲栽培期間における本線虫の世代数は3回と推定される.
    9) イネの根圏土壌内における本線虫の分布は根系に対応した. すなわち, 水稲の株の中心からうねと直角に, 水平方向12.5cmの範囲内に幼虫数の88%, およびシスト数の78%が分布し, 地表面から深さ10cmまでにシスト数の90%が分布していた.
  • 三枝 敏郎, 相原 孝雄
    1977 年 7 巻 p. 58-65
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1) 関東地方および新潟県のユリ球根養成圃場におけるネグサレセンチュウPratylenchusspp. の生息状態に関する調査とその被害回避法について検討を行った.
    2) 圃場ではキタネグサレセンチュウ・P.penetransがほとんどで, まれにクルミネグサレセンチュウ・P.vulnusが10%位混在する圃場もあった.
    3) ネグサレセンチュウのユリにおける寄生程度は, 子球から数年間養成するアカカノコユリとキカノコユリで著しく高く, 種子から養成するスカシユリや本来寄生の少ない山林自生の球根から1年だけ養成するヤマユリでは全般的に低かった.
    4) アカカノコユリ作付圃場におけるネグサレセンチュウの生息密度は, 根および土ともに, 7~8月に最高に達する場合が多く, ユリ掘り取り後の11月からは土壌中に低い値で持続した. その時, 2期幼虫の構成比が高まっていた.
    5) アカカノコユリを栽培した圃場に, 翌年, サトイモトウモロコシ, オカボ, ナンキンマメ, あるいはサツマイモを栽培した結果, ナンキンマメとサトイモにはネグサレセンチュウの寄生が認められず, 土壌中の生息密度は著しく低下した. また, オカボではイネシストセンチュウHeterodera elachistaが発生し, その増殖期にはネグサレセンチュウの増殖が抑制された.
    6) ネグサレセンチュウの寄生しているアカカノコユリ子球 (1球平均5.29) の温湯浸漬試験でネグサレセンチュウの検出が全く認められず. しかも, その後の生育に全く障害の認められない処理は47℃・45分であった.
  • 井上 平
    1977 年 7 巻 p. 66-69
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1) 1969年以降, 春秋2期かつ連年ジャガイモを作付した圃場約20aの一隅に設けた1区約60m2の10試験区を用いて, 1975年の秋作で, 下記を調査した. なお, 1975年は, 秋作植付後約半月に当たる9月1~3半旬の平均地温が, 平年より3.3℃高い28.8℃を記録した.
    2) 不萌芽率は, 植付前EDB剤処理による根こぶ指数0%区では, 13.1~20.5%であったのに対して, 根こぶ指数75%および100%区では, それぞれ43.3%および49.5%であった.
    3) ジャガイモ生育の指標としての30株の平均茎長は, 植付前EDB剤処理による根こぶ指数0%区では, 32.1~33.9cmであったのに対して, 根こぶ指数75%および100%区では, それぞれ22.1cmおよび16.0cmであった.
    4) 青枯病の発生株率は, 植付前EDB剤処理による根こぶ指数0%区では, 7.6~12.1%であったのに対して, 根こぶ指数75%および100%区では, それぞれ21.7%および27.4%であった.
    5) 609以上の塊茎のa当たり収量は, 植付前EDB剤処理による根こぶ指数0%区では, 156~186kgであったのに対して, 根こぶ指数75%および100%区では, それぞれ43kgおよび10kgであった.
  • 大崎 憲生, 飯田 定彦, 永吉 昭雄
    1977 年 7 巻 p. 70-73
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1) 切り取って供試したすべての植物の根の先端5mmに対して, サツマイモネコブセンチュウの第2期幼虫は, 最初の0~3時間は忌避性を示した. その後, タバコの根を除く他の植物の根では, 忌避性は消失した.
    2) 根 (トマト, マリーゴールド) を設置して2時間後, 根を取り除き, ただちにセンチュウを放った結果, センチュウは根が存在しないのにもかかわらず, 忌避性を示した.
    3) 根 (トマト, マリーゴールド) を設置して2時間後, 根を取り除き, さらに20時間してからセンチュウを放った結果, トマトでは弱い忌避性が示され, マリーゴールドでは忌避性は示されなかった.
    4) 切り取らないトマトの根の先端5mmに対しては, 切り取った根で示されたような忌避性は, 認められなかった.
    5) センチュウが多数存在する寒天中に切り取ったトマトの根を入れると, 切り口付近からセンチュウが他に移動するのがみられた.
  • 小林 義明, 杉山 朝一
    1977 年 7 巻 p. 74-77
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    1) イネシンガレセンチュウの近年の多発生の原因を明らかにするため, 1976年に, 近年急速に普及しつつある田植機栽培と手植栽培における本線虫の増殖・伝播の差異を検討した.
    2) 種もみから遊出した線虫のイネ体への侵入率は箱育苗において高く, 畑苗代や折衷苗代ではきわめて低かった.
    3) 箱育苗においては, 播種後約10日の幼苗から次世代幼虫が検出され, 育苗期間中に約10倍に増殖した.
    4) 本田期の発病株率で示される線虫の伝播は接種期間が早期の場合ほど多く, かつその傾向は稚苗機械移植区で顕著であった. 稚苗機械移植は成苗手植えに比べて伝播が多かった.
    5) 収穫もみ内の線虫数については, 線虫の接種時期が早いもの程, 多い傾向がみられたが, 移植方法間には大差がなかった.
    6) 以上のことから, 稚苗機械移植栽培では, その育苗法が本線虫の侵入増殖に適しているうえに, 本田期の伝染も高いので, 本線虫の発生を増大させるものと考えられる. またこのことは共通した栽培方法をとる田植機栽培一般にも適用できるものと考えられる.
  • 萩谷 俊一, 三井 康
    1977 年 7 巻 p. 78-79
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 後藤 昭
    1977 年 7 巻 p. 80-81
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 気賀沢 和男, 堤 正明, 稲垣 春郎, 山田 英一, 高倉 重義, 坪木 和男, 黒沢 強, 井上 寿
    1977 年 7 巻 p. 82-83
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 皆川 望, 百田 洋二, 大島 康臣
    1977 年 7 巻 p. 84-86
    発行日: 1977/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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