ハリセンチュウ科の3種、
Aglenchus ainakamurae (新種)、
Cephalenchus leptus leptus および
Lelenchus leetosoma を日本から記録した。1)
A. ainakamurae は茨城県御前山村のサンショウ・イロハモミジ・ハギ属の一種およびイラクサ属の一種から検出された。本種は近似する
A. muktiiとは雄がいないこと、毛状の尾端および先細になった唇部側面像によって区別される。また本種は、雄の欠如・先細の唇部・体環数・MB・c・V・V等の値の相違に基づきA. geraerti (新名) と区別される。2)
C. leptus leptusmsの個体群を、イタヤカエデ、草本 (北海道) および未同定木本 (長野県) から分離し、再記載した。国内の
C. leptusの計測値を分析した結果から、
C. leptusの異名同物とされた
C. limichusを有効種と考え、日本から記載された
C.daisuceを
C.leptusの一亜種 (C. leptusdaisuce) に位置づけ、同時に
C. leptusを承名亜種 (C. leptus leptus) とした。3) 長崎県及び長野県の森林土壌から分離した
L. leptosomaを図示し、諸計測値を示した。
Agknchus属と
Lelenchus属はそれぞれ日本最初の報告である。
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