素寒天培地, 肉エキス培地および7種類のドッグフードを用いた培地上での昆虫寄生性線虫
Steinernemafeltiae (=
Neoaplectana cmpocapsae, DD-136) の発育と増殖を25℃ の条件下で30日にわたって調査した。ソフト型ドッグフードを用いた培地と素寒天培地上では, 感染態幼虫 (J
III) は脱皮せず, 貯蔵脂質を消耗して, しだいに死亡した。肉エキス培地上では, J
IIIは脱皮し成虫へ発育したが, 生殖腺の発育が悪く, 産卵は非常に少なかった。また, ふ化幼虫は共生菌で被われ, 成虫化前に死亡した。ドライ型ドッグフードを用いた培地上では, ほとんどのJ
IIIは接種後2日ないし3日に脱皮した。第1および第2世代成虫の出現ピークは, 接種後4日および10日にみられた。線虫数は, 接種後5日から15日にかけて急速に増加し, 以後しだいに減少した。J
IIIの割合は, 線虫密度の低下とともに増加し, 接種後30日では, 平均81%であった。試験管1本当たりのドッグフードの量を減少すると, 増殖線虫数は減少した。ソフト型とドライ型のドッグフードを混合した培地上での増殖は, ソフト型の割合が高くなるにつれて減少し, その原因は, 共生菌の増殖を阻害する物質の存在によった。
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