看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
ISSN-L : 2424-0052
16 巻, 3 号
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研究報告
  • 千葉 理恵, 梅田 麻希, 宮本 有紀, 山口 創生, 後藤 恭平
    2018 年 16 巻 3 号 p. 70-78
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は、精神科医療・福祉サービスに携わる専門職者が、サービス利用者のリカバリーを支援するために、所属する施設や部署でどのようなことを大切だと思っているかを質的に明らかにすることを目的とした。精神科医療・福祉サービスに携わる専門職者を対象に自由記述の自記式調査票を用いた横断調査を行い、125名の回答を内容分析により分析した(有効回答の回答率:26.3%)。抽出されたカテゴリーは、『対象者との対等な関係性』、『多職種との情報共有』、『チャレンジの支援』、『対象者との信頼関係』、『専門職者としての姿勢』、『スタッフへの教育』、『ストレングス志向』、『地域資源の活用』、『リカバリー経験者と接する機会』などがあった。これらには、個々の専門職者−対象者間の関係性や、専門職者の考え方やスキル、チームや組織としての取り組みなどに関する内容があった。
資料
  • 赤星 琴美, 若竹 理沙, 山口 忍
    2018 年 16 巻 3 号 p. 79-89
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は、特定保健指導に係わっている全国の市町村の保健師1,156名を対象に特定健診・特定保健指導に関する検査項目の実施状況および保健師の意見を把握することを目的に調査を行い、514名の保健師から回答が得られた。その結果、(1)制度上は医師の判断の下で行われる詳細な健診項目の追加および特定保健指導対象者の選定を保健師の判断で行うことがいいと思っている保健師がそれぞれ30.6%、60.0%であった。(2)18.4%の市町村が積極的特定保健指導を行う過程で血液検査を実施しており、そのうち、実施の判断を保健師が行っているのは74.2%であった。(3)51.3%の保健師が療養中の者を特定保健指導対象者に含めてもよいと考えていた。保健師は、必要に応じて関係機関に働きかけながら、対象者と関わり、保健指導を行い、療養中の者を含めて重症化予防を行いたいと感じていた。地域の健康課題を把握し、住民に身近な存在の保健師が、専門職として十分に活動できる仕組みつくりをすることにより、国の目指す健康寿命の延伸へと繋がると考える。
企画記事
大分県立看護科学大学 第19回看護国際フォーラム
  • 下稲葉 かおり
    2018 年 16 巻 3 号 p. 90-95
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/25
    ジャーナル フリー
    医療者はケア提供を通して、患者・家族のさまざまな喪失体験や死と向き合うことになる。それらを通して、医療者も喪失・悲嘆を経験する可能性がある。本稿では、医療者の経験する喪失・悲嘆の特徴とそのケアについて述べる。喪失経験のあとに悲嘆を経験することは自然なことであっても、それが仕事を通して蓄積すると大きな影響がでたりバーンアウトの原因なるといわれている。同時に、ケア提供を通して医療者としてのやりがいや達成感を感じたり、専門職・人としての成長を感じることができている。この内なる強さはresilience(レジリエンス)と呼ばれる。レジリエンスを育て強めていくには、大きく2つの要素があり、サポートを受けること(外からの要素)と自己認知とセルフケア(内からの要素)が含まれる。ケアを通して経験する喪失・悲嘆について知り、医療者が十分なサポートを受け、さらにセルフケア実施していくことは、良いケアを提供していくためのひとつの鍵となるのではないだろうか。
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