本研究は、特定保健指導に係わっている全国の市町村の保健師1,156名を対象に特定健診・特定保健指導に関する検査項目の実施状況および保健師の意見を把握することを目的に調査を行い、514名の保健師から回答が得られた。その結果、(1)制度上は医師の判断の下で行われる詳細な健診項目の追加および特定保健指導対象者の選定を保健師の判断で行うことがいいと思っている保健師がそれぞれ30.6%、60.0%であった。(2)18.4%の市町村が積極的特定保健指導を行う過程で血液検査を実施しており、そのうち、実施の判断を保健師が行っているのは74.2%であった。(3)51.3%の保健師が療養中の者を特定保健指導対象者に含めてもよいと考えていた。保健師は、必要に応じて関係機関に働きかけながら、対象者と関わり、保健指導を行い、療養中の者を含めて重症化予防を行いたいと感じていた。地域の健康課題を把握し、住民に身近な存在の保健師が、専門職として十分に活動できる仕組みつくりをすることにより、国の目指す健康寿命の延伸へと繋がると考える。
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