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33 巻, 4 号
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  • I.冬期間のヤマゲラ Picus canus の食性
    松岡 茂, 小嶋 研二
    1985 年 33 巻 4 号 p. 103-111
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    北海道大学苫小牧地方演習林内の森林観測塔に設置された巣箱をねぐらとするヤマゲラ(雄3羽,雌1羽)のふんを採集し,分析した.
    (1)同定できた餌は,動物質のものが33種,植物質が6種であったが,その中の重要な餌は,小型のアリ Lasius niger,ウルシ(ツタウルシとヤマウルシ Rhus spp.)の種子,それにフクログモ類 Clubiona spp. であった.
    (2)雄の間では,同じ年に採集した2個体のふんの内容はきわめて似ていた.この2個体とその前年の1個体のふん内容は,植物質の割合が一部違うものの,全体としてはかなりよく似ていた,
    (3)雄と雌の食性の類似性も高かった.
    (4)ねぐらで採集されたふんと,日中に採集されたふん内容を比較したところ,それらの間に大きな差はみられなかった.
    (5)以上の点から,ヤマゲラの冬期間の食性は,個体間,雌雄間での変異は小さく,またねぐらで採集したふんはヤマゲラの日中の食性をも表しうるものと考えられた.
  • 森岡 弘之
    1985 年 33 巻 4 号 p. 113-122_2
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    筆者は,1981年10月に中部ネパールで鳥類の調査を行い,とくにドウラギリ西南約40kmのドルパタン地方には約2週間滞在し,多くの標本を採集した.そこで採集または観察した57種の鳥類は,この地方の鳥相が明らかに西部ヒマラヤに縁の近いことを示すが,それはこの地方の植生がモミ類などの針葉樹を主体としていることとも関連づけられる.
    採集した標本の多くは10月に換羽の最中であったが,この事実から推定すると,かれらは7-8月に産卵,8月下旬にひなを育てると考えられる.これは繁殖期としてはかなりおそいが(例えば日本や東ネパールにおける繁殖期より1-1.5か月おそい),おそらく積雪や寒さのため7月以前に繁殖を始めることは不可能なためであろう.
    中部ネパールのドウラギリ•アンナブルナ地域は,一部のカラ類について,東ネパールと西ネパールの種の hybridization の区域といわれている(DIESSELHORT&MARTENS,1972),筆者の採集した Parus melanolophus は, P.melanolophusP.ater の雑種のようには見えなかったが,さらに標本を採集しなければ,最終的な結論を得ることはできない.
  • Douglas W. MCWHIRTER
    1985 年 33 巻 4 号 p. 123-125
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    沖縄本島における鳥類の繁殖については比較的記録が少ない.筆者は,1980年9月から1984年7月までの間に見聞した22種の繁殖について述べた.そのうち,ツバメチドリ Glareola maldivarum とアミハラ Lonchura punctulata は新しい繁殖記録である。
  • Mark BRAZIL
    1985 年 33 巻 4 号 p. 125-127
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1984年9月,沖縄本島北部におけるヤンバルクイナ Rallus okinawae の分布調査中に,夜間および夜明けの本種の行動を観察した.この鳥の鳴き声は,セミ類(土着の種が多数あるが,一般に鳴き声が大きく,大変うるさい)の鳴き声がとだえる夕方おそくおよび早朝にもっとも多く聞かれた.とくに,つがいによるデュエットおよび数つがいによるコーラスは,夕方おそくに聞くことが多かった.また夜半に,塒で休息中の幼鳥1羽と木の上にとまっていた成鳥羽を観察し,幼鳥の羽色について記載した.
  • 樋口 広芳, 長谷川 雅美
    1985 年 33 巻 4 号 p. 127-128
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    The clutch size of Varied Tits on Kohzu-shima (34°15′N, 139°10′E) in the Izu Islands was investigated using nestboxes. The mean±S.D. of clutch size was 5.37±1.01. Clutch sizes were found to be intermediate between, and significantly different from, those of the Honshu mainland population and Miyake-jima island (the next island south of Kohzu-shima) population.
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