感情心理学研究
Online ISSN : 1882-8949
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5 巻, 1 号
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  • 中丸 茂
    1997 年5 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    本報告は,勝負事態における勝敗決定直後の表情変化を表情筋筋電図の加算平均法によって検討した。
    実験1は,10名の被験者による,大きい数字を出したほうが勝ちというヒューマンーマシン対戦型勝負事態における勝ち決定直後,および,負け決定直後の表情の変化を前頭筋,皺眉筋,大頬骨筋の3部位のfEMGを使用して検討し,勝ち―負けという随伴性に関する条件差は認められなかったが,個人に特有の表情変化(個人的情動行動)の存在が示唆された。
    実験2は,マルチ・ベースライン法を用いて,6名の被験者による数字決定ゲームにおける勝ち決定直後,および,負け決定直後の表情変化を前頭筋,皺眉筋,後耳介筋を使用して検討し,約1000msに勝ちという随伴性に関連した大頬骨筋筋電図の増大が見られるという結果が得られた。
    この実験間の結果の差は,勝負事態(随伴性)の違いによるものと考えられ,今後,平均表情筋筋電図(AfEMG)を使用した表情変化の研究は,被験者内で再現性のある事態と被験者間でも共通の表情変化が制御される事態を検討していく必要がある。
  • Masahiro Sakamoto, Charles Pribyl, James Keaten
    1997 年5 巻1 号 p. 10-23
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    この研究ではコミュニケーション不安・回避(Communication Apprehension&Avoidance:CAA)と大学での学部選択や性別との関係を調べた。本調査のデータは,大学入学時点では学部間のCAAレベルは有意に異なるが,男女差はないという証拠を提供した。特に薬学部の学生は外国語学部や法学部の学生に比べて平均してコミュニケーションに対する不安が高いことが示された。日本でのCAAの学部差のパターンはアメリカの薬学部の学生の自己報告と類似している。
  • 神谷 俊次
    1997 年5 巻1 号 p. 24-35
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    一連の等質な項目の中に異質な項目が含まれている場合,異質項目の記憶が促進されるという孤立効果は極めて強固な現象である。しかし,孤立項目の前後の記憶が孤立項目の存在によって影響されるかどうかに関しては結論が得られていない。本研究では,孤立化操作に伴って驚きといった感情が喚起された場合に周辺項目に対する抑制効果が得られるのではないかとの仮説に基づき,性的な感情喚起刺激を用いた自由再生実験を行った。その結果,強い感情が喚起された場合に,孤立項目に後続する項目の記憶が著しく抑制されることが明らかにされた。この孤立効果と抑制効果は,感情喚起刺激に関する自動的な符号化と感情喚起刺激による精神的なショックによる情報処理能力の低下によって引き起こされるのではないかと考えられた。
  • 1997 年5 巻1 号 p. 36-50
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
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